5月21日(土)の床の間 | お煎茶の話でもしましょうか・・・

お煎茶の話でもしましょうか・・・

煎茶のお稽古のご紹介をしています。
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賣茶正流宗家家元三代目、堤好石

春の煎茶会からゴールデンウィークを経て
5月下旬のこの日まで、長いお休みを
いただきましたが、おかげさまで、
気力も体調も元に戻りました。
5月第三週の床の間はこんな感じに
なりました。

この日の掛け軸は京都・大徳寺の
第四三五代管長、大綱禅師の書と
画を組み合わせたお軸です。
「瓢や瓢や…」で始まるこのお軸は
瓢箪を様々な視点から語ったもので、
日本人ならではの独特の見方が
特徴的です。

瓢や瓢や、汝、真瓜の位もなく、
西瓜の暑を払う位もなし。
しかれど気の軽く、中むなしくして
無欲なれば、仙人も汝を友として酒を入れ、
腰に携えあるは駒を出して楽しめり。
汝、瓜の類にいて包丁の難にあわざるは智なり。
鯰を押えて逃がさしむるは仁なり。
羽柴公の馬印となりて強敵をくだすは勇なり。
汝、性は善なり。
うかうかと暮らす様でも瓢箪の、
胸のあたりに締めくくりあり。
…もうここまで語られると深遠な哲学の
趣さえ感じませんか。
私はこのお軸を見ると、日本人に
生まれてよかったなあと思います。

この日のお花はバイカウツギの一種活けです。
バイカウツギは白い爽やかなお花で、
梅の花に似ていることからこの名前が
ついたようです。今時から夏にかけて咲き、
私の好きな夏の花です。
花活けはお軸が瓢箪であることから
瓢箪型の籠にしたのも愛嬌です。