ホクロといってもその形や色は千差万別です。
その色はメラニン色素によるものですが、
メラニン色素の重積の程度によって色の濃淡は変わります。
中にはメラニン色素が少なく淡褐色な場合もあります。
加齢によって、
メラニン色素を産生する細胞であるメラノサイトの働きが低下すると、
メラニン色素が少なくなり、
色が淡褐色や肌色になることもあります。
ホクロの色が薄くなったら、肌が老いたという現れかも知れません。







ところで、一度他の皮膚科で凍結療法をされたという方の、
まだらなホクロです。
まるで小型の母斑細胞母斑とも思える像です。


液体窒素を使う凍結療法は、
ホクロやイボを凍結させることで組織を壊死させるものですが、
凍結時間や押し付ける圧によって効果が違ってくるので、
やり過ぎれば凍傷ですし、足らなければ再発しますから、
なかなかに熟練が必要な治療です。
この例では、
冷凍療法が弱くて再発したのかもしれませんし、
周辺の淡褐色な部分は色素沈着かもしれません。
母斑細胞母斑だったのかもしれません。

治療は、
濃い部分をCO2レーザーで照射し、
重ねて母斑細胞母斑や太田母斑に用いるQルビーレーザー照射しました。







この場合はCO2レーザー照射後の再発です。
再発部分を小さく再照射します。
CO2レーザーの場合、やりすぎないことが肝要で、
やり過ぎることで陥凹性瘢痕ができることがあります。
101%狙いではなく、99,9% ~ 100% 狙いで照射し、
1ヶ月後の再診で再発があれば再照射するのが、
キレイに取るコツのようです。