風の名前の季語には、当然ではあるのですが、面白さと同時に難しさがあります。「涅槃西風/ねはんにし」の場合、涅槃会の頃の西風という事実を置いても「涅槃」の意味性をどう活かすかに尽きる気がします。ほぼ同じ「彼岸西風」との棲み分けも問われるところ。棲み分けに関しては、「涅槃西風は感じとして、やわらかな西風と思える」との記述もありますが、これは語感に関わること、でしょう。それでも、この頃の強風には別に「涅槃荒れ」もありますから、「涅槃西風」をやわらかな風とすることには問題がなさそうです。
 

さて一句、三月も半ばの涅槃会の頃ですから、温かいとは言え気温はまだまだ、掘り返した土からは些かの湯気が立ち、そこへ涅槃西風のやわらかな風、なのでしょう。