Aug 21, 2012
偶然にもケーブルで観てしまう。
新藤兼人 遺作 2011年
脚本家・映画監督というのは実に執念深く
歴史を追及する意思を持たねば務まらないと
思った作品。
俳優は単なるインテリでもできる。
定見を持たなくても俳優は務まるのだ・・
冒頭 天理教本部が出てくる。
横道にそれる、please permit me
母に連れられて何度か行っている。
僕のささやかな勉強の結果
人間を作るプロセスで神様がやや介在されて
雌猿から人間が生まれると説くこの話に
不思議に納得がいくのだ。
人類学でいう、南アフリカのイブに相当するのだ。
要するに、この おじばで、地球上の生命である
アメーバが生成されたということらしい。
映画に戻って
100名の中年兵(新藤兼人も同じ境遇だったらしい。)
が天理教の詰所(信者の宿所)を大掃除する。
海軍三重航空隊 奈良分遣隊の兵士の宿舎の用意のため。
仕事が終わり100人は上官のくじ引きにより
60人はルソン島へ海軍陸戦隊
30人は潜水艦に乗り組み
10人は宝塚へ、予科練習生の宿舎準備の掃除に回される。
森川定造(六平直政)と松山啓太(豊川悦司)は
同じ班にいる海軍2等水兵
森川は妻のはがきを松山に見せる。
『今日はお祭りですが あなたがいらっしゃらないので
何の風情もありません 友子』
ルソン島行きの森川は生還を期せないので、戦友の
松山に妻からのはがきを託す。
そして妻に、はがきを受け取ったことを伝えるように託す。
定造戦死の報が実家に届く。
舅 柄本明(老獪な農民の役 目で演技していた)
姑 倍賞美津子
弟の嫁になってくれと懇願する義父母
戦争中はごく普通だったようで、今度は弟の三平が
兄の妻 友子(大竹しのぶ)を娶る。
三々九度 床入り 抑えた表現だが、却って愛おしい男女の
情愛が出ていて、涙が出た。 友子は定造を愛していたのだ。
(出征のその朝、友子の負担を軽くするために川に水を汲みに
行くような優しい夫、)
やがて三平にも召集令状が届く。
三平は沖縄へ・・ そして戦死
柄本明は病死
倍賞美津子は首つり自殺
友子は美津子が前もって見せていた60円のお金で
お棺と僧侶を呼び 慎ましいながらも立派に葬儀を営む。
一人で家を守る友子
松山(豊川悦司)は復員する。 彼は宝塚組
戦争が終わると同時に復員できる状態だった。
妻にはがきを出す。
・・・ 妻(川上麻衣子)は義父と、つまり できてしまっていて
ふたりは島を出ていく。
松山は家に帰り伯父(津川雅彦)から4顛末を聴く。
大阪のミナミに妻に会いに行く。 そこで別れる。
松山は 戦友の森川から託された一枚のはがきを
友子に渡すために家を訪ねる。
おろちの神楽があるような山深い田舎 島根かな???
警防団長(大杉蓮) 何かと友子の面倒を見る。
村の有力者 友子に横恋慕している。
妻子もあるのに、友子を囲い込みたい Enclosure やらしい奴
でも最後はいい役だった。
松山と友子 夕食 一泊 朝に風呂を馳走になる
2人の間にはまだ男女の愛情などなかったが
松山のブラジル行きに友子もついていくという話になる。
警防団長と松山 大ゲンカ 海軍の勝ち
旅支度を整えて出発するところで、火事になる。
結局 ブラジル行をやめて、ここで二人で再出発する。
畑を作り、麦を撒き、
秋になり収穫を迎える。 きれいな麦色・