駆け引き | Changeable Diary

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自分の中で感じた小さな出来事や想いを感じるままに。でも『気まぐれ』な感じで・・・。

島崎さんと話を済ませ席に戻ってきたオワリ。

その後は何事もなかったかのように仕事をしていて

私の中で妙に慣れないオワリの普通の態度とさっきの微笑みが

頭の中を占領してた。


仕事のほとんどを潰されていた私は

もちろんのように残業になり定時を過ぎてもカタカタとパソコンを叩いていると



「じゃ、俺先に上がるわ!」


「えっ…」


いつものようなウザいくらいの絡みがなかった私は思わず、

帰ると言ったオワリの発言に驚いてしまった…汗



「何か用事あるか?」


優しい声でそう聞いてきたオワリに



「いや…大丈夫です…」


そう答えると




「そうか…


今日は大変やったし、残ってる分は明日やっても大丈夫やろ。


無理せんと、お前ももう帰れよ…」

そう言ってオワリは帰って行った。



いつもなら同じように残業で残って、ご飯でも誘われるのかと

密かに考えていた私にとって、

あっさりと帰って行ったオワリの背中を見つめながら

いつもと違うオワリの態度に戸惑っていると




「駆け引きちゃう?」



声のする方へ顔を向けると、斜め前に座っているヤマちゃんが

ニヤニヤしながらこっちを見てた。



「駆け引き?」


パソコンのキーボードを叩きながら聞き返した私に



「おぅ、お前のことオトそうと思って今日は引くほうを選んだんちゃうか?」



何とも楽しそうに笑いながら…


駆け引きか…


とか、思っていると






「部長に呼ばれて接待やで」



と、全くオーラを消していたカトウさんがボソりと呟いた。



カトウさんの発言を聞いてそんな事言っていたと思いだし

斜め前のヤマちゃんを睨むと


「俺の読みは間違ってない!」


と、言い切って腕組みしながらドヤ顔…




「わかったから…仕事しろよ…」


呆れたようにそう言った私にニヤニヤしながら

デスクに向かったヤマちゃん。


ヤマちゃんの発言やオワリの行動を頭の中で考えつつ

仕事をしていると目の前に付箋が…





――今日、オワリが怒ったんはお前が凹んでたから。

   お前が辛そうにしてるの見てたら辛いって

   さっき、休憩室で言ってたで~(笑)

   主任のくせに、私情挟みすぎやろ~笑い




付箋の内容を読み終えて顔を上げると

ニヤニヤしながら親指を立てて笑ってるヤマちゃん…。




楽しいんやね…汗



小学生かってくらいの笑顔で笑い続けてるヤマちゃんに

ため息しか出ず…。




仕事しよ…。






結局その日はクレームの対応で疲れ果てていたので

それ以上考えるのも面倒でさっさと仕事を済ませて帰った。



そして、次の日仕事へ行くと昨日の態度は何処へやら…

と思えるくらいいつも通りのオワリに戻ってた。



そんな混乱するような日々が続き、

入社1年しか経っていない私とゆきちゃんは

すでに入社10年くらい経ってそうな風貌になってて…



オワリとは相変わらずな日々。

時折見せる、ギャップ萌えに翻弄されながら

きっと気持ちは『好き』って方向に傾いてたんやろうな…。



そんな時、キクリンが仕事を辞めた。



噂では辞めるって聞いてたし、挨拶周りとかしてたから

やっぱり、そうなんや~って感じで

私らの部署にも挨拶周り来た時

チラっと隣りにいるオワリに視線を向けると



「何やねん…」


なんて、嫌そうな顔で言われ


「彼女、辞めるみたいですよ…寿退社ですか?」


と、からかってみると



「知らん…。



相手、俺ちゃうからな!」


と、ムキになって答えるオワリ。



そんなムキになるオワリの姿に笑いながら、

キクリンとは完全に終わってるんやな~って思ってた。


と、同時にムキになるオワリの姿にちょっと喜んでる自分がいて…。





そして、私の悲運はここから動き出す…。




そう、昼ドラ並みにドロドロと…。