占い師SAKIシリーズ

著者: 七穂 美也子
タイトル: 幸運を告げる者(ザ・フォーチュンテラー)―占い師SAKI
「占い料は、あなたの運命の一部です」
さらさらの黒髪、女の子のようにほっそりした顔立ち。メガネの奥の、ちょっと皮肉っぽいような目。銀のわっかのピアスを着けた、ちょっとおしゃれな大学生の青年。
この作品の主人公、狭山早希はこんな外見の青年です。呆れるほどに美人だけど、中身はその辺に普通にいそうな悪がき風。ただし、気を許した相手限定……。
こんな早希のお話は、キャンパスライフや青春グラフィティではなくて。本の少し日常に混じった非日常のお話。テイストはミステリー小説風ですが、堅苦しさはぜんぜんありません。顔がよくて頭もいい、それを覗いたら結構普通の青年、早希が、他人と一番違うところは「占い師」であると言うこと。それも、「占いが嫌いな占い師」お婆様も、お母さんも。代々占い師の早希は、占いがあまり好きじゃない。だけど、占いは早希と早くになくしたお母さんをつなぐ数少ないもの。
お話は、早希の占いを通してささやかな事件の謎を解いていくもの。
図書館司書のお姉さんが悩まされている、ポルターガイストの正体は?
誘拐された子供は、いったいどこにいる?
エレベーターから消えてしまった、彼女はどこへ消えたのか。
ミス・フォーチュンとあだ名される女性占い師との占い勝負。早希の親友、和久が中学時代に起こした「放送室ジャック」のお話。1話完結の短編集シリーズで、内容もほのぼのしたものから手に汗を握るもの。不思議な話や犯罪がらみの話まで。幅広くそろっています。
作者の七穂美也子先生は、短編がごくうまい先生。短編、特にシリーズ連作での短編が私は大好き。難しすぎないで、それでもきっちり資料を調べて書いている風なのが感じられるのも好きです。
このシリーズは、今はなき「スーパーファンタジー文庫」の作品なので、探すのがちょっと苦労します。(私は、去年やっと全巻そろえた。途中で集めるの時間置いてしまったら、あっというまに見失ってしまったの)あと、犯罪……性犯罪的なものも取り扱われています(結構あっさりと書かれているので、反感を持つ人はいるかもしれない)。全体に、先の周りの人については少しあっさり目に書かれている印象。先の言葉は、時々涙腺に来るのですが。
お勧めなんですが、見つけるのがタイヘンなシリーズ。キャラクターはみんな生き生きとしているし、一本一本を読むのにかかる時間は短め。ライトノベルらしい作品といった感じかな。美青年と明記される人物が結構多いのは、語愛嬌。
夢を見る時間さえも惜しくて。
走り出す鼓動は、ひどくせっかちだ。
身体から飛び出して、僕をおいていってしまいそう。
跳ね上がる呼吸がわずらわしい。
止まる間なんてない。
走り続けなければ、「明日」も「今」もない。
跳ね上げた水溜り。雨上がりの日差し浴びて光る。
止まる間なんてない。
だって、止まっている時間がもったいない。
人生は有限。
走っていられる時間なんて、さらにもっと短い。
むちゃくちゃは「若い」から、できること。
なら、時間さえ置き去りに、走り続ける。
夢を見る時間さえ惜しい。
眠らないでいられる体があればいいのに。
「だけど、夢を見ることも必要だよ」
同じ速さで君が追いついた。
笑いながら、首に君の腕が決まる。
転がってむせてたら、空まで駆け上がる笑い声。
「そんなに全力疾走じゃ。時間も夢も、何もかもおいてっちゃうよ」
君が片手をぎゅっと捕まえるから。
前みたいな速さでは、走れない。
だけど、笑い声が一緒についてくる道。
道端に咲いてる花と、あくびする猫の変な顔。
一人で走る道より、二人で走る道は楽しい。
それに何より。この速度は、心地いい。
「だけど夢を見る間も、惜しい」
夢を見ている間は、「世界」が見れない。
世界は、とてつもなく美しいわけじゃなくて。
だけど。
世界は、とんでもなく汚いわけでもない。
その世界を、君と走る日々。
「今はまだ。君と、目をあけて見る夢に夢中なんだ」
君はきょとんとして、それから。
また、空まで駆け上がるような声で笑った。
おしまい。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
少し前に、私がやっているホームページの日記に載せていたSS。
登場人物の像が、実は男の子なのか女の子なのかさえも決まっていません。
中学~高校くらいの、なんだか時間がもったいないくらいにいろんなことがやりたくてやりたくて。世界の汚さと一緒に、綺麗さもたくさん見れて。自分の限界、なんて妙に高い空の上のような、そんな感じの頃がイメージ。
青臭いけど、なんかこんなせーしゅんを送りたかったなーって。
私のせーしゅんですか(うおぅ、こっぱずかしい単語だ、やっぱり)?
おたく娘らしいものでしたよ。学校帰りに本屋によって、電車とバスで本読んで。部活で油の臭いにおえってなりながら絵を描いて(美術部員。ただし、不真面目)。でも、うん。楽しかったです。
身体から飛び出して、僕をおいていってしまいそう。
跳ね上がる呼吸がわずらわしい。
止まる間なんてない。
走り続けなければ、「明日」も「今」もない。
跳ね上げた水溜り。雨上がりの日差し浴びて光る。
止まる間なんてない。
だって、止まっている時間がもったいない。
人生は有限。
走っていられる時間なんて、さらにもっと短い。
むちゃくちゃは「若い」から、できること。
なら、時間さえ置き去りに、走り続ける。
夢を見る時間さえ惜しい。
眠らないでいられる体があればいいのに。
「だけど、夢を見ることも必要だよ」
同じ速さで君が追いついた。
笑いながら、首に君の腕が決まる。
転がってむせてたら、空まで駆け上がる笑い声。
「そんなに全力疾走じゃ。時間も夢も、何もかもおいてっちゃうよ」
君が片手をぎゅっと捕まえるから。
前みたいな速さでは、走れない。
だけど、笑い声が一緒についてくる道。
道端に咲いてる花と、あくびする猫の変な顔。
一人で走る道より、二人で走る道は楽しい。
それに何より。この速度は、心地いい。
「だけど夢を見る間も、惜しい」
夢を見ている間は、「世界」が見れない。
世界は、とてつもなく美しいわけじゃなくて。
だけど。
世界は、とんでもなく汚いわけでもない。
その世界を、君と走る日々。
「今はまだ。君と、目をあけて見る夢に夢中なんだ」
君はきょとんとして、それから。
また、空まで駆け上がるような声で笑った。
おしまい。
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少し前に、私がやっているホームページの日記に載せていたSS。
登場人物の像が、実は男の子なのか女の子なのかさえも決まっていません。
中学~高校くらいの、なんだか時間がもったいないくらいにいろんなことがやりたくてやりたくて。世界の汚さと一緒に、綺麗さもたくさん見れて。自分の限界、なんて妙に高い空の上のような、そんな感じの頃がイメージ。
青臭いけど、なんかこんなせーしゅんを送りたかったなーって。
私のせーしゅんですか(うおぅ、こっぱずかしい単語だ、やっぱり)?
おたく娘らしいものでしたよ。学校帰りに本屋によって、電車とバスで本読んで。部活で油の臭いにおえってなりながら絵を描いて(美術部員。ただし、不真面目)。でも、うん。楽しかったです。
帝国千戦記・PC版
今、神童と呼ばれた一人の青年が、歴史を変える――
最初にご注意。
この作品は、追加ディスクをインストールしなくてもBL系です。
そして、全体的にCGが赤いです。
でも、どうしても紹介したくて取り上げます。ここまではまったPCゲームは、「ファンタスティックフォーチュン」以来です。…………た、対極だな・苦笑
この作品は、茶ともの方から布教されて、購入しました。ちょうど、やるゲームの空白状態になっていたときだったかな? 名前を知ったのはもっと前でしたが「王子さまLv.2」でその時は忙しかったのです。興味はあって、メイトでちょんっと手にとったりはしてましたが。
インストール後、プレイ開始。
実は、ゲームをやる前は複数の皇位継承者から主人公を選んで帝国平定するゲームかと思ってました。箱パケの朱緋真・旺珂・青樺のイラストと、全体に金色っぽい色使いでそんな勘違いをしたようです。
開始五分で、見事に引っ張り込まれました。そのときのメッセの名前が「正直なめてた、ごめんなさいっっ」でしたよ。
ゲーム、特にパソゲーの場合、開始してから10分って勝負だと思います。ここでつかんじゃえば、結構中盤まで引っ張られる。もちろん、タイミングよくイベント起こしたり、緩急つけるのは大前提だけど。
このゲームの場合は、冒頭で美しい宮城が顕れ、主人公がそれを描写します。基本的に主人公の一人称で進むゲームです。それが唐突に消え、代わりに写るのは工事現場。主人公はここで、人員徴収で工事に借り出された農民の青年であることがわかります。
開始後分の間に、何人死んだんだろう、と少し呆然としました。このゲームで最初に登録されるCGは、血飛沫です。次が折り重なった死体の山。さらに、何度見ることになりますが、主人公の兄の死にざまのCG。
弟、父、兄と立て続けに喪った主人公は、工事現場を脱走し復習を胸に誓います。そして山の中でであった大男、猛元堅とともにこの国の困窮の元凶である、玉座にいる皇帝を倒す、と言う目的を持ちます。そして、兄をなくしたあたりから。主人公青樺は不思議な力に目覚めます。
ここまでが、本当に勢いがある。いったいどうなるんだ、と引きずり込まれました。世界観は古代中国系。勧善懲悪、と言うわけではありません。
また、この作品はBLだ、と先にあげましたが。攻略キャラクターは7人いますが一つのルートを除いて、絶対に中盤までに誰かしらのルートに入っていないとゲームが終わってしまいます。ただ、そのエンディングもちゃんとギャラリーに収録される正規のエンディングの一つではあります。CGもあるし。
操作性は、少しわかりにくいところあり。また、アイテムを買う場所が遠く、解りにくいと言う点もあります。そして、バグもあり、「豪傑」という、「健全ルート」をクリアしてしまうと、攻略キャラの貴沙洛のルートがうまく出現しなくなってしまう、などありました(パッチで問題なくなります)
そして。ここからは神谷の完全な私見。
このゲームは、追加ディスク込みでのプレイをお勧めします。簿ニュー無のアップの仕方が半端じゃないです。2倍以上? 各キャラの2つのEDが、さらに二つ追加。さらに、こちらのみの追加ルートが一つ。そして、追加ルートの方がやはり面白いというか、「萌え」るんです。追加ルートのバットは、どうしようもなくすくわれないような気持ちになるのが多いのですが。18歳を越えた方はぜひ、追加つきで。
このゲームの難点は……一番でっかい難点。高い。
いえ、パソゲーは高くて当たり前ですけど、本体7500円、追加ディスクを込めると諭吉さんが軽く飛んでいってしまいます。ただ、それだけ出しても私は後悔しませんでした。たけーたけー、とは、結構言いましたけどね・笑
もう一つの難点と言うか引っかかりは、作画が安定していないこと。微妙な差異ではありますが、キャラの顔が換わって見えてしまうものが多々あります。追加ディスクの李琉舜は、時々体形が女性のバランスに見えることも。
難点もありますが、このゲームは本当にお気に入りです。ルートによっては、本当にどろどろと言うかきつくて見てられないようなものもありますが(実は、追加ディスクのバットルート……氷霧と朱緋真は、CGイベントいっこめできつくてパスし、その後見てません)出来がすごくいいと思います。
このソフトハウス様は、サービス精神が物凄く旺盛。今は新しく「絶対服従命令」と言うソフトを開発中で、こちらも楽しみです。
この項目について
神谷はオタク娘です。BL好きです。BL小説や漫画は、あまり読まないけど。好きなゲームは、年齢指定つきでそういうものが多い奴です。食費削っていろいろやりました。今はだいぶ減ったけど、楽しみでしょうがないソフトは複数本あり。ギャルげもやります・笑
普通のゲームと一緒に語るには、ちょっと抵抗がある。普通の本と一緒に語るのにはちと抵抗がある。そんな本やゲームをこの項目でやっていくつもりです。
普通のゲームや本のときもそうですが。
私は、好きなゲームだからって不満ゼロ、はない人間です。
むしろ、好きなゲームほど愚痴をいいます。好きなゲームだからこそ、何度も繰り返しサルの様にやった結果、不満が出る、と言う感じなので。さらりとやったゲームは、そんなに不満覚えません。内容も覚えてなかったりしますが・をい
不快感を覚えさせてしまったらすみません。でも、ね。「好き」を表現するのって難しいと思う。こんな感じで、こんなところがこういう理由で好き。そんな風に細かく分析してません。好きなものは好き。一言ずぱんっ。
書き方が不自由で、いらいらさせるかもだけど。
こんな奴です、ごめんなさい。
普通のゲームと一緒に語るには、ちょっと抵抗がある。普通の本と一緒に語るのにはちと抵抗がある。そんな本やゲームをこの項目でやっていくつもりです。
普通のゲームや本のときもそうですが。
私は、好きなゲームだからって不満ゼロ、はない人間です。
むしろ、好きなゲームほど愚痴をいいます。好きなゲームだからこそ、何度も繰り返しサルの様にやった結果、不満が出る、と言う感じなので。さらりとやったゲームは、そんなに不満覚えません。内容も覚えてなかったりしますが・をい
不快感を覚えさせてしまったらすみません。でも、ね。「好き」を表現するのって難しいと思う。こんな感じで、こんなところがこういう理由で好き。そんな風に細かく分析してません。好きなものは好き。一言ずぱんっ。
書き方が不自由で、いらいらさせるかもだけど。
こんな奴です、ごめんなさい。
今も特別に好き「緋翔伝」

著者: 夢来鳥 ねむ
タイトル: 緋翔伝―幾千の月のかけら (1)
夢来鳥 ねむ先生というと、アニメ化もした「ホーンテッドじゃんくしょん」を思い浮かべる人が多いと思います。 いや、それでさえかなり知名度低そうですが。まだ中学生だった神谷が、ほれ込んだ作品で現在も大切に全巻所持しています。
お話は、「転生」と「贖罪」と「純愛」がキーワードかな。遠い遠い昔に滅びた、闇の国の王であった「主」に召喚され、使役される「鬼」夏木が主人公です。鬼はほかにも4人、計五人います。彼等はそれぞれ、罪を犯して人の転生の輪から外れた罪人です。
一人は、妹のために人の赤子の肝で作る薬の製造に手を染めた平安貴族、果てなく真白い、冷たい氷の鬼になりました。
一人は、自分なのために不幸になった二人の母の罪を肩代わりし涙の顔の童子面、水の鬼になりました。
一人は、邪馬台国のころ、征服されたある国の王。国の無念を一身に負い風の鬼になりました。
一人は、神話の時代。生まれてはならない双子神の片割れは、その手を血に染めやさしい大地の鬼になりました。
そして最後に。夏木はかつて人だったころ、身分違いの恋人姫を守るため。たくさんの人を殺した罪で怒りの穂のうに身を焦がす、炎の鬼になりました。
物語の中心になる、時は現代。主に使役され、それに反抗しながらも。夏木は恋人だった姫君、瑞穂姫の転生に出会います。夕焼けの原でともに遊び、十六夜月のすすき野原で引き離されて殺された二人。紆余曲折の末、互いを認識することはできたのですが触れることもできない、話すことも、見つめあうこともできない二人。
全6巻の物語は、夏木の不器用なまっすぐさと、瑞穂の一途さがとても好ましい作品です。「平安の章」とされる、礫(人間だったころの夏木の名)と瑞穂姫のお話は、結末が死別であると知っているため、幼い幸せな二人さえ切なく思えます。
ただ、この作品には難点が一つ。といっても、現在はコミックスで見るしかないのでそう問題ではないのかもしれませんが。この作品、主人公はあくまで夏木であり、ヒロインは瑞穂なのでそのほかの鬼やお方様(主が守護霊をしている霊感のある女性)についてのことは、コミックスの巻末小説というかたちでのみ、描かれました。(白乱は八尾比丘尼編、一水は秩父の竜の子編で少しだけ語られましたが)しかしながら、雑誌掲載時の最終エピソードで、巻末小説・お方様編が色濃く関係し、6巻書き下ろしの本編で、小説でしか語られなかった碧魚の過去がとても重要なファクターとして関係する。こういったことが結構あるので、隅々まできちんと追いかける気力がないと大変かもしれません。
夢来鳥 先生作品にありがちというか、「光」が悪役側、「闇」が主人公側となっています。また、源頼光とその四天王、阿倍晴明が悪役として登場しています。その辺はどうぞご注意を。結構外道に描かれてます。
また、 夢来鳥先生の作品は多くがこっそりとリンクされているのでそれを探すのも面白いです。「ホーンテッドじゃんくしょん」には主が登場しましたし、山の神や水の神達も、共通で登場。そんな共通点を探すのも、ちょっとコアな楽しみ方かもしれません。 悲恋や重い宿命、斜めから見た日本史が好きならばぜひ。現在は絶版のまま、なのかな? 古本屋さんを探すと出会えるかもしれません。
ほのぼのしましょう。「コーセルテルの竜術士」

著者: 石動 あゆま
タイトル: コーセルテルの竜術士 1 (1)
竜を守り育てる術士、竜術士。山と谷に守られ、森に囲まれた獣人と竜の国、コーセルテル。そこにくらす人間は、8人の竜術士と一人の見習い術士だけ。そして術士は、力を借りる見返りに竜の子供達を育てます。術を使うより、育児のほうが忙しくってさぁ大変。だから竜術士は別名「子守術士」とも呼ばれるそうです。
お話は、コーセルテル一の竜術士・マシェルとマシェルの預かる7匹の子竜、そしてコーセルテルの仲間達の織り成すほのぼのほんわかファンタジー。
こんなにかわいいドラゴンは珍しい。一人ください、と言ったらマシェルに殴られてしまいそうですが、ほんとにほしい。お兄ちゃんの苦労性・暗竜ナータ。いたずらっ子のワンパク大将風竜サータ。頭のいいまじめちゃんの地竜アータ。ちょっと惚れっぽい活動的な女の子水竜のマータに、おしとやかないたずら娘木竜タータ。方向音痴の火竜ハータと泣き虫の末っ子ちゃん光竜カータ。いつかおっきくなったら、一人を残してみんな国に帰っちゃうのかな、と思うとすごく寂しいですが。でも、おっきくなったところもぜひ見たい。おっ聴くなった彼等とマシェルの話とか。
このお話は、全四巻。雑誌クリムゾンの廃刊とともに連載が終わってしまい、一時はすごくやきもきしました。現在はゼロサムに移り、「コーセルテルの竜術士物語」が連載中。今回この記事書いたのは、この竜術士物語の一巻が出ているのに昨日気づいたから(ううっ遅いってぶたないで)
石動先生は、別の方面でもとても好きな作家さん(夏と冬に特に忙しいあれです。わからない人はどうぞわからないままいてください)で、一巻が出たときから大好きで追っかけている作家さんです。ほのぼのとしたお話で、すごく漫画がうまい作家さんだと思います。これからもついてくぞーっ
とっつきやすくアラビア風「シャール・ラザラール」

著者: 流 星香
タイトル: シャール・ラザラール―不思議の楽園(アドン)
千の月が満ちる夜、千の蝋燭に照らされて。砂漠の都のスルターン(帝王)の御前。旅の老人が語りだす、千の魔神の物語。尊大にして無慈悲なる魔術師シャール・ラザラールがこの世にはなった千の魔神、そのすべてが消え失せる。千の厄災が消えたことを告げる老人に、スルターンは語って着せることを命じたのでした。
物語の始まりは、鍛冶屋の放蕩息子が出会った美女と見まがう美少年。彼こそは名高き伝説の魔術師、千の魔神の生みの親。金の髪のアフランジ、シャール・ラザラールその人でありました。
一攫千金のにおいを感じてか、シャールとともに行動するようになる鍛冶屋の息子・ユーリグと、その働き者の賢妹・イハティス。すべての力を失ったシャールがなりふりかまわず(なんと、女装までした)手元にまず取り戻した香水瓶の魔神、かわいいかわいいフォーラ・フォーラ。彼等の織り成す、魔神退治の物語。
さて、どのようなお話が現れるのでしょう。香水瓶の魔神、フォーラ・フォーラを取り戻すまでの話。哀れで愚かな魔女の話。財宝満載の幽霊船は、砂漠の空を舞い。帰らぬ兄を思う妹姫の頼みのお話など。
さて、大いなるスルターンと旅の老人の会話を織り交ぜながら、物語はゆっくり進んでまいります。さて、約千体の魔神たちが消えた物語の終わり、シャール・ラザラールはどこへ行くのでしょうか。そして、かわいらしい香水瓶の魔神・フォーラ・フォーラはどうなるのでしょう。
すべてのことは大いなるアラーが知ってございますが、私達が知りえることは老人がスルターンへ語り終えるまでこの本を読むことだけでございます。
なーんてね。この作品の雰囲気に合わせて紹介しようとしてみましたが…………疲れた(苦笑) 流 星香先生のスパイスがふんだんに入り、とても読みやすくかかれたアラビアン・ファンタジーです。千夜一夜物語のパロディ的な側面もあり。文体は、アラビア文学をとても意識したものになっています。好き嫌いは分かれてしまうかな? 人物の形容などが少々過剰に感じられますが、この作品においてはそれこそが味です。「、」は多いが「。」までが遠い。一行一文当たり前。頻繁に「アラー」の名前も出てきますし、会話中にも多く入ります。「アラーに誓って、言葉一つ多くもなく、少なくもなく!」「白さが衣を通して顕れ、美しさが国のすべてを照らす帝王よ」などなど。けれど、これらが楽しくなってきます。少なくても、神谷は好き。
絵文字が文中に入ることを嫌う人には、少し苦痛かも。でも、それはこの作品に限らず、流星香のビーンズ文庫作品では宿命なので目をつぶらないと読めませんが。
全3巻で、綺麗にまとまっているのでお勧め。ただ、これから入るとほかの作品に少し違和感を持ってしまうかな?(神谷は、実はこれから入った。すぐ跡に読んだのが「輝夜彦」シリーズに「魔石の宝冠」だったから、「あ、なんでもありなのか」と納得したんですが)とにかく、シャールの孤独も垣間見せながら、物語はうまく終点へ帰結されます。さすが、流先生。素直に面白かったお話です。読後感もよし。

著者: 流 星香
タイトル: シャール・ラザラール―砂漠の幽霊船

著者: 流 星香
タイトル: シャール・ラザラール―封印されし魔神
何でか封印されし魔神の画像が出ない・苦笑
一巻が封印されし魔神、二巻が砂漠の幽霊船、最終巻が不思議の楽園です。
黒鷺死体宅配便

著者: 山崎 峰水, 大塚 英志
タイトル: 黒鷺死体宅配便 (1)
つい最近4巻が出ました。原作に「多重人格探偵サイコ」の大塚英志先生。漫画は「メイル」の山崎峰水。仏教大学に通う、実家が寺じゃない大学生5人が結成した宅配便は、「死体」から依頼を受け「死体」を運ぶというもの。
この作品名を見たのは、実は大塚先生の「物語の体操」でした。こちらの本は、小説を書くためのレッスンの本です。大量に消費されるための物語の作り方、というのがしっくりくるかもですが(こういう本が結構好きでよく読むんです)「物語の体操」のなかで、物語を作るための「行使者モデル」の練習用として上がったキャラクター達が、「黒鷺死体宅配便」だったんです。
「うわ、こいつ等の話読みたいよ」と思いながら、目的もなく本屋をぶらぶらしていて発見。ためしに一巻を買って、ラーメン食いながら読み。帰り際に二巻を買って帰りました。
著者: 大塚 英志
タイトル: 物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン
イタコの青年と、ダウンジング(見つけるのは死体だけ)、死体サイトの管理人、エンバーマー、チャネラー。それぞれの個性がしっかりしていて、「死体」や「殺人事件」を扱っているのに不気味さなどを突き抜けてしまっていっそコミカルなものになっています。グロイけど、夜中に読んでもまぁ大丈夫なくらいのもの(神谷は、物凄い怖がりで夜に怖い話読めないんです)
ただ、死体が歩いたり口をパクパク動かしたり。そういうシーンはぞわっとするものがあります。この辺は、山崎先生の作画の勝利かな。「メイル」の一巻、マンションのかくれんぼの話のときのような「ぞわっっ」が怖かった。
このシリーズは、ぜひ一緒に「メイル」も読んでほしいな、と思う。最新刊の4巻で、「メイル」の主人公・秋葉と黒鷺宅配便のメンバーが競演しているので。
全体に、大塚先生のテイストをふんだんに盛り込みながら、重くなりすぎずむしろコミカルに、けれどぞっと怖いというお話になっています。彼等がちゃんと儲かる緋はくるのか。続きを楽しみにしている作品でもあります。
ただ、ちょっと難点。このコミックス、カバーがとても破れやすく痛みやすいです。また、帯まで含めてコミックス全体の装丁といった感じなので、扱いに少し気をつけないといけないと思います。神谷の3巻は、もうカバーがぼろぼろ。ベッドと壁の間に落としてしまったからなんですが、ちょっと引っ掛けたり落としただけでもしわが付きそう。とても特徴のある、いい表紙だし手触りも面白いんだけどな。
イリスのアトリエ

メーカー: ガスト
タイトル: イリスのアトリエ エターナル マナ
今回は、ちょっときつい感じになっちゃいます。はじめに断っておくと、神谷はこのゲーム好きです。キャラたちも愛しいし。でも、すごく不満も多い。めちゃくちゃに多い。だから、ちょっと否定的な書き方になっちゃうかもしれない。
えーと、まず。このゲーム、アトリエシリーズの6弾として登場したものですが。
…………アトリエシリーズにする必要、あったの?
過去の伝統が、97%くらい綺麗さっぱりなくなってます。まず、アトリエがない。アイテムを集めての調合システムも、行うのは主人公じゃない。ていうか、料理がほとんど。アトリエシリーズって、調合がキモのゲームじゃないっけ?
戦闘画面も、今までの特徴ある戦闘画面じゃなく、FF6のような画面。
だいたい、物語が中盤に差し掛からないと「イリスのアトリエ……イリスって誰よ」状態。マップの移動は、普通の3DマップのRPGになっていますし。なんだかもにょもにょしました。
ストーリーや設定、キャラはとても面白いと思いましたし、音楽もすごくいい。オープニングテーマは、何度も聞いているくらいに好きです。が、やっぱりどうしても「アトリエシリーズじゃなければ、花丸」といった印象が否めません。ガストさん、ここまで変えたら、アトリエシリーズといわないでほしかったです。せめて、外伝にしてほしかったよ。
RPGとしては合格。ただし、動作がまれにとまったりして結構不安定なのがマイナス。音楽は世界観に合っていて特にOPが秀逸。ストーリーはぶっちゃけ恋愛もの要素が濃いけど、錬金術をうまく絡めたいいストーリーだと思います。ヒロインを助けるためにがんばる主人公、というのは王道ですし。
戦闘のバランスは、悪いです。逃げにくいし、敵が硬いし、雑魚戦闘で10分くらい行くこともざらです。スキル・ガッツ強すぎ。あと、レベルを結構上げないと容赦なくどんどん死にます。マナがあれば回復アイテムを作ることもできますが、ダンジョンの中ではすってんてんになることもしばしば。面白いんですけどね。戦闘嫌いじゃないし。ただ、ザコ戦10分ボス戦40分とかかかったのは勘弁してほしかった。
ラスボス戦なら、一時間くらいかかってもそりゃしょうがないと思えるけど。(10分かからず終わって拍子抜けするよりはいいよ、うん。アトリエシリーズは、もともとボス戦にはコツがいるゲームだし。ヴィオは特にコツがいった)後は……ルーラがほしかったな。わがままかもしれないけど、ルーラやリレミトがほしかった。気楽にレベルを上げにダンジョンに入るのもできないし。なんと言うか、冒険をメインに押し出すにしてはちょっと不親切。
アトリエシリーズが好きでそのイメージを壊したくない人には、ちょっとお勧めできないかも。パラレルワールドだ、とでも思ってのプレイをお勧めします。ユーディー・ヴィオラートに登場のパメラが出ていますが、姿と名前と立場(お化けらしくないお化け)が同じだけの、別のパメラと思ってください。世界観につながりは、まったくないです。世界観がぜんぜん違うのに、なんでいるんだパメラ。そして、旅の錬金術師の女の人(金髪)の名前がルローネって言うところもなんだかな、と思っちゃいました。無理してつなげなくていいよ。ぜんぜん違うんだから。と妙にさめてしまったというか。
ゲーム自体のできはいいし、好きなゲームなんだけどそれだけに妙にもにょる。7弾は、元に戻ってほしいな……。新規ユーザーに敷居が高くなってきたから下げたのかもしれないけど、古参ユーザーを無視するのはやめてほしかった。主人公の目的も、妙に大きくなっていて違和感。アトリエシリーズの、「英雄じゃない、普通の人間の範囲の冒険」というのが好きだったのに。学校の卒業とか、学校を立てるとか。自分の時代に帰る(あ、これはちょっと大きいかな?)、村おこし。どれも「でっかい小さな夢」だったのになー。
苦言ばかりになったけど、好きなゲームです。好きなシリーズだけに苦言が出るんです。クリアするのにも、なかなかつらいものがあって。現在お休み中だったりもするし。
あー、なんだかな。
ヴィオラートのアトリエ

メーカー: ガスト
タイトル: ヴィオラートのアトリエ ~グラムナートの錬金術師2~ ガストベストプライス
錬金術師の日常を描くRPG、アトリエシリーズの第5弾。
今回の目的は「村おこし」。主人公ヴィオラートは錬金術の素人。
アトリエシリーズをやってきた人間にとっては、とにかくもどかしい。
調合器具から自力で作らないといけないし、お金もない。
知識もない。技術もない。ないないない。もどかしい……。
これまでの主人公達は、みんな少なくても知識や基礎があるところからのスタートでしたから、もどかしくていらいらしてしまいました。
マルローネは、落第生の落ちこぼれとはいえアカデミーの生徒。
エルフィーユも、補欠合格とはいえアカデミーの生徒。
リリーなんて、曲がりなりにも錬金術の先生です。
ユーディーも、お店を開いて働いていた錬金術師。
ヴィオラートは、錬金術師のヒヨコどころか卵。だけど、進めていくとなかなかやりがいがあるゲームでした。お店システムとか。
過去のシリーズからの登場人物もいますし。
やることがたくさんすぎて目が回るゲームですが、のんびりとなれながらやっていくとかなり面白いゲームです。残念だったのは、恋愛が絡むのかな? と思わせるところがあったのに、まったく絡まなかったところ。アトリエシリーズに恋愛はあまり求めていないのですが、三角関係になりそうな設定や兄のが力を貸してくれる理由になっている設定などはもう少し生かしてほしかったかな。キャラクターはみんなかわいくて好きです。