長谷川穂積、2階級制覇成功

長く守り続けてきたバンタム級王座陥落と母の死。
訪れた試練を事跳ね返し、観客席で見守る母の遺影に見事な勝利報告。
はい、感動して泣きましたけど、何か?

いやいや、今日言いたいのは、そんなことじゃないんです。
あれほどのチャンピオンでも、試合中はやはり自分を客観視できなくなる時があるのだ、と改めて知りました。
これまでの長谷川は、アウトボクシングとインファントの切り替えタイミングの絶妙さ、それに加えてスピードとコンビネーションで対戦相手を圧倒するボクシングを見せてきましたが、今夜は違った・・・。
階級を2つ上げたことで減量苦から開放され、体が一回り逞しくなってパンチ力が増したことに自信を深めたのか、ほとんど足を使わずに大振りが目立ちました。
ところが、8Rあたり?、目尻をカットした流血で視界が悪くなったのを機に、当てられることを避ける為に本来のフットワークが戻り、体の力が抜けてパンチスピードも上がったのです。
これが本来の長谷川、と少し安心して観ていたら、流血が止まった終盤は再び元に戻ってしまいましたが。
判定まで持ち込まれた勝負は大差で制した長谷川。
しかし、とてもいつものように安心しては観ていられない試合運びでした。
そして試合後、リング上での勝利インタビュー。
「瞼をカットされてからは、いつもの自分のボクシングができませんでした」のコメント。
えっ!?逆じゃないの?
試合中、解説者も自分と同じ見方をしてたはずだがなぁ・・・。
母の為に何がどうあっても勝ちたいという気持ちが、長谷川ほどのチャンピオンをして、自分を客観視する眼力を狂わせたのか。
おそらく、次回は同じ轍を踏みはしないだろうけど、戦っている当事者にしかわからない機微があるのと同様に、外から見ている素人傍観者にしかわからないポイントも意外にあったりするのがスポーツの怖いところ。
多分トレーナーも気付いてるはず。
次はスカッと!
期待してます。