バリ島で暮らしはじめて1週間程たった頃、田舎で私の改宗の洗礼儀式があった。その前の晩、姑から儀式の時間を伝える電話があったので急遽、夜中に田舎へ戻った。これが私の実家での初お泊まりとなった。



儀式は朝からだというので早朝から起き出して家族が順番に沐浴(マンディ)。着慣れない民族衣装のクバヤを着て、7時過ぎには全員準備完了。でもいつまでたっても出発しない…。



お昼過ぎようやくみんなでお寺へ出発。でも今度はお坊さんがいない…。その日は日が良いのであちこちで儀式があって引っ張りだこのお坊さんは待てど暮らせど戻って来ない…。こんなに待たされたのは生まれて初めての私。イライラはピークに達していた。



言葉が通じるのはアリさん(夫)だけなので、怒りをぶつけはじめた。



でもふと周りを見てみると、みんなニコニコしておしゃべりをしている。今日は私がヒンズー教になる儀式であって、ぶっちゃけあの人達には関係のない儀式。他人の行事なのに誰一人として文句を言わずに朝からひたすら待っている。カリカリしているのは当事者の私だけ…。



待つことを苦と感じな達。寛容と言うかのんびりしていると言うか…。きっとここでの暮らしはこんなことばかりなのだろうとある意味、覚悟を決めた瞬間でもありました。薄暗くなった頃にお坊さんが到着。辺りが真っ暗になった頃なんとか無事に改宗の儀式が終りました。長い長い一日。



おまけの話し
何はともあれ、儀式が無事に終わった事を日本の母親に電話で伝えたところ、不思議な事を言い出しました。でもお陰で、よく分からない儀式の本当の意味が理解出来た感じです。