ベティ・デイヴィスの怪演が光るサスペンス。

妖婆の家


「何がジェーンに起ったか?」や「ふるえて眠れ」のような白塗りであからさまにおかしいのではないかという感じではなく、この映画では乳母なので見かけはいたって普通というかむしろ気高じすら感じることができていつもの狂女ものとは一味違います。

男の子の妹が風呂場で事故死した過去があり男の子が妹を死に追いやったと思われてナニーがやったと言いふらすものだから狼少年のように誰からも信じてもらえない展開。

その一方でベティ・デイヴィスもものすごく怪しいのですが隙がないからやっぱり男の子がやったのかなと思わせ、回想シーンというか二人のそれぞれの当時の証言も違っていて「羅生門」っぽい展開で最後まで飽きさせません。

終盤、ベティ・デイヴィスの狂気が炸裂するのですが、いつもの感情むき出しの狂気と違って夜中に男の子の寝ている部屋をこっそり覗いたり、男の子の伯母さんが感づかれたと知って行う怖い仕打ちとかいつになく知的な感じで責めてきます。

そしてラストで明かされる真実が切ないです。ベティ・デイヴィスの狂女ものは悲しい過去がベースになっているのが興味深かったです。

予告編