改:第47話.ショッピングに付き合う事【ニューヨーカー『ヨンジュンのオフの過ごし方』】 | 風月庵~着物でランチとワインと物語

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毎日着物で、ランチと色々なワインを楽しんでいます。イタリアワイン、サッカー、時代劇、武侠アクションが大好きです。佐藤健さんのファンで、恋はつづくよどこまでもの二次創作小説制作中。ペ・ヨンジュンさんの韓国ドラマ二次創作小説多々有り。お気軽にどうぞ。

第47話.ショッピングに付き合う事

【ニューヨーカー『ヨンジュンのオフの過ごし方』】

お腹がいっぱいになった僕らは、セントラル・パークの東側、パーク街59丁目にある『ヤンキース・クラブハウスショップ』へ向かった。ここは子供用のTシャツや帽子、ジャージやソックスもある。僕は今、白いTシャツにジーンズ、ルナも可愛いロゴが付いた白いTシャツに短めのジーンズだ。二人でヤンキースの帽子を被って、鏡の前に立ってVサインをしてみた。
「似合うね」
「ホント」
ハランとサヨンにもお揃いのキャップやジャージ、それからロゴマーク入りの文房具を買った。

僕らはその他にフォトフレームを二つ購入した。一つは友人夫妻に、もう一つは僕らの記念に。ヤンキースの袋を下げて歩きながら僕は思う。帰国するまで、もう一週間を切った。そろそろダンディも送らなきゃならないなぁ。

どうせなら他の物もまとめて一緒に送ろうと、翌日僕らはタイムズクエアへショッピングに出掛けた。ここの大型店なら何でもありそうだ。僕もこういう所へ行く事って、なかなかないから結構楽しみだった。

ルナのお目当ては化粧品だ。ニューヨークはとても充実しているらしく、それを上手く購入するには、ドラッグストアがいいんだそうだ。ルナは友人の奥さんから、タイムズスクエアにあるドラッグストア『デュアンリード』が一番いいと聞いてきた。
「先にルナの好きな物を買っておいで。僕は日用品やお土産を見てるから」
「じゃあ、買ったらそっちに行くね」

ルナはあまり時間も掛からず僕の所へやって来た。
「もう買ったの?早いなぁ」
「どれがいいか、この前教えて貰ったの。だから直ぐに買えたわ」
「そうか、よかったね」
ルナは凄くウキウキしている。女の子はこういう買物は楽しいんだろうな。自分の彼女のショッピングに付き合うって、なかなかいいなぁ。
「行こう、ヨンジュン」
「あぁ」

それから僕らは幾つかのお土産を買った。星条旗色のリボンや自由の女神ピン付きチョコレート、箱に車の絵がついたイエローキャブ型クッキー、ミックスナッツの詰合せ、NYのロゴ入りTシャツを着たクマのキーホルダー…あぁ、そうそう可愛いニューヨークのミニカーも買った。ひっきりなしに走っているイエローキャブや、何処にでも直ぐに飛んで行くNY市警のパトカーや消防車、ミニカーは人気によるのか値段も違っていた。たくさんの買物をして、タイムズスクエアから帰る僕らの手は、カラフルな色の袋でいっぱいだった。

家へ帰ったルナはとてもご機嫌だった。さっきから鼻歌なんか歌っている。
「いいの、買えたんだ」
「うん」
何でも最近出たメイク用品で7割引の物があったらしい。段ボール箱へ移し変えるのに、テーブルに並べているのを見たら、幾つかハーブの石鹸やバスエッセンスのボトルがあった。
「ふうん、こんな小さなボトルがあったんだ。女の子はこういうのを見つけるのは上手いからなぁ」
そう言って手に取って見ていたら、ルナに取り上げられた。
「ダメよ、先に見ちゃ」
「ごめん、誰かのお土産だった?」
「ううん、違うけど」
彼女は少しだけ恥じらう様に言った。
「バスルームの棚へ並べて置くんだから」
「えっ?」
「それからリビングやベッドルームにも」
石鹸はジャスミンやラベンダーやベルガモットもあった。バスエッセンスはそれらとお揃いの香りだ。もちろんハニーミルクもあった。それからリリーやオレンジの、花の香りのアロマキャンドルも幾つか。
「楽しみだね、お風呂の時間」
「あっ…うん」
「その後にアロマキャンドルか。ムード出そうだなぁ」
小さな声で言ったのに、しっかりと聞こえたみたいだ。ルナは僕に顔が見えない様に横を向いた。
「そんな訳じゃないの」
「恥ずかしがる事ないのに」
「恥ずかしくないもん」
「そうだよね」
僕は素早くソファーから立ち上がり、ルナへキスをするとキッチンへ逃げた。
「もう~行き成りキスしないでよ」
そう言いながらも彼女は嬉しそうに笑っている。
「いいじゃない、嫌なの?」
「嫌じゃないけど」

僕は冷蔵庫からミネラル水のボトルを取り出した。
「飲む?」
「うん」
ボトルを持って僕は彼女の隣に座った。
「手伝おうか」
「えぇ、お願い」
僕らは一つ一つ、ニューヨークの香りを段ボールへ詰めていった。

次回:第48話.ダンディの帰国

(風月)