202X年 ○月 △日(土) 天気予報は曇り
押し入れの隅で埃をかぶっていた釣具を、無理やり車に積み込んだ。
「外に出れば少しは気が晴れるかもしれない」という、主治医や318氏の言葉を
なぞるためだけの外出。
予報と違って高速では雨
出航時、港周囲の雨はやんでいた
暗い海に着いても、以前のようなワクワク感はどこにもなかった。心もやんでいた
深黒の海。
闇の先が見えない。自分と重なる暗黒世界
朝日が昇る
明るなるにつれ雨が降り出す
どんよりした水面が広がっていて、海の深さが底なしの不安と重なって、足がすくむ。
仕掛けを作る指先が寒さで震える。
かつては無意識にできていたノットが、どうしても思い出せない。
「こんな簡単なこともできなくなったのか」と、ボートの上で一人、
ひどく惨めな気持ちになった。
糸を垂らしていると、318氏も不調なのか歓声が無い。
今日の釣行は不発だ。来るべきではなかった・・・
そんな思いが頭をよぎる。
根掛かり多数。リーダーがズタボロ
魚が餌を突く感触(アタリ)が手元に伝わっても、
合わせる気力が湧かない。感覚もズタボロ
そんな中、ポイントをひっきりなしに変え、318氏は次第に釣果を伸ばす。
最後の最後にキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
エソだ!
しかし、抜きあげ直前にエソが暴れてリーダーがプッツリとキレた
結局、一匹も釣れないまま、ただ数時間、
海を眺めていただけだった。心もプッツリと・・・
雲が晴れると今度は暑い
キラキラと光る波しぶきが、残酷なほど綺麗だった。
晴れない自分とは全く別の世界の輝きのように思えて、
逃げるように車に戻った。
318氏に
お土産をたくさん頂き
家族には「釣れたよ」と虚偽_| ̄|○
帰宅して、潮を被った道具を洗う気力もない。
「リフレッシュ」どころか、余計に自分の欠陥を突きつけられたような一日だった。
魚を捌く包丁が重い
次に竿を振る日は、来るんだろうか。
































