人間は損をした時の失望感が、トクをした喜びより、2.25倍大きいそうです。
これは経済学と認知科学を統合した「行動経済学」でノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンと、エイモス・トベルスキーが行った実験で理論づけられたもので「プロスペクト理論」と呼ばれています。
「プロスペクト」とは「見込み」や「期待」「見通し」を意味します。
人はもともと「損」を恐れる
たとえばひとり100万円の現金が用意されたとします。
このとき確実に100万円が手に入るケースと、コインを投げて表が出たら200万円、裏が出たら0円になるケースを用意し、選択させると、ほとんどの人は確実に100万円をもらえる方を選んだそうです。
2分の1の確率で倍のお金が手に入るのに、「まったくお金がもらえない」というリスクを避ける判断を下す人のほうが多いのです。
つまり人は、大きく増えるチャンスより、何ももらえず損することを回避することを優先するということです。
ストレスの種をまかない!
この傾向は今後、ますます強くなると思います。
なぜならこれからは、力のない人ほどリスクを取りにくくなり、より格差が広がる時代を迎えるからです。
今はまだ株価上昇で儲かっている人も、いつ相場が崩れるかわかりません。
儲かった喜びよりも、損をした痛みを大きく感じるならば、特に、今からしっかり損失回避の方法を考えたほうがいいでしょう。
投資をするなら
投資をすると人は利益より損をすることに敏感になります。
そして収益が出ている場合には、取り戻そうと大きなリスクを取りがちです。
こうした投資判断をしがちな人は、安定的な投資はなかなかできないのではないでしょうか。
すでに時代は「1発アウト」時代。
会社も社会も、寛容さを失いつつあります。
こうした中で、リスクを冒せるのは、損失を挽回できるだけの資金力を持った人だけ。
時代はある意味、投資が欠かせない時代にありますが、できるだけ、お金については堅実な運用を目指し、リスクから遠ざかる生活をがストレスが少ないかもしれません。