東京に今年の3月に旅行した時のことです。

 

旅行に出かける直前に軽い腰痛を発症してしまい、ずっと腰が痛い状態で高松を出発、成田に到着、成田からは横浜まで空港バス、そして横浜からは電車で町田に行き、町田で宿をとって起点にして調子が良ければ昔住んでいた瀬谷周辺に行ってみようかなと思っていました。

 

ところが横浜駅で下車してうろちょろしているときに腰痛がかなり深刻な状態になり、町田のホテルに行ってホテル周辺で夕食を調達したうえでホテルに行こうと思いました。

 

駅からホテルは歩いて私の足でも10分圏内。

 

電車に乗っているうちに腰痛が収まってきたので、町田の駅がどうなってるのか気になったので無理をしなけりゃいいものをここでタクシー乗り場に行かないで、歩いてホテルに向かってしまいました。しかし、100m歩いた辺りからかなり深刻な状態になり、やばい、タクシー乗り場200m先まで戻るべきかどうするかと悩んだのですが、少しリュックをおろしてその上に腰を下ろしてゆっくりたばこふかしてくつろいでいたら痛みが減ってきました。

だましだましなら時間制限もないんだし行けるかと思い、ここで選択ミス。

歩きながら向かいました。道順は分かっていたのですが、随分と変わった街並みを惚けてみていたらホテルを通り過ぎてしまいました。

しかも迂闊だったのが、町田という町の地形です。

あれだけ何度も訪れているんだから覚えていて当然なのに昔懐かしにハマって町田の特徴を忘れていたんです。

渋谷同様に起伏の激しい地形を。

地図でしか見てないし、ああ、あのへんだなという認識はあったんですけど、ホテルが駅から多少勾配あるところを上がった先にある場所であるというのをすっかり忘れておりました。

行き過ぎた道を戻りここからまっすぐ行けばというところで急な坂道を正面に見て初めて

「しまったああ」

と一人絶叫。

 

いやまあ確かに町田来るのは久しぶりで10年ぶりくらいになるから忘れちゃっててもしょうがないっちゃあしょうがないんですけどね。

 

いやはや困りました。

 

すると目の前にタクシーがとまっているじゃなあないですか。

 

わずか数十メートルだけど、載せてもらおうと手を挙げましたが、運転手さんが手でバッテンして提灯を見ろと上を指します。提灯消えてました。

何らかの事情があって空車でも乗せれない状態なんだなと思いました。そしてふとナンバープレート見て納得。

こちらもごめんなさいと手を合わせてお辞儀し、運転手さんもお辞儀を返してくれました。

 

なぜ、私は乗車拒否されたんでしょう。

 

ヒントは提灯がついてないのと、私が気づいたナンバープレートです。

 

そう、営業範囲外なんですよ。

 

成田空港でお客さんを乗せて町田まで連れてきたとしましょう。

その成田空港のタクシーの運転手さんが町田でお客さん載せられますか?

ということなんですよ。

 

実際のナンバーは埼玉県のナンバーでした。

 

仕方なく、急勾配な坂道を脂汗かきながら登り、這う這うの体でホテルに到着。

そのあとホテルで一息つかせてもらって楽になったんで、部屋に入りこれはもう瀬谷に行くのは次回の旅行迄あきらめるしかないなと断念しました。

 

タクシーが運よく停まっていて拾おうとしてそのタクシーの扉をたたいても運転手さんが無反応で扉あけてくれないという事を体験した人もいるかと思います。

私も何度か酔っ払っていた時に体験して不愉快に感じていたのですが、きっとこういった事情があったんだと思います。

 

皆さんも酔った勢いで、短絡的に無視されたと思い込んでタクシーの扉を蹴っ飛ばしたり、運転席を開けさせて問答無用で運転手につかみかかるなんて馬鹿な事はしないでくださいね。

 

知り合いでほんとにこんなことやらかしておまわりさんのご厄介になったのがおりました。

 

幸い、運転手さんの方も事件にしないでくれたし、運転手さんを雇ってくれている会社の方も事件化しないでくれたんでおバカな知り合いはおまわりさんにお説教食らっただけで済んだんですけどね。

 

それでもそのまま返すわけにいかないというわけで誰かに迎えに来てもらいなさいという事で、

酔った彼も奥さんに電話するつもりがうっかり私に電話かけてしまったそうで、私もすっとんで迎えに行きました。電話口では酔っ払ってるからずっと○子〇子と奥さんの名前連呼してましたけど。

 

急いでタクシーで保護されている交番まで向かい、被害者の運転さんはすでに立ち去った後だったので、交番のおまわりさんに保護してもらったお礼を言い、被害者情報をもらって彼をタクシーに乗せ、私の家に彼を連れて行きました。

 

酔っ払ってオオトラになって被害者を出した挙句に、奥さんと間違えて私に電話してきてるという大失態をやらかしているんですから、彼の家に返したら奥さん臨月間近でしたからね。ショックでという畏れもあって家には帰せませんでした。

 

私の家についてから家の中まで入れるのも大変でしたが運転手さんが手伝ってくれたんで何とかなりました。泥酔した人間ってほんとなんであんな石みたいに重くなるんですかね。わざと踏ん張ってんじゃないかと思うくらい重たかったです。運転手さんに彼を運んでもらった手間賃で1000円チップ払ったら喜んで受け取ってくれてよかったです。

奥さんの携帯電話は知らなかったけど、彼の固定電話は知っていたので、固定電話の方にかけたら奥さん夜遅くだけど直ぐに電話に出てくれたので、調子に乗って飲ませ過ぎてよい潰してしまったんで私の方で面倒見ますと言って今日は私の家に泊める旨連絡しておきました。

 

当人、朝目覚めて素面に戻って知らない家。

慌てて飛び起きて逃げ出そうとしたから、

「おい待て待ておれだよ滝山だよ」

といって慌てて声かけました。

 

起きて事情を説明し本人猛省してました。

時間を気にしてましたが、まだ朝6時台だったので本人一安心。

風呂も沸かしてやっていたので、風呂はいれよとお風呂を勧め、彼も喜んで入浴。

私と体型が近かったんで下着と靴下それにワイシャツは私が来てない新品のものを彼にあげ、後日飲みに誘ってくれた時にでもタクシー代含めて清算してくれたらいいといって、風呂から出てきたらホテルに行っては集めていたアメニティグッズを渡して身支度させて帰しました。

 

後日、飲みに誘ってくれてこっちはまあ諭吉さん1枚くらいもらえたらいいなと思っていたら、想定外の諭吉さん5枚を出してくれました。奥さんへの口止め料もこりゃ含まれてるなと思いました。

 

まあ5万円の口止め料で四半世紀黙ってたんだから今ならネタとして暴露してもいいでしょう。義理は果たしたんじゃないかな(笑)。

あ、ちゃんとタクシー会社に彼は菓子折り持ってお詫びに行ったそうです。

泥酔トラブル起こした客が菓子折りもってお詫びに来るのは警察沙汰にした時以外はなかったんで、タクシー会社の人達もびっくりしたそうです。

その日は運転手さんがお休みの日だったんで直接お詫び言えなかったそうでした。

勤務日の日にお詫びに来たいと言ったら、今日の事を伝えておくから構わないよと言ってくれたそうで、それに甘えさせてもらったと言ってました。

会社と運転手さんが事件性にしなかったのは車がへこんでなかったのと、運転手さんも運転席から出てただつかまれただけで怪我も負ってなかったからだとのことでした。

 

 

なんだか本線の話よりも脱線話が長すぎるのが私の与太話の悪いところですが、そんなわけで、タクシーが空車でもお客さん載せない事情結構あるんで皆さんもカっとならずに一度何でと思っていただけたら幸いです。