ツールド宮古島 走行記 その1
ツールド宮古島 走行記 その2
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足にきた痙攣の予兆をどう対処するか。
我慢してやり過ごすのも賭け。
そのかわり本当に攣ってしまったら、もう離脱は決定的。
結局背に腹は変えられないと思い、サプリを飲んだ。
もちろん効いてくれたが、どれくらいもってくれるだろうか?
ここからは精神的な問題。
「もうない、どうしよう」と考えるとおそらくすぐに薬の効果は失われ攣る→集団から離脱→独り旅→風の抵抗を受け失速、完全な負の方向になるのは間違いない。
考えないことに・・・なんてできるわけない。
だからと言って現実問題サプリはない。
まだ補給していないゼリーが痙攣に効く!と思い込むこと(実際効果がある成分は入っていない)、そして足を止めず回し続け痛みが去ることを待つこと、それが私にできることだった。
集団走行の人数は徐々に少なくなり、N山隊長は見えなくなっていた。
Yさんは前の方にいるのが見える。
そんな時再び「ボトル!」と声が飛ぶ。
落ちてるボトルが見えた時にはもう目の前。
また運が良く踏み越えることができた。ラッキー。
2度も落車の危機から免れた。
そして最後の難所と思っていたポイントの上り坂に差し掛かる。
踏み込んだ瞬間、今までにない痛みが両足に走る。
「とうとう来たか」
太ももの内側が膨らんでいる。終わった。
ゴールまであと15kmくらいのところで少しスピードを緩めて集団から離脱。
Yさんが遠くに行ってしまう。
その直後の下り坂で痛みが少し和らいだので必死に追いかけてみたが、追いつくことはできなかった。
風の抵抗を感じた。
目の前から集団は消えて行った。
続く