月初に九条シネヌーボーで源氏物語を
見ておいて良かった。
Cabel TV
鍵 谷崎潤一郎原作 市川崑監督
大映作品 1959年
僕が小学校2年(1959年)母に連れられて
見ている 弟はまだ4歳 可哀そうな気もする。
泣きだしたのは疲れて家に帰りたかったから・・
老人が若さを保つには嫉妬する
のがひとつの方法なんだろうか
と今になって分かる映画
谷崎らしい仕込み・・
初老の古美術専門家
鑑定家として超一流
鑑定料以外収入はない。
しかしめぼしい美術品は
すでに売り尽くしていて
美術商からの預かり品となり
土地・屋敷も抵当に入っている。
(妻の若さに羨望と嫉妬を
持つ男・・ Because he can not satisfy her anymore)
その妻との情事を日記に書き
金庫に入れ その金庫の鍵を
妻が読むであろうことを予想して
隠している鴈治郎
その妻 京マチ子の妖艶さ
(お風呂で倒れるシーンは当時としては大胆
でも充分に抑えた表現
妻は意識して何度も何度も風呂で倒れる。
鴈治郎は妻の全裸をカメラに収める
鴈治郎はその現像を仲代に依頼する。
妻は仲代が現像することを既に
予想している。)
京大でインターンの医師(仲代達矢)
京マチ子とは抑制の効いた
恋愛感情を持ち、娘の叶順子は
それが分かるので嫉妬している。
仲代は開業する後ろ盾に鴈治郎の
地位と財産を狙っている。
娘とは既に関係を結んでいる・・
鴈治郎は故意に京マチ子と仲代との
接触を演出する・・)
仲代はS34年当時 26歳
人間の条件(松竹)にも出演して
いる頃、実に綺麗な顔
舞台俳優ならではの重厚な声
その他 北林谷栄 山茶花九
渋い連中が脇を固めている。
昭和34年の京都
貴重なタイムカプセル。
鴈治郎
家の電話番号も 友人の名前も
失念する・・・
京マチ子10時10分眉 土蜘蛛みたいな眉
険しい顔に見えるメーク
1924年生まれ 映画封切り時
彼女は35歳 現在の35歳の女性より
ずっと年長に見える。
鴈治郎は夫婦の行為の中で
脳卒中で倒れる。
家人が誰もいない時
鴈治郎は京マチ子に
全裸を見せるように要求する・・
これも衝撃の演出
(人間の条件の梶・美千子の若さ
と対比させて老醜を演じさせたのか)
鴈治郎が亡くなる。
めぼしい美術品も全て
持って行かれて
母 娘 仲代の3人で
慰労の食事会
北林谷栄が農薬を
サラダに入れて
3人は死亡
あっけない幕切れ 警察は自殺と断定・・
淫靡な文学 今見ると京都の家並みとか
市電のほうに目が行ってしまう。
古美術専門家の鴈次郎の金庫の鍵も
重要な要素だが、京マチ子が仲代達也に渡す
家の裏口の鍵も出てきた。 今までそこを
見ていなかったので なんとなくぼやけた印象
だったけど、漸くイメージが繋がった。
京マチ子の眉が蜘蛛の化身みたいで怖かった。
妻の若さ 隠れた情事に嫉妬して
その気持ちが老人の若さを維持させるという
倒錯した幻想・・ 文学的にはわかるが・・・


