キクリンと会社ロビーでの言い合いの後、
私はすっかり気を抜いていたんです。
だって…
キクリン静かだったから。
けど、
『嵐の前の静けさ』
なんて、昔の人は上手い事いうよな。
ホント、嵐…いや、ノロノロ台風並みの勢力。
ゆっくり近づいて来て、停滞する…
そう、キクリンはそんな人だったって事を私は忘れていたんです。
そんな風に呑気に過ごしていたある日、
誕生日の秋を過ぎ、冬が近づいていたその頃
「なぁ、クリスマスどうする?」
なんて、呑気なことを聞いてくるオワリさん。
「仕事やろ…」
適当に仕事しながら返事する私に
「うん…俺、、、
東京に出張やねん…」
「ふ~ん」
「・・・・・・・・・・」
ん?
返事がない。
そう思って隣りに座るオワリさんへ顔を向けると
ガン見!!!
「何?」
見過ぎやけど…
「お前…
俺と一緒にクリスマス過ごしたくないん?」
キモいー!キモいー!
とか思うくらい、オワリくんの声がデカい…。
「その話、後ででもいいやん…」
なんて、適当に宥め仕事を続けた。
それから数日後、
そんな会話をしていた事なんて忘れていた私に
ピロリン♪
なんて、メールが届く。
プライベート用の携帯を開いて届いたメールを確認。
「 」
知らないアドレスからの何も書かれていないメール。
何、これ…
誰かアドレス変わったのに入れ忘れたのか~
なんて思いながら携帯を閉じて
パソコンに向かい仕事のメールチェックをしていると
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送信者 ○△□...@docomo.ne.jp
件名 至急対応
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なんて、件名を見て知らないアドレスやったけど
危ない系ではなかったし会社の営業の子かな~なんて
思いながら開封。
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クリスマスも一緒に過ごそうなんて
思わないなら
今すぐ別れろ!
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携帯に届いたメールのアドレスを確認すると同じやった。
こんなつまらないメール送ってくるのはキクリンしかいない…。
姉さん…
なかなか懲りないっすね…
このブログに載せた字のフォントよりも大きく
画面いっぱいちゃうかってくらいの
『今すぐ別れろ!』
ただ、ただ…ため息しか出ず
っていうか、どこで聞いてるの?
ってくらい怖くない?
誰情報?
なんて思いながら一応背後確認したよ。
もちろんキクリンは辞めていないし、
きっとオワリの声がデカかったから
誰かがチクったんやろうな…
ため息だけを吐きだして送られてきたメールは削除
けど、これが始まりの合図でした。