火災現場から逃げ出していたピットブルが自宅に戻ってきて無事保護されましたという事でまずは良かったというお話でした。この犬が逃げ出している間にトラブル起こしていたらそれはそれで記事になってるでしょうから、そういった記事がないという事は犬自身が興奮状態から冷静になり家に帰ってきたという事なんでしょう。やけどを負っているみたいですけど、人に被害はなかった模様だし、犬も動物病院で治療を受けたようです。

 

 

実は今から40年以上前、岡山に住んでいた時に樺太犬を飼っていました。

私の家から見て斜め向かいほどの距離にあるお宅で火災が発生し、この時火災に興奮した犬が紐製のリードを引きちぎって遁走してしまいました。逃げ出した直後を目にした私は追いかけたのですが、足が速すぎて追いつけず、犬は諦めて先行して消火活動にあたっていた父に続いて、家の外水道のホースを長尺のものと交換して(50mくらいはあったと思います)家の外水道を使って火災の発生したお宅に水をかけつつ、接近して家の中に人が取り残されてないか声掛けをしました。

火元のお宅は日中は専業主婦の奥さんと、高齢で足腰の弱っているお姑さん、お子さんは5人かいてそのうちの一人はまだ乳飲み子だったので、お子さんとお姑さんが取り残さ 

れている可能性があったんで必死になって声掛けしていました。

その後、消防がやってきたので、消防隊の人に、声掛けをしたけど中から人の反応は聞こえなかった。しかし、普段は中年女性と高齢の女性、お子さんが5人いることを伝えました。

奥さんは買い物に出かけて不在なのは奥さんがいつも使っている自転車がない事からわかっていましたが、お姑さんと乳飲み子がどうなっているのかはわかりません。

他のお子さんは自転車がない事から多分出かけているんだろうというのは分かりました。

消防は私をはじめ他の消火活動を手伝っていた近隣の人達からの話を聞き、火中の中、ためらいもなく入って行きました。

とりあえずはこれで一安心かと思いましたが、火勢はまだまだ衰えていなかったので、火元の家の両隣の家からうちの家にも水をかけてくれと頼まれたので、びしょびしょになるまで一生懸命火元の両隣の家に水をかけました。

ようやく火勢が衰えてきたところで、もう大丈夫だろうし、消防の応援も結構来ていたので、父が撤収したのに合わせて私も撤収。

犬が逃げ出していたから犬を探しに行かなきゃと思ったら、当の犬は、てんと小屋の中に戻ってまあるくなっていました。

 
火事と人の怒声と喧騒に興奮して外に出て行ってしまったんですが、興奮状態が収まって冷静になったのとおそらくひとしきり勝手な散歩を楽しんで満足したから家に帰ってきたんだろうと思います。
 
家の人や近所でよくしてくれる人以外には懐かない反面、人に攻撃する事はなく、逃げる、我慢してじっとしてる、そんなタイプの犬だったのですが、かなり興奮状態で出て行ったので、誰かに弾みで何かしてないかはかなり気がかりでした。
 
近所で樺太犬なんて飼っている人いませんからうちだと一発でわかってしまうので、何かあればうちに連絡が来るだろうと一週間くらいはやきもきしてましたが、何もなかったんで、結局あの30分くらいの逃亡劇の間、あいつは特に人様に迷惑かけずに戻って来たんだなと思いました。
 
 
 
当時は犬を外で飼うのは当たり前だったし、庭で放し飼いにするのも当たり前の時代でした。
 
 
室内で犬を飼うだなんてどこの上流階級だという認識だったんです。
 
 
紐製のリードから鉄の鎖のリードにこの一件から変えました。
しかもその鉄の鎖の先には父が職場で眠っていたからもらってきたという鉄アレイ30kgを二個もらってきてそれを鎖の先に括り付けていました。
ところが、全く効果ないんですよ。
樺太犬だから引っ張る力が強いんです。
合計60kgも鉄アレイをずるずる引きずって庭中歩いてました。
 
それで父も今度はと意地になって犬小屋の横に大きな穴を掘ってそこに捨てコンを流し捨てコンにくさびを打ち込んで、そのくさびに鎖を通して犬を繋ぐことにしました。
 
流石に今度は引きずって歩くことは出来なくなったんですが、器用にどうやってなのか首輪を外す知恵がついて、首輪をスポンと外して逃げ出すようになってしまいました。
 
ある日、父が翌朝まで残業して家に帰ってきたら、その後ろを勝手に出かけて午前様で帰ってきた犬の姿を見て父がブチ切れて、犬を万成石の採掘場に捨てに行ってしまいました。
 
万成石の採掘場と家の距離は多分10㎞くらいは離れていると思います。
 
だから流石に帰ってこないだろうと諦めていたら一週間後、てんと小屋の中で丸くなって寝ている犬がいました。
 
一番最初に犬が家に帰ってきているのに気づいたのは犬を棄てた父でした。
 
「あいつ、勝手に帰ってきてたぞ」
 
まさか帰って来るとは思ってなかったんで、びっくりしました。
 
犬は申し訳なさそうに愛想尻尾振りしながら上目づかいに私たちを見ていました。
 
その姿が
「私ここに戻ってきちゃいましたけどお許し頂けるんで」
見たいな感じに見えてなんだか犬が飼い主一家に下手にでまくってこびへつらってる姿が滑稽な感じに映り大笑いしたのを覚えています。
 
 
 
そういえばこの犬含めて6匹の犬を飼いました。
 
そのうちの2匹の犬は救急車やパトカー、消防車の音に反応していました。
犬なりにあの喧騒な警告音が何か興奮を誘っていたのかもしれません。
 
最期に飼った犬は交通事故が起こると知らせてくれる面白い犬でした。
またそれくらい実家が交差点の角にあるため頻繁に事故が発生していました。
今は信号機が付いたりして改善され、1年に1~2回起こるかどうか程度まで減少しましたが、信号機がついていない頃は死亡事故が3度発生していました。
 
車同士の衝突音だけに反応していたわけじゃなく、家の横を用水路が流れているのですが、その用水路には柵がかかっていないので、車をよけようとした自転車や歩行者が誤って用水路に転落して骨折するという事故も結構起きてました。
それにも反応していました。
表通りはかなりの交通量があるんですが、裏通りは住宅街の抜け道程度の交通量なので、多少の交通量はあっても用水路に落ちてケガしていたら誰にも気づかれない可能性はかなり高いので、犬が吠えて知らせてくれなければ捜索願を出されていたかもということはありえなくない話でした。
 
今はもう家にいなくなって7年くらいたちます。
 
その間に何人かの人が用水路に落ちてその中には母の知り合いの人もいたそうです。
その人はたまたま骨折しなかったからよかったものの、用水路から這い上がれずにかなり苦労して這い上がれたそうでした。携帯電話で助けを呼べばよかったんですが、その携帯電話も用水路に転落した時に破損してしまって使えなかったそうです。
 
先日はいつからハマっていたのか知らないんですが、会社から帰ってきたら家の横に救急車と警察車両がとまっていて、母が警察官と話していました。
後から話を聞くと、お昼ごろに高齢者が用水路に転落したのだけど、誰にも気づいてもらえず、夕方頃になってたまたま通りかかった車の運転手が気づいて連絡し救出されたらしいという事でした。
 
結構岡山県もそうだったけど、香川県も用水路の落下防止の柵がないんです。
 
せめて交差点周辺とかくらいは設置してもらえないかなと何度か打診はしてるんですが、今のところダメですね。
 
犬が生きているときに用水路に落ちた人の数をカウントしてデータ取っておけばよかったですよ。
 
数字を見せれば説得も出来たでしょうし、必要な事は納得はしてもらえたでしょうから。
 
今は家にセキセイインコ飼ってますけど、音には敏感ですが、流石に犬のように何かあったよと言って知らせて鳴いてくれることはありません。
 
せいぜい自分の名前を言う、自宅の電話番号を出鱈目な番号で言うくらいでしょうか(笑)