目の前で繰り広げられるピンクな状況。
ん?
一応、彼氏ですよね…?
突然の事に、私…
若干フリーズしております…。
そして、固まっている私をオワリ越しに見つめるキクリン。
目が笑っているような勝ち誇っているような気がするのは
私だけでしょうか…。
この場にいる全員が私と同じように固まっております。
そして、キスされている当の本人は…
「んぅーーーー!!」
なんて叫びながらキクリンから離れると
フリーズ(°д°;)
そして、
「えっ…、お前…何やってるん…」
オワリさん、完全に状況把握できておりません。
「何って、キス!」
ワォ!
「えっ…意味わからん…」
未だついていけないオワリさん
「たっちゃん、酔っ払ってたから」
うん、目覚めたと思う。
「はっ!何でお前と…キスしてるん?」
何でって言われてもね~
「たっちゃんがキスしてほしそうにしてたから」
せやな、隙見せたのはオワリさんですね…
「えっ…待って…ヒナタは?」
後ろにいますよ…。
その場にいる皆の視線で気付いたのか
勢いよく後ろを振り返ったオワリさん。
顔面蒼白です…。
口に手を当て必死で首を振るオワリさんに
「ご臨終です…」
そう言って手を合わせたのはゆきちゃん。
「ご愁傷様です…」
その隣りで私も同じように手を合わせました。
「ほな、オワリはキクリンに任せて
俺らは帰るか!」
そう言ってこの場をしめたのはヤマちゃんです。
その場にいた全員、関わりたくなかったのか
見たいような見たくないような
そんな気持ちになりながらも
ぞろぞろと荷物をまとめ席を立つ…。
それに続いて私とゆきちゃんもカバンを持って立ち上がると
「ちょっと、待ってって…」
慌てて私の腕を掴むオワリさんに
「主任、明日の会議遅れないようにお願いします。
あと…さすがに明日も同じスーツやと
みんなに気付かれますんで気を付けてくださいね」
そう言って思いっきりオワリの額にデコぴんしてその場を立ち去った。
その後ろでゆきちゃんに思いっきり頭をはたかれてるオワリ。
色んな意味で終わりです…。
店を出て駅へと向かう私を慌てて追いかけるオワリさん。
そして、その後ろを付いてくるキクリン。
なんだ、この絵ずら…。
引き止められ、必死に言い訳をするオワリさんに
「今日は、すみません…。
話し合える状況でもないみたいなんで…帰ります。
明日、気が向いたら話しかけますんで…。
色んな意味で、お疲れ様です」
そう言って帰ろうとする私を必死になって引き止めるオワリさん。
「たっちゃん…
もう諦め…
私は許すから…
なっ、帰ろう」
オワリの背中を擦り優しい声で宥めるキクリンに
「お前何やねん!
ホンマ…マジで意味分からん…
何なん?
何がしたいわけ?」
おっと、逆ギレっていうか、八つ当たりですかオワリさん…。
「何がしたいって…
たっちゃんこそ何がしたいの?
こんな風に見せつけて、
私にヤキモチ妬かせたいの?」
おっと、私は浮気相手という位置なんですね…。
「ヤキモチって何やねん!
お前と俺はもう終わってるやろ!」
と、バトルが始まりそうなお二人。
「すみません…。
私、明日も早いんでそろそろ…」
隣りで笑ってるゆきちゃんを引きつれて帰ろうとすると
「待てって!
ホンマ、待って…
俺、無理…
頼むから…
マジで頼むからキスさせて…」
こいつ、どうやって殺そうか…。
言い返す言葉もなく睨みつけると
「マジで無理…
こいつとキスしたとかマジで無理…
消毒して!!」
そう言って私に縋りついてくるオワリの口を
思いっきりつねってやった。
「気持ち悪い!
お前に消毒してやった後、
私の消毒は誰がするねん!
勝手にイチャついとけ!」
そう言って縋りつくオワリを置き去りに私は帰りました。
気持ち悪い…。
何が、消毒やねん!!
今、思い出しても腹立つわ…。