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誓いの休暇 1959年 ソビエト 昔見た映画で今でも心に残る地味な戦争映画 戦闘シーンよりも一人の勇敢で善良な若者を描いている。 主人公が遭遇する状況が社会主義万能を謳うソビエト的なものではないからカンヌグランプリを獲得したのかも 知れない。 社会主義映画の見えざる枠を巧妙に掻い潜った描写が 素晴らしい。 また若者の優しい心と勇気は思想を超えて賞賛される。
アリョーシャは早く故郷の母に会いたい・・が、見知らぬ僚友から妻への伝言を頼まれるなど帰郷の道のりはより遠くなる。 また、妻のもとに復員する傷病兵を助けたりするうちに列車の乗り継ぎが遅れ、休暇は瞬く間に過ぎて行く。 肉の缶詰で哨兵を丸め込みやっと乗り込んだ軍用貨物列車の中で、アリョーシャは少女シューラと出会う。 列車の中の枯草の片隅で、束の間だが二人は心を通わせる。 肉の缶詰とパンだけのサンドイッチのシーンが妙に記憶に残る。途中、水を汲みに行ったアリョーシャは軍用貨物列車に置き去りにされ、シューラと離れ離れになる。 老婆が運転するトラックに乗せて貰いシューラの後を追うアリョーシャは、到着した駅でシューラと再会する。 ほっと一息ついて食事をした時に、戦場の見知らぬ僚友からの頼まれ事を思い出したアリョーシャは急ぎシューラと街へ出る。 ようやく訪れたアパートに居た夫人は男を囲っていた。僚友の妻への信頼が裏切られた事を知ったアリョーシャは、土産の石鹸を渡さずアパートを去った。 そして僚友の父親を尋ね石鹸を手渡して、本当は何も知らぬ僚友の作り話をして聞かせるのだった。 そして、ついにシューラとの別れの時がやって来た。 本当はお互いに好意を寄せていたのだが、何も言わぬままアリョーシャは列車に乗り彼女に別れを告げる。列車の旅も故郷に近づいた時、不運にも空襲に遭い鉄橋が破壊され先へ進めなくなったアリョーシャは、川を筏で渡りトラックをつかまえて故郷へと急いだ。そして故郷の村にたどり着いた時、休暇はもう帰りの時間を残すのみであった。 村人から歓待され母親と抱き合い僅かな言葉を交わしただけで、アリョーシャは「帰る」と言い残して慌ただしく麦畑の道を戦場へと引き返した。 しかし、戦争が終わってもアリョーシャは村に帰ってこなかった。年老いた母は今日もまた、麦畑の傍らで帰らぬ息子を待ちわびる。 |
