人様のWeb内覧会を見ると、いつも思います。
前世でどんな徳を積んだらそんな素敵な家が建てられるのでしょうか。
蚊取り線香や殺虫剤を散布されると具合が悪くなる私の前世は、
たぶん蚊です。
伝染病をまき散らした罪を今生で償っているのかもしれません。
引き渡し日、新居へ実家からサンダル履きで入った私達は、
無言で写真を撮りまくりました。
営業さん・設計士イーロン・現場監督バンビちゃん、この三人も無言でした。
とてもおめでたい新築の引き渡しの光景ではありません。
殺伐とした雰囲気を隠そうともせず、少しも嬉しそうでない施主を相手に三人はどういう気持ちだったのか。
さあ、そんな玄関から見ていきましょう。
玄関ドアはOEMの為、メーカー名は教えてもらえませんでした。
しかし、近隣に同じ時期に建った住友林業さんのお宅と同じシリーズのドアでした。
そちらの施主さんによるとYKKAPだそうです。
ちなみに、そちらのお宅はスマートキーです。
我が家はシリンダー錠です。
スマートキーを希望したのに、なぜか最終図面がシリンダー錠になっていて、
営業さんと言った言わないになり、我が家はシリンダー錠で引き渡しとなりました。
はい!玄関ドアからしてもうダメです。
庇が小さい倉庫の出入口玄関、雨が降っている時、傘をたたむと濡れてしまいます。
そんな状態で鞄の中から鍵を探す。
それが嫌だったからスマートキーにしたかった。
旧宅のマンションはスマートキーでした。
文明が後退しております。
玄関を開けます。
いきなりクロスに汚れがついています。
皆さまのスマホの画面が汚れているわけではございません。
これは引き渡し時の画像ではなく、その前に施主支給の照明が点かないとバンビちゃんからショートメールが入り、玄関から「呼んだー?」と声をかけた時のものです。
もう少し中に入ってみます。
ハウスメーカー持参のスリッパが放置されております。
(クロスの汚れは落としてもらいました)
左手側に収納。つまり「下駄箱」
右手奥がリビングドアになります。
クロスは全部標準。
照明はダウンライト2個。素敵なシーリングライトはございません。
人感センサーを付けました。
ちょっと間取りが解らないですね。
こうなってます。
グレーのクロスに包まれた物体は「トイレ」
我が家は「ただいま手洗い」ならぬ「ただいまトイレ」
駅を出た時に「あ、トイレに行っておけば良かった」と思ってももう遅い。
人間の尊厳と生理現象との闘いに突入しても、
自宅まで辿り着ければ、玄関開けたら2秒で便器です。
誰だよ、玄関ホールにトイレを作ったヤツは。
昨今の建売だってやりません。
やるにしたって、もう少しやりようがあると思います。
このハウスメーカーから提案された間取りはいくつかありましたが、
全ての間取りが玄関ホールにトイレがありました。
「何が何でも玄関ホールにトイレを設置する」
という強い意志を感じました。
工法制限によりリビングから離してトイレを設置するのが難しく、
あえなく玄関トイレとなりました。
やらない方がいいです。
本当にお勧めしません。
ステンドグラスを入れて、ちょっと洒落てみた所でトイレはトイレです。
「生ゴミにキャビアかけたって生ゴミなんだよ」という強火のお言葉がありますが、まさにそれです。
続きまして。
向かって左側の下駄箱ですが、最初は実家感あふれるコ字型でした。
何かと便利なコ字型。
鍵を置いたり、郵便物をちょい置きしたり、お土産の変な動物を置いたり、
気が付けば物であふれる下駄箱の上。
それもありだと思っていたのですが、とにかく収納が少ない我が家ですので、
少しでも収納力を上げる為に壁面全部タイプにしました。
結果、無駄な圧迫感が生まれました。
広い玄関なら格好いいのです。
さして広くもないので、圧を感じます。
鏡は絶対右端にあった方がいいと思うのだけど。
土間収納?
シューズクロゼット?
そんな素敵な物はありません。
ベビーカーにご縁は無いし、シルバーカーが置けるスペースはあるし、
自転車は実家に置き場所があるし、物置もヨドコウの大きなのがあるし。
だからいいの。三和土の横幅は2m弱あるから、もういいの。
強がってないもん。
それよりも。
カタログでは収納はこうなっておりました。
右のコ字型から、左のトールタイプに変更した時、
私達はカタログと同じものが付くと思ってました。
実際はこう。
ねえ、なんで?なんで?
なんでカタログと違うものが付いているの?
設計士イーロンは言いました。
「2種類あるんですよ」
聞いてませんよ!!そんな事!
2種類あるなら両方カタログに載せなさいよ!!
そうでないなら確認してくださいよ。どっちにしますかって!
傘立てを置きたくなかったのに、なんてこと。
カチンときた私は玄関で叫びました。
「もういいです!!傘立て買います!!!」
次はステンドグラスの向こう、激狭トイレです。
存在そのものが摩訶不思議。