よく耳にするイーストフードとは | 無添加パンにこだわる広島のパン職人の『本当は言いたくないパンの科学』

無添加パンにこだわる広島のパン職人の『本当は言いたくないパンの科学』

私達が毎日口にいれる『パン』に焦点をあて、食の現場からみた食の姿を綴っていきたいと思っています。

パン酵母が安定した活動をするためには生き物として様々な栄養源が必要です。

イーストは適当な水分と栄養分があり、27~36℃の温度で管理すれば、よく働きます。

 

 

パン作りに使われるパン酵母は生きています。単細胞微生物であり、生き物としては動物と植物の中間のような存在で、どちらかと言うと草木のような植物に似た細胞性質を持っています。そのため、生き物として生育に必要な3要素である窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)が、パン酵母の活動と生育にも不可欠となります。

 

酵母という生き物を育てていくことは、気温・湿度などが異なると状態感も変わってきますので、熟練が必要です。

 

そこで、化学の反応で酵母を育てようと開発されたのが『イーストフード』です。

 

 

もともとパン生地中にはリンとカリウムはある程度十分な量が含まれていますが、特に窒素は少ないためイーストフード成分として添加することでパン酵母の発酵活動を強化してくれます。

 

イーストフードとはその名のとおり、イーストが食べるエサで、イーストの栄養源となって、発酵を助けるための食品添加物です。 塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、リン酸塩など14品目の合成添加物から4~5品目を混ぜてつくられる食品添加物です。天然由来の焼成カルシウム以外は化学物質です。

 

これらの化学物質ついてですが、間に対する害は色々なブログ等で扱われていますのでそちらに譲ります。

 

化学物質の摂取は避けて通れませんの。食品添加物を全て否定するのではなく、どう減らすかをとりあげ、どんな材料がなぜ使われているかをお伝えするこのブログの趣旨から外れますので取り扱いません。

 

役割としては・・・

 

1・水の硬度を変える

炭酸マグネシウムを添加したイーストフードは軟水の水道水を硬水に改良します。

 

2・イーストやパン酵母の栄養源となる

パン酵母が安定した活動をするためには生き物として様々な栄養源が必要です。

 

3・グルテンの安定と強化を図る

小麦の性質の違いによる生産ムラを補い、グルテン同士のつながりをより強固にし

 

大量に品質を安定させ本物のパンを作るのは難しいので多くの市販の食パンや菓子パンにはイーストフードが使われています。

 

イーストフードは化学物質なので発酵の度合いの予測ができると共に、発酵時間を短縮できるので熟練した技に関係なく短時間で安価に大量の品質の安定したパンを発酵させることができるます。要するに、機械で製造するのに品質や時間などが管理しやすく、均質なパンを大量生産しやすいのです。少ない原料でもフワフワしたパンを一度にたくさん作れるので大量生産に向いてます。

 

同じサイズの天然酵母とイーストフードのパンの重さを測ると相当な違いが出ます。それだけイーストフードのパンは空気が多いということなのです。

 

 

イーストフードはいわゆる膨張剤なのです。ただしふっくらと焼ける一方でイーストフードを使うとパサパサしてしまい、しっとり感がなく、パン本来の味わいが失われてしまいます。このように、イーストフードはパン製造するときに、熟練した職人技に頼ることなく安定した高品質で、製品をつくることに貢献しています。

 

今回はここまでです。

 

読んでいただきありがとうございました!

 

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私のパンは広島で無添加・国産小麦にこだわり

健康を気にするあなたのためだけに焼いています。

 

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