ローリング・ストーンズの音源を探る参考書  | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥

   
   
「STONES の ”あの曲”が どのアルバムに入ってる」とか、
やっぱり全部CD買い揃えるにもカネがかかることだし、
俺もこの23年間、わりと苦労した方かも知れない。
で、LP時代のモノまで全部となると、
それはもう、苦労なんてもんじゃない。
カネにイトメをつけなければ無理でもないだろうけど、
今からとなると神業に近いよ。そんなの。
俺なんて、LPレコードでは
 
 

 

刺青の男 』と
『ギャザーズ・ノー・モス』と、
『メタモーフォーシス』の3枚しかない。
確かに天然エメラルドとかの針で聴く ストーンズの音は
CDと全然ちがう。
どこが違うのかって、・・・言葉には出来ない。
・・・「人間として”耳”があってヨカッタぁ」って感じだな。しいて云えば。
で、少し経済的に余裕あるのなら”月に2枚ずつ”とか、
”中古盤でマトメテ5枚”とか、
俺は そういうふうにCDを買い揃えた。
勿論、新作は発売日にキャッシュで買う。
モノによっては同じアルバムでも配給先のマスタリングとかによって、
微妙に異なる”別テイク”も多い。
「それを聞き比べよう」という、そういうこと以前に、
自分が持ってないと気がすまない。
そういう気ちがいじみた心境に駆られる。なぜか。
しかも俺の場合、ストーンズばかりでなく、
U2 までも そういう頭でプロモ盤CDとか探しまくって今日に至ってる。
おまけに THE THE とか ジョニー・マー 関連のプロモ用CDにも目が離せない。
一時期、情報源は全部、ラジオだったけど、
週に2~3回、新宿、中野の裏通りや目黒付近、早稲田の中古屋とかを
自分の足で廻った方が遥かに速い。
よく、JAZZ専門の中古屋の隅っコの方に、ロックのプロモ盤とか
投げやりにされてる。そういう処に掘り出し物があるわけ。
ラジオ局とか雑誌会社の編集部とかが手放すらしい。
だから、巷の”海賊盤屋さん”で高値のヤツ(元は ほとんど\0なのに)を買うより、
¥500とか¥300で貴重盤CDが手に入ることもあった。
U2なんて特にそう。場所、時期によってはゴロゴロしてる。
でも、ない時は まったくない。
・・・ダンボール箱の中へ突っ込んでる手の指先がホコリで真っ黒になって、
そんなの捜してる様なんて、物乞いみてぇなもんだ。
もっとも最近は佐渡に来てから そんなことやってないけど。
(まず、「できない」というより、店がない。)
   
   
さて、俺のブログは今のところ ”U2 コーナー”はないので、
世の中に大きな異変もなく、無事に年が明ければ、
来年あたりから そういうコーナーも設けようとは思うけど、
今日は珍しく、”ストーンズ関連の本”を紹介させてもらう。
3冊だけ。
まぁ、いわゆる、”コレクター向け”のような物で、
ストーンズの音源を探る上での参考書みてぇなもんだな。
それぞれ、まだ廃刊にはなってないと思うから、
普通の書店になくても注文は可能だと思う。
このページ右側の、pinc cadillaciconBook Shop 顔をクリック!   
  

でも紹介してる。
よかったら覗いてみて。あとで。  サイドバー調節 : 2006年3月。   
…すまん。
   
で、まずはコレ。
 
  
    
 
藤井 貴之 著
 大ローリング・ストーンズ事典 [改訂版]』
 
257 p ; サイズB5版 21 x 15 cm
TOKYO FM出版 ; ISBN: 4924880418 ; 改訂版 版 (1995/03)
¥2,038 (税込)
   
俺は この本をボロボロになるまで読みまくった。
・・・というより、ストーンズの正規の音源データを頭に詰め込んだ。
著者の藤井さんのように全部を覚え切れるわけじゃないけど、
とにかく 楽曲データの解説が親切。
これほどまでに懇切丁寧に整理整頓してくれると、
もう文句のつけようがない。脱帽モノです。
ちなみに、1995年の時点での”改訂版”ということなので、
それ以降のストーンズのアルバムとか音源データは載ってない。
ちょうど、”Stripped ” と ”VOODOO LOUNGE CD ROM
の発売前に編集された内容。
世の中に、ようやくパソコンが普及しはじめた頃の出版物だった。
レコードとCDのデータを区別して細部に渡り詳しく書かれているので
そういう意味では貴重な一冊。
特に俺が気に入ったのは、楽曲データの豊富さは勿論のこと、
著者や編集者の余分な主観が無いというか・・・
巷の音楽雑誌によくありがちな、本人の自己満足で終るコメントや
意味の判らない評論家的記述がない。・・・パラノイアしてない。
俺のように ”ゴミの分別”が苦手な者には「持ってこい」の充実した内容・・・。
恐らくこれは、もし翻訳化されても、充分、海外にも通用する内容だと思う。
20世紀、ストーンズの”生きた証”を確認する上でも重要な一冊。
持っていて絶対に損はない。
   
   
で、2冊目。
 
  
The ROLLING STONES CD GUIDE
 藤井 貴之 主著
 寺田 正典 監修
 ザ・ローリング・ストーンズ・CDガイド
 226 p ; サイズB5版
 レコード・コレクターズ 増刊 ¥1,800(税込)
 
あくまで、”本”なんだから(…これは雑誌扱いだけど)
”読む”のと”聴く”のとでは まったく違うけど、
ここに紹介する本は、内容の一部を除いて
どれも”読み物”ではない。
データ・ブック、資料、コレクターの参考書という意味で。
で、この2冊目も著者が藤井さん。
先に紹介した TOKYO FM 出版の中では実現できなかった、
ストーンズ新旧各メンバー のソロ活動の音源とかもサポートしてくれている。
現在では廃盤になっている類いの、入手困難なモノ(CD)は
あまり紹介されてないけど(・・・そのヘンの考慮も初心者には親切・と思う)、
例えば俺のように、
ビル・ワイマンやミック・テイラーを差別(?)するようなことはしてない。
とにかく詳しく書いている。なんと、全ページ カラーで。
ストーンズの"ヘンな漫画"にも登場する、監修の寺田さん。
この人がいなければ実現されなかった一冊らしいいんだけど、
ストーンズ専門の内容で、90年と98年に出版された、
『レコード・コレクター増刊』の2冊は来日に合わせて
急いで出版されような編集で、俺にとっては、
”過去の月刊誌の焼き直し”にしか思えなかった。
本のサイズもA5版というデカさが”参考書”としては かさばる・気がした。
内容の方も、今では入手困難なLPレコード を中心に
ストーンズのアルバム紹介がなされていた。・・・時代遅れかもな。
ところが、2003年春に出版された、この『CD GUIDE 』は、
あくまで、CD時代の音源を中心に、
ストーンズのアルバム と ソロ作を判りやすく紹介してくれている。
一冊目に紹介した『大ローリング・ストーンズ事典 [ 改訂版 ] 』のように、
一曲一曲の細かなデータの記述はないものの、
正規盤でのストーンズ、ストーンズ関連、その入手可能なCDは、
ほとんどすべてカヴァーされてる。
もっとも、これも前回の来日に合わせての出版だったことには変わりないが、
今のところ究極のベスト盤、”『Forty Licks 』のサブ・ガイド”ともいうべきか・・・、
   
簡潔に、ストーンズの歴史を”音で辿る”うえでは、あの2枚組みのCDが重要。
そしてその、ストーンズの40年間の歩みを聴く上では欠かせないのが、
この『CD GUIDE 』・・・だと思う。(B5版で持ち運びにも便利です。)
但し、アルバム”Forty Licks
”以降に発売されたCDの記述はない。
”Live Licks ”とか、その頃から出た ”ソロ参加作品”とか・・・。
まぁ、その辺りはまだ最近のことなので、ネット上で検索すれば補足できる数。
   
   
さて、三冊目。
 
 

 マーティン エリオット, 渡辺 淳
 ローリング・ストーンズ レコーディング・セッション1963~1989
 295 p ; サイズB5版: 21 x 15 cm

シンコー・ミュージック ;
ISBN: 4401613333 ; (1991/07)

¥2,854 (税込)
   
これは著者が、海外のストーンズ・コレクターで研究家らしい。
日本語訳になっているので読めるには読めるんだけど、
すべて横書き。

本としては、慣れてない人には読みづらいかも知れない。
しかも、1963年から1989年までの紹介で、
この本が出版された年も91年という、
日本国内では、ストーンズのCDが輸入盤と国内盤、配給元の違いなど、
市場では、どこか、ガチャガチャにされてた時代。
・・・俺は運わるく、この時期にストーンズのCDを買い揃えていた。
街並みに古くからあった個人のCDショップでは そうでもなかったけど、
当時、レンタル屋から量販店のようなCDショップから何から、
大手のチェーン店舗展開の激化、あるいは、
”町の小金持ち野郎”のフランチャイズ店舗の乱立、価格競争で、
輸入盤も国内盤もメチャクチャに店頭に並んでた・と思う。
ストーンズなんて特に、リリース数が多いから、店によって価格もまちまち。
『巨人の星』や『あしたのジョー』のコミック全巻を
「どこの店で買えば いちばん得か、損か・・・」ってな感覚と似たようなもんで、
店頭の棚に並べて、2~3ヶ月もして売れない物は
勝手に値下げされるし、公平も不公平もない。
最近は大手も、そうでないCD販売店も割りと価格が統一されるようになった。
・・・それでもネット上はひでぇよな。
発売日の数日後にユーズド品が捌かれてる始末。
わざわざその日を狙って予約してるヤツもいる。・・・自由だけどな。
で、そんな愚痴を云ってる場合じゃぁない。
なんで、この三冊目を紹介してるのかっていうと、
まず、
ブートレグでしか聴くことができないストーンズの音源を
オフィシャル・テイクと合わせて、年代順に追っている
点。
これは非常に興味深い。
そしてそれは、この本のタイトル通り、
世の中に確実に音源として存在する、
レコーディング、ツアー、ツアー・リハーサル、個人録音など
ストーンズのあらゆるセッションの記録

その正確さについての云々は差し置いて(・・・幾つか怪しい部分もある)、
それらの日付と場所までしっかりと記述してある。
俺は、この内容を参考に、ここに書かれているブートレグの音源のうち、
ライヴのブートレグに関しては、
1976、78、81、89、95年の幾つかの主要音源のみだけど、
それ以外の、
各アルバムのレコーディング時のアウト・テイクと未発表曲、
ツアー・リハーサルでしか演ってない曲、
キース・リチャーズの個人録音音源。
そのほとんどすべてを手に入れた。(雑なCDもあるけど)
もっとも、この本に記述のない音源もまだ他にも沢山ある。
そんなのを全部おっかけてると、また40年以上かかるかも知れない。
まぁ、この本のおかげで、俺も いろいろとカネもかかったけど
そういう意味では”ブートレグの参考書”みてぇなもんで、
1989年までのストーンズの活動が ”534タイトル”で紹介されてる。
ちなみに、ライヴ音源専門で、
ブートレグ・ディスコグラフィーを扱った本も存在するけど、
そっちは、海賊盤の区別が複雑すぎて頭がパニックになる。
好きな人だけで追っかけまわせばいいだろ。(俺も含めて)
所詮、ブートレグ、海賊盤なんてもんは、ほとんどがバッタ品に近い。
そんなものを無理にコレクトしなくても
いま生きている本物の”生の演奏”の方が価値がある。
そういうことを見失わずに生きた方が
自分が偽物にならなくて済む。
そう思うよ。
参考まで。
   
   
   
で、今日の一曲。
・・・そういう海賊盤が先にバカ売れしてしまったために
慌てて正規盤がリリースされたっていう、
キース・リチャーズのアルバムがある。

Keith Richards & the X-pensive Winos
Live at the Hollywood Palladium (December 15, 1988)
   
キース・リチャーズ本人は、そんなこと気にしてなかったかも知れないけど、
レコード(CD)会社が、その評判に乗っかって一儲けしようとしたのか?
まぁ、今となってはどうでもいい。
で、本当は、ストーンズの今日の一曲ってとこなんだけど、
実は、”キース・リチャーズ、ソロ・ワーク ”コーナー の、”レゲエ特集”。
これを予告して一週間になるんだけど、
まだちょっと時間がかかりそうだ。(誰も待ってないかも知れんけど)
・・・別のコーナーで、アホな邪魔が入ったり して、他にも色々とあってな。
ま、それはそれで、こっちはこっちだ。
俺も区別・・・頭ん中、整理整頓してやってみるよ。
なんたって来日前だからな。ストーンズの。
   
そういうことで、今日はライヴ盤からのキースのレゲエ・ナンバー
 
           Too Rude ”     
 
  
  この曲をはじめて聴いたのは新宿の海賊盤屋の店内だった。
ブートレグにしては もの凄いクリアーな音だったのを覚えてる。
サウンド・ボードの音源が流出したヤツな。
・・・そん時、買わなくて正解だったけど。バカみてぇな値段だったし。
  
  
 
 Keith Richards & the X-pensive Winos
 Live at the Hollywood Palladium (December 15, 1988)