BBC製作シェイクスピアの7部作を劇場版化した第一弾はリチャード二世。

嘆きの王冠

このシリーズお堅そうだからどうしようかな。いきなり2時間半だしと思っていましたがシェイクスピアらしさがありつつもものすごく堅苦しくなくて観てよかったです。

まず第一弾のリチャード二世は絶対的権力を握るリチャード二世が次第に破滅していく様が描かれていましたが、前半の優雅さからラストの追い込まれっぷりがマリー・アントワネットのような吉良上野介のような感じでした。

普段の生活がまず浮世離れ、取り巻きはいいことしか言わないしちょっとでも苦言を呈すると即刻何かしら罰を与えるという見た目なソフトなのに近寄りたくないタイプの人なんですよ。リチャード二世って。

結局は貴族それも血縁内のトラブルの話で、序盤は結構物わかりが良さそうな感じがするなと思っていたら次第に傍若無人な感じが出てきて反乱っぽい事を起こされていましたが、ベン・ウィショーの浮世離れっぷりがはまっていて、何で自分が割るものなんですか?みたいなところが最高で、苦手な部類の顔をしているのですがベン・ウィショー史上最高の役だなと思いました。

後半、リチャード二世の側近たちがあっさり逃げたりするもすぐに処刑されてそれはそれで残酷なのですが、身内なんだから仲良くやればいいのにね。誰も得しないのにねこんな争いって思いました。

後のヘンリー四世とそのお父さんパトリック・スチュワートの扱いが不憫でしたが、ヘンリー四世役の人が付いてなさそうな顔をしていて、いい人そうなんですけどものすごく観た目が地味と思ったらこの次のヘンリー四世はジェレミー・アイアンズになっているのでした。