一人残された休憩室でコーヒーを飲みながら
気持ちをただ、ひたすらに落ち着かせてた。
あかん、このままじゃ好きになってしまう・・・。
あかん、アイツはチャラいねん…。
そう、この時完全にオチてたんやと思う。
けど、今思えばこの時自分に何度も何度も
マインドコントロールしておくべきやったと今改めて思う。
なんとか気持ちを落ち着かせ、仕事へと戻ることに。
休憩室のドアを開け席へ戻ろうとした時
何となくオフィス内の雰囲気が異様で
えっ、何?
なんて周りを見つめながら席へ戻ろうとしてると
「ふふふ…」
怖い…
誰、今後ろで笑ったん…
そう思って振り返ると、ゆきちゃんが立ってた。
「怖いから…背後に立たんといてや…」
「あんた、オワリに何したん?」
「何って?何もしてないけど…」
「休憩室で!ナニしてたん?」
ゆきさん、言い方と顔がいやらしいです…。
「コーヒーおごってもらって…」
「おごってもらって~?」
「励まされた?」
「それだけ?」
「うん、珍しくそれだけ…」
「ふ~ん…(✿ฺ-ω-) 」
「何?」
あまりにも、ゆきちゃんのニヤけ顔が怖くて
それにこのオフィス内の空気も異様過ぎて…
ちょっと戸惑っていると
「オワリが島崎にキレてん…」
島崎っていうのは、このクレームの発端になった女の子。
元々、このクレームを付けてきたお客さんは
前から有名な人で会社内で知らない人はいてなくて
彼女も元は営業のアシスタントやったから
その事は知っているし、
その人の対応は私かオワリってなっていたのにも関わらず
彼女が対応して、話がこじれ、大変なことに…。
まぁ、確かにキレたい気持ちもわかるけど…
なんて思っていると
「私だって、前は担当してたから内容は分かってます!」
と、突然オフィス内に響いた島崎さんの泣き叫ぶ声が…。
一緒にいたゆきちゃんまでもその声にビクっとなって
二人で視線を島崎さんへ向けると
デスクにいるオワリの横に立って泣いてます…。
その状況を見ていた部長が
「おい、何やねん…」
って、何で私らに聞きに来るねん!
「いや、これこれがこうで…」
と軽く説明していると
「お前、もう担当じゃないやろ!」
おっと、オワリくん…。
声が大きいかと・・・
「それでも…それでも担当やったし
対応できると思って…
「出来てないやろ!」
島崎さんの声にかぶせるように
低い声で言い放つオワリ…。
ちょっと、怖いし…。
部長とゆきちゃんに挟まれた状態でその様子を見ていると
「今の担当は○○(私)や!
お前にはお前の仕事があるやろ!
自分が任されてる仕事ちゃんとしろ!
ちょっと、来い!」
そう言って立ち上がったオワリくん…
顔が…
顔が、怒り狂っております…。
野次馬のように見ていた私達の前を通り過ぎる時
「もう大丈夫か?」
なんて、今まで出してた声からは想像もできないほどの
優しい声で問いかけられ…
「うん…」
そう答えるのがやっとな私に
「そうか…」
そう言って笑い、会議室へと島崎さんを連れ消えて行った…。
何、今の微笑み…。