間取り変更宣言をした私に、明らかに
「おいおいおいおい~止めてくれたまえ」と言わんばかりの顔をした営業さんは、
露伴先生とは似ても似つかないのですが、引きつった笑みを微かに浮かべて、
「いえ、今からですと・・・」とやんわり反論してきました。
ですが私は50代のファンネルを飛ばす悪役令嬢(←やや情報量が多い)
うちわを口元にあてて(展示場でもらった)
優雅に言い放ちます。
もちろん御社の事情は分かりますわ。
でも、これは私達の家の問題。
御社にとっては年間に扱う数十件の物件のうちの1件ですが、
私達にとっては一生のうちのたった1軒。
御社の事情に従うわけにはいかないのです。
そもそも間取りが決まった時点で、
建具など決める前に、蓄電池にしろ、天井高の変更にしろ、
第一種換気の換気扇の位置や計画を施主に告げるべきでは?
もっと早い段階で言われていたら、こちらも譲歩する余裕もあったと思うのです。
床の色すら思うように出来ない上に、換気扇を寝室の天井裏に設置されて
黙っている施主がいるとでも?
私のクロゼットの収納力を奪っておいて、その分の値引き対応が3万円とは、
このワタクシが納得すると?
ゼロがもう1つ多かったら、もう少し聞く耳を持ちましてよ?
新居には静かな環境を求めている私達にとって、
室内の騒音は言語道断、領地追放、お家断絶ばりに許しがたいのです。
現状の間取りで、換気扇と熱交換器の設備を納戸の上と階段の天井に集約出来ないのはなぜか?と質問した所、夫の部屋の上に作る小屋根裏がスペースを圧迫しているとの事。
およそ6畳ほどの広さがある夫の趣味部屋用の小屋根裏。
すなわち、これを縮小すれば、ここに入るのかしら?
ところがそう簡単な問題ではなく、
納戸の天井裏に集約するには、小屋根裏そのものを潰すしか無い、と。
その選択肢が一番簡単な間取り変更です。
他のハウスメーカーは、任意の場所に作る事ができた小屋根裏部屋ですが、
このハウスメーカーは、工法の制限で小屋根裏がこの場所にしか作れないのです。
小屋根裏部屋の場所が限定されている事で、間取りに非常に苦労したのです。
寝室の上に小屋根裏部屋を作ってもいいのですが、そのアプローチは、
夫の部屋からにしたい。
それが出来ない。出来ない。なお、工法(以下略)
換気扇の為に小屋根裏部屋を潰すか?
だが、夫の顔を当然曇りました。
それはそうです。夫は注文住宅に仕事部屋と趣味部屋を熱望していたのです。
でもね。
仕事をするのはあと何年?
定年したら、その部屋を趣味部屋にすれば良くない?
今のマンションだって君の部屋は1つしかないよ?
そうやさしく諭した私に夫は言いました。
「でも、僕のパトラッシュが屋根裏部屋が欲しいと言っているんだ」
ああ、ハイジの部屋みたいなね。
だから!
パトラッシュは居ない!
そもそもなんで犬なのさ!
この家は猫ファーストで設計してるのでは?!
夫「ヨリコさん、何を言っているんだい?
パトラッシュは犬じゃなくて猫だ!!」
あ、そういう設定なんだ。
ちがう、そうじゃない!
ほとんどの日本人にとってパトラッシュは猫じゃなくて犬!
猫じゃない!
犬!!!