身長差が逆転した恋人たちの恋の行方を描いたフランスのロマンティック・コメディ。

おとなの恋の測り方

身長差と言っても男の方が136cmでひときわ目を引いてしまうのですが、フランス映画らしく二人の出会いが小粋。

別れた夫とレストランでケンカしたヒロインが携帯を置き忘れたのも気が付かず家に帰ったら、自宅の電話に携帯からウィットに富んだ会話で「あなたが忘れた携帯を持っているので返すついでに会いましょう。」なんてナンパですよ。
日本だったら気持ち悪いって感じになりそうですが、フランスが舞台で会話のやり取りも恋愛慣れしているっていうかそういうお国柄なので、まぁ話も面白いし会ってみようかってなるわけですよ。
ちょっぴり期待を膨らませて。

で実際会ってみたら身長がものすごく低くて面食らうのですが、知的でユーモアもあり知らない石灰に引っ張って行ってくれる彼とたちまち夢中。
相性も最高。でも街を歩くと身長差がありすぎて人の目が気になって誰にも照会できないという葛藤があったり、主人公の方も「身長の低いのは君の金髪が個性のように同じなんだよ。」と言ってはいるものの心の中ではものすごいコンプレックスを抱えていたりしてちょっとほろ苦い大人のロマンティック・コメディに仕上がっていて楽しいです。
幸せなんだけどふとした瞬間に人の目が気になってしまうところが分かるーってなりました。どんなにエリートだって貧減て割と器が小さいものなんですよ。

大人の恋愛ものという事でお互い離婚歴があったり、主人公にはものすごいイケメンの息子がいて、父親の恋路を心底心配していたりヨーロッパらしい家族の絆とかが描かれていているところもよかったし、こういう映画って普通男の方が女の人を傷つけてしまうけど逆ってところも新鮮でした。

脇役も嫌味な別れた夫や、おしゃべりな事務所のアシスタント(日本だと山村紅葉のポジション)がいたりこの人が仕事はあまりしないけどヒロインの背中を後押ししてくれたり王道なんですけど多幸感に溢れてとても好みでした。

主役のジャン・デュジャルダンもアカデミー賞を受賞している人ですが、彼の器の大きいキャラクターが魅力的で特撮で背が低くなっていたり何もアクション映画やSF映画じゃなくてもこういう技術が活かされているところもよかったです。

予告編

おまけ
別ポスター
おとなの恋の測り方

おとなの恋の測り方