バリ島で、優秀なスタッフが突然辞めた。
彼は、仕事ができる上に、スタッフからの信頼も厚く、経験も豊富。
それだけに惜しい人材であった。
彼は、なぜ辞めたのか。
10日ほど前の出来事である。
彼はいつもより朝早く出勤してくると
「子どもが危篤なのです。お金が必要なので、給料を前借りさせてほしい」
と言ってきた。
信頼できる人間なので、承諾した。
病気の状況を聞くと、原因不明で医者も分からないらしい。
そこで彼は、藁をもつかむ思いで、不思議な力を持つ者を訪ねた。
「子どもを助けたいか」
「もちろんです」
「では、タバナンにある◯◯寺のマンク(僧侶)になれ。
そして、お供え物をして、お祈りしなさい」
「分かりました」
それからしばらくして、彼が出社してきた。
「危篤の子どもが、奇跡的に助かり、元気になりました」
「おおっ、よかったな!」
「はい。それで、、仕事は好きだし続けたいのですが、
そういうことなので辞めてマンクになることにしました。
これまでお世話になりました」と。
呆気にとられたが、他のスタッフに聞くと、
こういうことはよくあるらしい。
「お前も、同じ状況なったら、マンクになるのか?」
「はい、そうします」
う~ん、、信じる者に、何も言えない。
さて、ここで疑問に思う人もいるだろう。
「僧侶って、そんなに簡単になれるのか!?」
バリヒンドゥーの僧侶は、階級ごとにいる。
プダンドゥというのは、ヒンドゥーのカーストで最上位の階級イダ・バグスの僧侶で、
本来の僧侶は、生まれながらに決まっている。
彼らは、神様と同等だ。
マンクというのは、階級に関係なく、神様のお告げで選出され、
人間として、神に従事する存在で、人と神をつなげる。
マンクは、庶民のための僧侶で、日常の儀式を執り行う。
「そうか。なら、オレもマンクになろうかな」
と言ったら、「ムリ!」とのこと。
基本的に仕事はできないし、儀式が多く忙しいらしい。
そしてなにより、聖人なわけで、ストイックさが求めれる。
ストイック、、、それはムリだな。。
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