パン作りと、水の関係 | 無添加パンにこだわる広島のパン職人の『本当は言いたくないパンの科学』

無添加パンにこだわる広島のパン職人の『本当は言いたくないパンの科学』

私達が毎日口にいれる『パン』に焦点をあて、食の現場からみた食の姿を綴っていきたいと思っています。

パンの3大成分『小麦・水・塩』の中の、今回は【水】について取り上げます。

 

水の役割

 

1.小麦タンパクに吸収されてグルテンを形成させる

 

2.デンプンに収集され膨張し糊化(こか)し『αデンプン』となり食べやすく、消化されやすい状態になる

 

3.塩や砂糖などの原料を溶かし均一に分散する。

 

 

水は、吸水量と硬度とpHが重要です。同じパンを作るときでも、小麦粉の管理状態や種類によって吸水量が変わります。たとえば、国産小麦粉の吸水量は、55~60%ですが、輸入小麦粉の吸水量は65~70%です。水の量によって生地の硬さが決まります。現在は、品種改良で国産小麦も輸入小麦波の吸水量に近づいています。

 

 

水の硬度とは、簡単にいうと、

 

1.ヨーロッパ諸国に多い『硬水』、

2.日本の水に多い『軟水』

 

大きく2種類にわけられます。

 

『硬水とは』、カルシウムやマグネシウムが多く含む水です。パン作りに適しているのは、やや硬水で、発酵がスムーズに進み、作業性も良く、パンも質の良いものとなります。

 

『軟水』を使うと、グルテンが軟化し、べたつきのある生地になり、湿った重い感じのパンができます。

 

一般的にはパン作りには、ほどよい硬水が良いとされています

 

つまり日本の水道水のみでパンをつくることは、グルテンが軟化しべたつきやすい生地になり、作業性が悪くなる。 吸水率の低下、ガス保持力低下により、ボリュ-ムがでにくくなるので、水を改良する必要があります。

 

対策としては、

 

1.硬水のミネラルウォーターを使う

 

2.食塩を増やす

 

3.イーストフード(添加物)を入れる

 

4.ビタミンCを入れる(ポッカレモンなど)アスコルビン酸(有機化合物のビタミンC)

 

大量生産に向き一番おおいのはイーストフードでしょうか?

管理が難しいときには食品添加物の出番です。

 

 

水には酸性とアルカリ性があります。

イーストには弱酸性(pH5.2~pH5.6)のもとで活性化するという性質があります。

酸が強い 水だとイーストが活性化され過ぎる。

アルカリ性が強いとイーストの活性を 阻害する。更にグルテンを軟化したり、雑菌の繁殖にもつながる。

 

いずれにしてもパン作りではイーストが最大限に活動する弱酸性の環境を作ることが大事です。

 

今回はここまでです。

 

読んでいただきありがとうございました!

 

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