Dec 4, 2018(Tue)
素晴らしき日曜日 何度見ても見飽きない映画
母と見た珠玉の映画のひとつ
黒澤明監督1947年 モノクロ作品
リアリズムの映画である。 歴史的資料にもなり得る映画。
冬の日曜日 東京 デートする二人(雄三&まあちゃん)
男の月給はS22年だから3000円も無いだろう。
男の所持金は35円。 子供らと野球をして饅頭屋にボールを打ち込んで
2個10円の饅頭をだめにする。 3個10円で買う。
町のあちこちに置かれている土管。 都市インフラ復興の最中。
道路でも充分に野球ができるくらい車は少ない。
鉄道の陸橋、戦災孤児が出てくるシーン。
大人びてはいるが、泣き顔が幼い少年 12歳くらいだろう。
その子を挟んで二人が映る。
未来への希望のような、でも決して明るくはない前途。
上野動物園へ行く。 キリン、羊、ヤク、猿、熊はいる。
(象はいない。)
雨が降ってくる。 男は自分のアパートに女を誘う。
女の提案で多分渋谷なんだろう。
シューベルトの未完成交響楽の映画を観に行こうとする。
A席10円 B席25円 ダフ屋がA席を買い占めて15円で売ろうとする。
男は抗議してもみ合う。 ダフ屋たちに殴られる男。
映画を諦めて男のアパートに戻ってきた二人。
アパートは雨漏り。
(男の髪型からこの俳優の横顔は太宰治に似ていると思った。)
つくづくイヤになったんだ。こんな惨めな自分が・・
誰だってみんな惨めだわ。 こんな世の中じゃ。
貴方は未来のことをちっとも明るく感じられないのね。
真っ暗だ たまらないんだ。
誰も俺には背を向けているように見えるんだ。
自分で 自分が頼りないだ。 一層何か・・こう・・滅茶苦茶に
僕には君だけなんだぜ 君ひとりなんだ・・・
男 女に迫る 女 好きだけど 拒否・・
・・・ 昔の恋人は最後の一線を越えないところがいい。
お嬢さんなんだな・・・ いつまでも・・
これでおしまいか・・・
女 男の部屋を出て行く。
暫く経って 女 帰ってくる。
泣きながら服を脱ごうとする げくげく泣きじゃくる。
ばかだな・・・いいんだよ いいんだよ よく解ったよ
まあちゃんの気持ち
雨が止む。 もう一度街に出てみよう。 お茶でも飲もう。
街に出てある喫茶店に入る。
コーヒー5円 お菓子5円
(ミルクコーヒー10円)
勘定書きは二人で30円になっている。
コーヒーにほんの少しのミルクを垂らしただけで10円
勘定が払えない男は黙ってコートを置いていく。
焼け跡に来た二人
安くて良心的な喫茶店を開くぞと初めて希望めいたことを言う男
女はお芝居で喫茶店の客を演じて男の夢を叶える希望を与える。
(小さな喫茶店の曲が流れる)
あたりはもう暗い 木枯らしの夜
無人の日比谷野外音楽堂
男は何度も何度も木枯らしに音を奪われてタクトが振れない。
(戦争に行く前は指揮者を夢見たこともある青年)
女は無人の観客席に向かって叫ぶ。
世の中には私たちみたいな貧乏な恋人がいます。
どうか皆さん暖かい拍手を送って下さい。
男 指揮を始める
舞台で抱擁する二人。
終電車 駅のベンチ じゃあお休み またこの次の日曜日
全体的に貧しく暗いけど未来に希望がある映画
現代のカップルは 一体どんな日曜日を過ごして
いるのだろう・・
