この頃の瑪論氏は、少し人事俳 句、人の世の人の有り様に触れる句が多くなっているのかも知れません。平成17年12月号の5句に限っては、少なくともそれが言えそうです。人間に対する興味を失っては俳句の俳句たる所以(ゆえん)を失ってしまうのですが、然(さ)りとてそればかりでは季語が季を失ってしまいます。季語の取り扱いが観念的になってしまうのです。
掲句、「衣被(きぬかつぎ)」の茹でた里芋の皮はつるりと剥けるというところからの発想でしょう。酒席は想起されますが、一句の奥行きは浅そうな気がします。ま、酒席で衣被が出た折など、この句をぼそっと呟いて、同席の誰かさんを揶揄するにはお手頃、ではありますけれど(俳句には、その様な使われ方もあるのです)。