5月31日


大宮アルディージャ2-0アビスパ福岡



90分清水(大宮)、93分ムルジャ(大宮)、






大宮戦は
アビスパが相手に攻めさせて
前後半で形を変えて上手く守りながら
カウンターを狙っていましたが
家長を中心とした大宮のボール回しが
それを上回った試合だったと言えます。



アビスパは前半5-4-1のシステムで
DFラインを下げて守り
完全にポゼッションを大宮に渡して
攻めさせてカウンターを狙う
戦い方を選択します。



アビスパの失点が少ない理由は
パスをつながないので
ミスからのカウンターを受けない事と
守備に人数を掛けて
相手が攻撃で使いたいスペースを
空間的に消しているためです。



攻撃で相手に使われたくないスペースは
中央のスペースです。

何故ならゴールは中央にしか無いので
サイドから直接ゴールが決まる事は
ありません。

そのためサイドでボールを持たれても
必ずボールは中央に帰って来ます。

つまり中央を使わせなければ
ゴールを奪われる事はないのです。

アビスパは人数を掛けて
スペースを消していますが
集中して中央のスペースをケアしています。


守備の時に2シャドーがサイドに
落ちて来て
WBと4枚で両サイドを守ります。

そのため中央の選手が
サイドに流れる事が少なく
ボランチ2枚と
3バック3枚の合わせて5枚で
中央のスペースを消せるのです。

パスカットに優れたボランチ2人と
高さがありロングボールの放り込みなど
前に滅法強い3バックが
中央から動かないので

相手は中央でパスをつなげないですし
ロングボールを放り込んでも
跳ね返されてしまいます。

またゴール前にDFが3枚いるので
ボランチが思い切って前に出て
パスカットに行けるのです。

その代わりボールを奪った時に
FW1人しかいないので
スムーズに攻撃に移れない欠点のあります。



そんなアビスパの中央を使うために
大宮は工夫して攻撃してきました。


まずプレスが掛からないDFラインで
ボールを素早く回し
サイドチェンジを繰り返して
アビスパの中盤のスライドが甘くなった所で

WBの内側、DFの前、
ボランチの裏に当たる
5-4-1の中でスポット的に
空いているスペースに

トップ下の家長が流れて来て
左SB和田、左SH泉澤、
ボランチ横山とカルリーニョスから
ボールを受けます。

アビスパはボランチが積極的に前に出て
こぼれ球を拾ったり
パスコースを切ったり
パスカットを狙えるように
ボランチの裏は
DFが前に出てカバーします。

WBはサイドを守る役割があるので
中央にDFがいる時には
中に絞っては来ません。

FWが下りて足下で受けた時には
DFが思い切って寄せに行けますが
家長のように別の場所から動き出して
ボールを受ける瞬間にそのスポットで
受けられると対応が遅れます。



,,,,,中原貴之   

,,,,,,,,,,,,,城後  
,,,鈴木惇,,末吉  
,,,,,,,,,家長,,,←北斗
,,,,,,,,,,↑前に出る裏使われる
,堤,,,濱田,,グァンソン  
,,↘,,,,↘,,,,,泉澤
,後ろ向きで守備,,,,,,↓




この試合ではアビスパの右サイドである
北斗の内側、グァンソンの前、末吉の裏で
家長が受けてグァンソンを前に釣り出し
中央のゴール前にスペースを作り
北斗の意識も中央に向いた所で

右サイド裏にフリーランニングやワンツーで
泉澤が入って行くと言う攻撃を
執拗に繰り返していました。


グァンソンが空けたスペースを埋めるため
濱田が右に出て来て
濱田が空けたスペースを埋めるため
堤が左からニアに出て来て
逆サイドのWB亀川が中央に絞って来る
対応をしていましたが

この時点でDFグァンソンと濱田が
ゴール前から釣り出され
堤と亀川もスライドしながらなので
マークが甘くなり

泉澤や播戸、家長、カルリーニョスの
クロスに対して
逆サイドから飛び込んで来る
右SH横谷がフリーで合わせる場面が
何度かありました。


家長がスポットで受けて
右サイド裏にスペースを作り
泉澤とカルリーニョスがそこを使い
ゴール前に播戸や横谷が飛び込む

ほぼ同じ形で何度もチャンスを
作られていました。



大宮の華麗なパス回しのポイントは
DFラインに守備に不安があっても
足元の上手い選手を並べている事と

なんと言っても
JリーグNo.1の足元の技術を持つ家長が
いる事です。


大宮のDFラインの
素早いサイドチェンジがあるために
5バックは5枚でスライドが不要ですが
中盤は4枚なのでスライドが必要になり
どうしてもサイドチェンジを繰り返されると
隙間が出来てしまい
スポットへのパスコースが
空いてしまいます。

そのスポットで受けるのが
以前アビスパに在籍した
アルビレックス新潟の成岡や
ベガルタ仙台の金久保を
遥かに超えるキープ力を持つ
家長です。

スポットのような狭いスペースでも
グァンソンに後ろから当たられても
平然とキープして見せ
動き出しの質も高く
尚かつキープ力の高い選手にありがちな
判断の遅れによるボールの持ち過ぎも
ありません。

周りもよく見えていて味方をシンプルに使い
大宮の起点となっていました。

泉澤、家長、播戸、和田、カルリーニョスが
代わる代わる左サイドに出て来て
アビスパの中央の5枚を引き付け
中央から釣り出して攻撃して
たまにサイドチェンジから右サイド裏を
右SB渡部がフリーランニングで狙う
ピッチを広く使う
正統派のポゼッションスタイルと言えます。


しかし、トップ下の家長が下りて来て
ボランチのカルリーニョスと横山が
ゴール前に飛び出して行かないので
ゴール前にFW播戸しかいない
逆サイドの右SH横谷が飛び込んで来ても
2枚なのでゴール前の人数が足りず

そのため
アビスパは大宮にサイドチェンジで
振り回され
さらに決定機を何度も作られながらも
DFの粘り強いブロックや
GK神山の好セーブなどで
なんとか前半は無失点に抑えます。




後半は
大宮に自由にボールを回され過ぎた部分で
修正が入り
DFラインを上げて前半より
かなり前からプレスを掛け始めます。

それによって大宮に前半無かったパスミスが
出始めて
スポットで家長が受ける場面が無くなり
パスカットからアビスパがカウンターを
仕掛ける機会が逆に増えて
後半は前半と変わりアビスパがボールを
持つ時間が多くなりました。

アビスパは前半はDFラインを下げて
スペースを消す戦い方で
後半は前からプレスを掛けて
ボールを奪いショートカウンターを狙う
戦い方を仕掛けます。

しかし、気温32℃の夕方のゲームで
前半は大宮にボールを回されて走らされ
さらに後半はプレスで走り
アビスパにはボールを奪っても
攻撃のために前に出て行く推進力が
残っていませんでした。

後半の早い時間に
大宮のDFラインに前半ボールを動かされて
相当疲れていた中原貴之や
右サイドを使われ守備で戻っていた
城後に代えて
金森や坂田を投入するべきだったと
思います。



大宮はアビスパがプレスに来た事で
パスミスが増えてピンチを招いた事もあり
62分にムルジャが入ってからは
パスをつなぐのを止めて
前からプレスを掛けるために高く上げた
アビスパのDFラインの裏を
ロングボールでシンプルに狙ってきました。


結局大宮の90分の先制点の場面も
こぼれ球をカルリーニョスが拾ってから
右SH渡邉が起点となり家長にパス
家長から右サイド裏を狙ったムルジャに
ロングボールが出て
FWムルジャがドリブルでタテに運び
DFラインとGKの間に
低く速いクロスを送り

それを左SH清水が
ムルジャのドリブルの時に
1度グァンソンの裏に入り
クロスのタイミングで
グァンソンの前に出て来てGK神山の前で
合わせてゴールを決めます。

大宮は82分までに3枚代えて
フレッシュな渡邉、ムルジャ、清水が
スピードと運動量でアビスパのDFを上回り
決勝点を奪いました。



アビスパは前半大宮にボールを回され
守備で体力を削られたのと
システム的に4バックと5バックなので
サイドチェンジすれば
逆サイドでWBがフリーになる事を
あまり活かせなかった事と
得意のセットプレーを獲得するような
攻撃陣の仕掛けが少なかった事が敗因と
言えます。

坂田のスピードや金森のドリブルは
疲れた大宮のDFにとって
難しい存在になったはずです。












5月24日


アビスパ福岡1-3カマタマーレ讃岐



49分沼田(讃岐)、72分沼田(讃岐)、

92分鈴木惇(福岡)、94分仲間(讃岐)、




讃岐戦は
引いてポゼッションを放棄した相手に対して
ボールを持ったアビスパが崩しきれず
少ないチャンスを決められて
完敗した試合でした。

讃岐はDFラインを極端に下げて
プレスは掛けずブロックを自陣深くに作り
攻撃では1トップのアンドレアに
ロングボールを放り込むだけで
パスをつなぐ意志は無く
アビスパにボールを持たせて
カウンターを狙いつつ
自分達はカウンターを受けないようにする
戦い方です。


アビスパは圧倒的にボールを持って
押し込みますがチャンスは作れず
逆に讃岐のターゲットも明確で
単純なロングボール頼みの攻撃で
アンドレアの競り合いの強さとスピードに
DF陣が苦戦して
ピンチはありませんがキープされて
波状攻撃を仕掛けられません。

アンドレアに対してはアビスパのDFが
少し神経質になり過ぎていたかも
しれません。

確かに当たりに強く速さもあり
リーチも長いので
ロングボールに対するキープ力は
素晴らしいですが

あれだけ圧倒的な
フィジカル能力を持ちながら
今季まだ得点が無いと言う事は
得点やチャンスメイクで
力を発揮出来る選手ではないと言う事です。

あれでチャンスに絡めるなら
J1でプレーしているでしょう。

堤がもっと左サイドを上がって
45+1分のように
堤のクロスから
ファーの中原貴之が左SB小澤の後ろから
ヘディングで合わせて
惜しくもバーに当たったプレーを
たくさん作り出していれば
結果も変わったかもしれません。


試合展開としてはアビスパがボールを持って
サイドチェンジをしながら
讃岐を押し込みますが
ブロックを崩せないと言う展開が
90分続きます。


讃岐は4-1-4-1のシステムで
アビスパは中央のアンカー山本の脇の
スペースを使おうとしますが
そこは左右のSB武田と小澤が
前に出て潰しに来るので
なかなか上手くいきません。

また攻撃が中央に偏り讃岐にとっては
守り易い状態だったと言えます。



基本的に引いた相手を崩すには
相手のゴール近くから攻撃を始められる
相手のゴール前に人数を掛けられる
と言う部分を活かした4つの方法が
有効です。

①サイドチェンジからの
速くて低いアーリークロス

中の選手にピッタリ合わなくても
相手のクリアミスなどから
エリア内でこぼれ球になるような
状況を作ります。


②ドリブルやワンツーなどの仕掛け

相手が引いているために
仕掛けて1人かわせばエリア内なので
シュートまで行けばチャンスになりますし
ファウルを誘ってFKを得る目的も
あります。



③ミドルシュート

サイドチェンジしたあとなら
中央でボランチかDFが
余裕を持ってボールを持てるので
強くて精度の高いシュートを打てますし
直接入らなくても誰かに当たって
コースが変わったり
エリア内でこぼれ球になれば
そこで相手より早く詰めていれば
チャンスになります。


④工夫したセットプレー

引いて守るチームは大抵
高さに自信があるので
変化を付けて目先を変えて
相手をボールウォッチャーにして
相手の足を止めるプレーが必要です。



前半はアビスパは①~④を実行出来ず
1回サイドチェンジしては
タテのパスコースを探って諦め
またゆっくりサイドチェンジする事を
繰り返していて
ボールを持っている時間は長かったですが
攻撃を仕掛けている時間は少なかったと
言えます。


讃岐戦はWBの北斗や亀川が
高い位置でボールを持つ機会は
多くありましたが
クロス自体が少なかったですし

亀川以外がドリブルで仕掛ける場面も
ありませんでした。

末吉が得意のミドルシュートを打つ機会も
普段の試合より少なかったですし

左右に何度か揺さぶるセットプレーも
ありませんでした。

基本的に引いてゴール前を固めている
相手から得点するのは難しく
①~④のプレーを
辛抱強く続けていくしかありません。



その中でクロスも
漠然とゴール前に上げるのではなく
速いクロスをニアで逸らして
コースを相手の目先で変えて混乱させたり

例えば右から上げたクロスを
相手のCBを外して左サイドのファーに送り
そこでまた逆の右サイドまで折り返し
それを今度は中央に低く折り返して

左右に振られて相手の足が止まって
反応が遅れている所で
後ろからボランチや
1度エリアから離れたFWが動き直して
再びエリア内に入って来て
中央に折り返したボールに合わせるような

まず相手の足を止めるプレーを入れて
サイドからのボールに中の選手が合わせる
工夫したプレーが流れやセットプレーから
出てくれば
得点の可能性は高くなります。

昨年アウェイで当時引き分けも無く
連勝中だった湘南ベルマーレに
試合終了直前まで無失点で抑えながら
現在は群馬にいる吉濱に
決勝点を決められた場面がこのプレーで
左サイドで1度折り返したボールを
右サイドでボランチ永木がヘディングで
中央に落として
そこに吉濱が入って来て
自分の足元にボールが来ましたが
少し離れるまでタメてから
ターンしながら左足でシュートを決めた
場面です。

吉濱がフリーになっていたのも
タメている間に寄せられなかったのも
アビスパの選手がボールウォッチャーになり
足が止まっていたからです。

この時は辛抱強く守りを固めた
アビスパのゴールを
辛抱強く攻め続けた湘南が
最後はこじ開けた場面でした。

讃岐戦ではアビスパが辛抱強く
何度も工夫してクロスを上げて
サイドから仕掛け続け
とにかくゴール前の場面を増やす
努力をしていたとは言えません。

辛抱強く守っている相手から得点するには
辛抱強くゴール前のプレーを
工夫して作り続けるしかないのです。



足元のパスを崩したいなら
コンビネーションが必要でしょう。

山本の脇で中原貴之が受けると
相手のSBが前に出て来るのであれば
SBが出て来て空いた
サイドの裏のスペースに
城後や金森が動き出して
中原貴之からワンタッチでそこにパスを出す
攻撃や

グァンソンや堤が高い位置で持つと
讃岐のSH沼田と仲間が時々寄せて来るので
その裏のSHとSBの間のスペースで
WBの北斗や亀川が受けて
そこに讃岐のSBが食い付いて来るなら
そのSBの裏に金森や城後が動き出して
ボールを受ければいいのです。

北斗や亀川が讃岐のSHの裏で
ボールを受けるなら
タテを切りながら寄せる讃岐のSHの影から
少し中央に顔を出してあげる必要が
ありますし
真裏で受けるならDFからボランチ
堤から鈴木惇経由で亀川に出しても
いいのです。

もっと単純に中原貴之がバイタルで受けて
鈴木惇にワンタッチで落として
中原貴之がCBエブソンを
釣り出して空けたスペースに
城後や金森が斜めに走り込んで
鈴木惇からそこにワンタッチで
パスを出しても良かったと思います。

讃岐は山本をアンカーに置いて
危険なバイタルのスペースをケアして
いますが
後ろから自分の脇のスペースに
相手選手が入ってくれば
山本は対応出来ません。

山本の脇のスペースをカバーするために
讃岐のDFラインの選手は
前への意識は強いので
それを利用する攻撃が必要でした。


ここまで挙げた足元のコンビネーションを
行うには讃岐のボランチ永田と綱田が
山本の脇やSHとSBの間などを
狙う際にパスコース上にいて
邪魔になりますが
素早いサイドチェンジをしたあとなら
2人のポジショニング
つまりスライドが間に合わず
コースが空きます。

讃岐のシステムはそれぞれの弱点になる
コースに味方選手が立っていて
カバーしている隙の無いシステムですが
それを崩さないために前に出て
プレスを掛ける事は出来ません。

プレスが無いならボランチとDFラインが
余裕を持ってボールを持てるので
讃岐のブロックは空間的な隙は無いですが
その時間的な隙を突いて
1人飛ばしながら素早くサイドチェンジを
繰り返してポジショニングミスを誘い
辛抱強くブロックをこじ開けるしか
ありません。

そのためには多くの選手が同じ絵を描いて
連動して動き出す必要があり
トレーニングから繰り返し
イメージを植え付けて行くしかありません。




因みに49分の讃岐の先制点は
カウンターではなく
同じく組織的なアビスパの守備を
讃岐が崩して挙げた得点です。

左CB岡村がボールを持っている時に
スルスルと左SB小澤が上がって行き
北斗の裏で岡村からボールを受けます。

キープしたあと左SH仲間に落として
仲間を城後とグァンソンで囲み奪いますが
こぼれ球が山本に渡ってしまいます。

讃岐の左サイドにアビスパが引き付けられた
そのタイミングで右SH沼田が斜めの動きで
右サイドから中央のエリア内に入って来て
山本からのゴールへ向かうタテのクロスを
沼田が亀川を手で抑えながら
ニアでヘディングでコースを変えて
ゴールします。

ゴールに向かって来るボールを
直前でコースを変えられたGK神山は
反応が難しいですし
良いコースに飛んだ事もあり
さらにセーブするのは難しくなりました。

あの場面ならヘディングで後ろに逸らす
ヘディングシュートを1番警戒しているので
出来れば亀川がしっかりと競り合って
最低でも沼田に
頭を捻ってコースを変えるような自由を
与えないようにするべきでした。



長い距離をフリーランニングする攻撃は
組織的な守備をしている相手には有効です。

小澤のフリーランニングと
沼田の斜めのフリーランニングは
捕まえづらく
左サイドでキープして
その間に沼田が斜めの動きで
エリア内に入って行く攻撃は
讃岐の得意なパターンです。

この試合中も何度も繰り返していました。

自分達が組織的な守備を行っているので
何をされたら対応が難しいか
よく分かっているのだと思います。

アビスパも
例えば堤が亀川と金森を追い越して
左サイド裏で濱田からボールを受けたり
中原貴之の裏から城後や金森が
斜めの動きで讃岐のDFラインの裏を狙い
アビスパのボランチやDFラインから
ロングボールで合わせる攻撃も
もっと試してよかったのかもしれません。

ブロックを作っている相手には
ダイアゴナルと呼ばれる
斜めのフリーランニングはとても有効です。




岡山戦と同じく前の選手が
前に張り付いていて
ビルドアップするために
受けに下りて来て欲しい後ろの選手と
バラバラになり
ますますパスがつながりません。


讃岐のプレスを掛けて来ない
ゆっくり持たせてくれるペースに
アビスパも合わせてしまい
なんとなくより良い選択肢を探しては
サイドを変える事を繰り返し
時間が過ぎていきました。


可能性があったのは
亀川のドリブルと
鈴木惇のワンタッチのタテパス
金森の中央で受けてからのターン
だけでした。



後半からはサイドを使って攻撃するように
指示が出ますが攻撃が中央に集まり機能せず
60分に酒井と阿部の2人を投入して
サイドの活性化を図りますが
上手くいきません。

酒井は左サイドの裏を狙った動き出しを
繰り返しますが
味方が意図を理解していないために
パスが出て来ないので
しばらくすると酒井の動き出しも
無くなります。

82分に中原貴之に代わって森村が
入ったあとは
グァンソンがFWの位置に入りますが
高さを有効に使えませんでした。

グァンソンがファーに流れたり
中盤に下りて来て
CBエブソンを釣り出せば藤井がいないので
讃岐のエリア内に高さは無くなり
もっとチャンスは生まれたはずです。

そこで酒井や城後が合わせる形も
あったと思います。

しかしそれ以前に相手を押し込んで
いるにもかかわらずクロスが少なく

エブソンを外してハイボールで
エリア内でこぼれ球を作れば
組織的な守備も何もありません。



また讃岐は4枚でサイドを守るので
サイドチェンジには
必ずスライドしなければならず
もっと素早くサイドチェンジを繰り返して
讃岐の体力を奪うようなプレーがあれば
展開も変わった可能性があります。

暑い夏場には有効な
相手を崩すサイドチェンジではなく
相手の体力を削るサイドチェンジです。






相手がボールを持たない戦い方は
栃木SCと岡山と3試合続けてとなり
栃木と岡山はDFラインを上げて
前からプレスを掛けて来て
ボールを持ったアビスパが
プレスをどうやってかわすのかが問われた
試合でしたが

讃岐戦は相手がプレスを掛けて来ないので
単純に引かれた相手をどうやって崩すかが
問われた試合になりました。


アビスパは連勝中はボールを相手に持たせて
自分達が引いてブロックを形成して
カウンターを狙う戦い方をしていましたが
栃木、岡山、讃岐の3試合では
ボールを持って戦う事を選びます。


栃木戦と岡山戦は相手のプレスをかわせず
ビルドアップ出来ないだけでなく
パスミスからカウンターを受けて
苦戦して
讃岐戦では引いた相手を崩せず
カウンターからピンチを招いて苦戦します。

とにかく失点しない事を考えた戦い方から
得点を奪って勝ち点3を奪う戦い方に
移行していますが
スムーズにはいっていません。

戦い方を変えた3試合は1勝1分1敗ですが
内容は全て苦戦しています。

相手がボールを持たず
ロングボールを蹴り合った岐阜戦を加えると
1勝2分1敗となり
相手がボールを持って攻めて来てくれないと
結果を出せない状況にあると言えます。


讃岐はどのチームも苦しんでいますが
栃木と岡山は前からボールを奪いに
守備で前に出て来てくれるので
もう少し上手く戦えないと
これから先は苦しくなっていきます。

















5月17日



アビスパ福岡1-0ファジアーノ岡山



65分濱田、





岡山戦は守備に重点を置いたチーム同士の
慎重で堅い試合になりましたが
劣勢ながらアビスパがセットプレーから
ワンチャンスを得点につなげて
何とか勝ち点3を獲得しました。


岡山はDFラインを上げて
前からプレスを掛けて
ロングボールを多用する戦い方で

アビスパは自陣に下がってブロックを敷き
相手にある程度自由にボールを持たせ
奪うとDFラインからビルドアップする
戦い方です。


アビスパは栃木SC戦と同じく
チームのレベルアップのために
挑戦していました。

守備はある程度形になってきたので
今度は攻撃をロングボールに頼る
得点の可能性の少ないものではなく
パスをつなぐ多彩な攻撃に挑みます。

負けない戦い方ではなく
勝ち続ける戦い方に移行するために
DFラインからビルドアップして
相手を崩す攻撃の構築です。

しかし
そのDFラインからのビルドアップが
岡山の前からのプレスに
ハマってしまい
栃木戦と同様に苦しみます。


前半から何度も岡山にパスカットされて
カウンターを受けますが
岡山のつなぎの精度の問題で
ピンチには至りません。

岡山は自由にボールを持てるDFラインから
ロングボールを多用して裏を狙ってきます。

CB岩政と右DF久木田から
精度の高いフィードが出て
FW片山、シャドー矢島が裏を狙い
アビスパのDFラインが少し下がった所で

下がったDFラインと
前でパスコースを切っている
ボランチの後ろのスペースで
技術が高くキープ力のある矢島が受けて
少しずつアビスパのゴールに近付きますが
アシストの部分とエリア内の人数が足りず
チャンスにつながりません。


アビスパはDFラインからつなぐには
WBと前の3人のポジションが高く
後ろの人数が少ないので
3バックが岡山の1トップ2シャドーに
数的同数でプレスを掛けられて慌ててしまい
余裕を失います。

そのためDFラインの選手が
アビスパの前の選手の動き出しが
見えていないので
パスをつなぐことが出来ません。

後ろの選手はビルドアップを狙い
前の3人は
DFラインが動き出しを見てくれないので
パスをつなぐのを諦めて
ロングボールを待っているのですが
プレスに追い込まれてからの
クリアのようなボールしかきません。


普段アビスパの武器になっている
中原貴之のヘディングは
岡山のCB岩政が高さに強いので
そこを避けてサイドで競り合う形になり
タッチラインを割る事が多く
いつものように中央でこぼれ球を作り
ボランチの末吉と鈴木惇が高い位置で拾う
形が作れませんでした。

岡山に激しいプレスを掛けられていて
なおかつ味方のサポートが無い
アビスパのDFラインが
パスをつなぐのは難しいので

前の選手が下りてサポートに来るか
ビルドアップを諦めて
プレスのために高く上げている
岡山のDFラインの裏を
ロングボールで狙うのか
チームとして統一する必要がありますが
ハッキリしないまま前半を終えます。


後半になるとアビスパの前の選手が
下りて来てサポートに入り
またハーフタイムでも
中盤をつないでサイドを使う指示があり
取り敢えずビルドアップで統一されました。

しかし、岡山の陣形がコンパクトで
中盤にスペースが無く
上手くビルドアップする事が出来ません。

元々ビルドアップが
得意なチームではないので
1度ロングボールで裏を使って
岡山の陣形を広げてから中盤を使う方が
無難だったと思います。

アビスパは最後まで
セットプレーと
岡山のパスミスからのカウンターと
ロングボールが偶然つながった時以外は
チャンスを作れませんでした。



アビスパは勝ち続ける戦い方に挑戦して
栃木SC戦と同じくプレスに苦戦して
内容では負けていました。


もう少しバランス良く
細かいパスとロングボールを組み合わせて
攻撃出来ると試合内容も改善するでしょう。


今はつなげたのにロングボールを入れて
簡単に失いリズムを崩したり
相手が前掛かりでプレスを掛けて来ていて
余裕が無いのに
無理にビルドアップを選択して
パスカットされてカウンターを受ける
形が続いています。

また前の選手と後ろの選手の判断が
バラバラな時が多いので

パスをつなぐ時と
ロングボールを使う時の
チームとしての使い分けの判断が
当面の課題です。




後半は守備の部分で
ボランチの裏を矢島に使われていたのを
末吉をアンカーに置いて
5-1-2-2と言う
縦に長いシステムになり

ボランチの後ろ
DFの前
WBの内側の問題のスペースに
末吉が普段の仕事の
パスコース限定やパスカットから離れて
そのスペースを集中的にケアする形になり
改善されましたが

縦に細長いシステムなので
岡山にサイドチェンジされたら
すぐピンチになっていたはずです。

しかし岡山はタテにボールを運ぶ
意識は高いチームですが
ピッチを幅広く使って
ボールを回すチームではないので
空いている逆サイドを使われる事は
ありませんでした。


後半も岡山が優勢でしたが
アビスパがセットプレーから得点した事で
岡山の攻撃がよりタテに偏って単調になり
さらに70分に矢島が交代して退くと
起点を失い疲れもあってパスミスが
目立ち始め攻撃の形が崩れていき
アビスパが1点を守り切り勝利しました。


攻撃では
アビスパは金森を
もっと有効に使うべきでしょう。


金森はボールを良い状態で受ける動きや
ボールを持ち過ぎる所に
課題はありますが
その代わり苦しい状況でもキープして
失わないどころか
相手を1人かわせる技術があるので

後ろ向きで狭いスペースであっても
1度金森の足下にパスを出してあげて
それでダメなら他を試すと言うくらい
割り切って金森の能力を使うべきです。






岡山戦ではアビスパが勝利した事も
大きいですが
FBS制作のスカパー!の中継の質が
改善された事も嬉しい出来事です。

FBSは全国高校サッカー選手権の
ノウハウで中継していたので
ストレスがありました。

長いリーグ戦のサッカーをの試合を
見せるのではなく
全国高校サッカー選手権の
1発勝負のトーナメントで巻き起こる
人間ドラマを見せる中継です。

選手権だと選手が入れ替わるので
選手のプレーと関係ない情報も細かく伝え
誰のエピソードか分かりやすいように
選手のエピソードを伝える時には
プレー中でもその選手をアップにします。

エピソードを積み重ねて
結果が出る90分が終わる頃には
勝敗と合わせて
1本のドラマになる手法です。


中心にあるのは普段サッカーを見ない人でも
共感出来る人間ドラマであって
サッカーの試合ではないので

無料で見られる地上波で放送される
選手権には向いていますが
有料のスカパー!で
Jリーグの長いリーグ戦を見ている
サッカーファンには合っていませんでした。

昨年まで中継を担当していたTNCが
試合中心で制作していて
実況を担当されていた南アナウンサーが
スタジアムの臨場感を伝える事を
とても大事にされていたので
サッカーファンにとっては
理想の中継チームだったと思います。

しかし今年の中継チームも
岡山戦では選手のエピソードが大幅に減り
プレー中の選手のアップも少なくなって
実況も選手の名前をテンポ良く伝えようと
努力していたので
今年のアビスパと同じく
今後に期待出来そうです。