「今日こそは、高級刺身パーティーだ!」
愛する妻に内緒でボーナスを全投入し、
揃えに揃えた特注ロッドは計6本。
麦わら帽子を粋に被り、
エンジンの咆哮とともに大海原へ乗り出した
自称・海の何でも屋。
その背中には、
まだ見ぬ大物(ブリか、タイか、はたまたマグロか!)への野望が漲っていた。
「来た、来たぞ!この重み、間違いなく10キロ越えだ…!」
唸るリール、しなる竿、ほとばしる汗。
格闘すること15分。ついに海面に姿を現したのは、
神々しい輝きを放つ……いや、やけに細長い、あの顔。
「……またお前か、エソ。」
期待を裏切らない鋭い歯と、ヌルヌルとした質感。
高級魚への夢は、一瞬にしてすり身の材料へと姿を変えた。
笑いあり、涙あり、そして大量のエソあり。
日本一お気楽で、世界一エソに愛された男の、
最高に報われない無職の毎日が幕を開ける!


































