変則的な読み方にはなりますけれど、「 よもにかぜ・はっぽうよりの・あきのこえ」と読ませているのかも知れません。「四方八方」という成語を組み込んだ一句なのですから、その成語フレーズ的には、「しほうにかぜ・はっぽうよりの・あきのこえ」が正しい読み方だとは思うのですが。もし「よもに」と読ませているのだとすると、これも成語崩しの一つの手法ではあります。
さて、季語は「秋の声」で三秋。「秋晴」「鰯雲」「月」などと同じ天文に分類される季語です。かなり感覚的な季語で、秋の澄んだ空気を通して聞こえてくる音、或いは、聴覚を通しての感触的な印象でしょうか。
切れは句末、季語による体言止めです。軽い切れが「四方に風」の後にも在ります。
四方八方の身の回り、その全てを通り過ぎてゆく風に、秋を、秋の深まりを、その聴覚的に得られた感覚を通して浸っている、でしょうか。