第1期
3〜9週間
梅毒血清反応陽性
早期梅毒

初期硬結外陰部に直径1cmくらいの赤く硬いしこりを形成
痛みはほとんどない。
亀頭、冠状溝、大小陰唇に好発。硬性下疳初期硬結が自潰して、硬い潰瘍となる。
痛みを伴わない。
触れると軟骨様の硬度

6週間より、両側鼠径部の所属リンパ節が硬く腫張する。
無痛性で、治療せずに放置しておいても3週間ほどで消退する。
第1期のうちに治療を終了させないと、第2期梅毒疹が出現する。


第2期
9週間~3ヶ月
梅毒血清反応強陽性
早期梅毒

バラ疹エンドウ豆大の薄い紅班が、体幹部に多数発生する
痒みはなく、無痛性である。
数週で自然消退する。
梅毒性丘疹梅毒性丘疹に移行する。
12週間後に発生。
暗紅色の痒みのない丘疹が顔面、体幹、四肢に多数・散発的に発生する
両手足の裏に限局した丘疹をみる場合が多い。
粘膜疹口唇、口蓋、頬粘膜、咽頭に境界明瞭な灰白色の斑を生じ、時に中央部がびらんする。
扇桃は腫大するか、白苔を有し、しばしば潰瘍を生じて、梅毒性口峡炎となる。
時に嗄声を伴う。
潜伏梅毒皮膚、粘膜に症状がなく、梅毒に感染している状態。
梅毒血清反応のみが陽性を呈する。

硬性下疳、バラ疹、梅毒性丘疹、粘膜疹など、皮膚及び、粘膜の梅毒性病変は痒みや痛みがなく、治療を受けてなくても、自然に消退してゆくのが梅毒の特徴である。この間、梅毒の感染は持続し、次の段階へと進展していゆく。


第3期
3年〜10年
晩期梅毒

ゴム腫皮膚・骨・筋肉に、また肝臓や腎臓などにも硬いしこりやゴムのような腫れが出て、傷跡として残ることもある。
梅毒血清反応は陽性。


第4期
歩行麻痺
痴呆10年〜

心臓血管系、中枢神経系が侵され、大動脈癌、進行麻痺、痴呆などの症状が現れる。
日常生活ができなくなり、死に至る。


無症候梅毒
臨床症状は認められないが梅毒血清反応が陽性のものをいう。
TPHA法またはFTA-ABS法によって生物学的偽陽性(BFP)を除外する必要がある。
初感染後全く症状を呈さない場合や、第1期から2期への移行期、第2期の発疹消退期や陳旧性梅毒などの場合があり、 陳旧性梅毒の中には治療を要しないものも数多くある。