ーバケツ

The Benjaminというバンドは一応全員ボーカルという編成になっていて、
曲を作った時点で指定がある場合を除いては作曲した人間がその曲のメインボーカルを務める事になっています。

ボクは曲を作るのが大好きなので、ほおっておけばどんどん曲を作っていってしまうのでメインボーカル曲が増えてしまう。
メインボーカルをするのは嫌じゃないけど“全員ボーカル”を謳っている以上はもっとバラエティに見せたいよね。

ってところでツブクはさすが。

今回はとても意欲的に曲をたくさん作ってきました。

この『バケツ』という曲は比較的後の時期に出てきたんだけど、
まずイントロのリフ?テーマ?が潔くてカッコよくて、その後に続くメロディの良さ、
歌詞のテーマ性もよくて、ボクもすぐにお気に入りになりました。

“雨”がテーマで、仮タイトルは『ブレラ』。
タイトルになんとなく馴染みがないのと単語として成立しきれてないのがひっかかったのでツブクと一緒にアレコレと考え、
結果“バケツをひっくり返したような雨”という表現から『バケツ』に。
うん、可愛いね!こんなタイトルの曲、いままで世の中にないでしょう。

アレンジに関してはツブクがデモで作ってきたモノを基礎にボクが詰めた感じ。
といっても元々よくできていたので方向性としては歌を綺麗に響かせるために音数をシェイプさせる?みたいな?

基本ギターポップな仕上がりを見せているけど、箇所箇所でサーフロックなテイストをみせたりね。

あ!特筆すべきはサビのギターなんだけど、ここの琢磨パートは琢磨自身が考えてきて、すごく良いフレーズだと思う。
そうそう!こうしたかったんだよ!みたいのを琢磨がしっかりと形にしてくれた。

レコーディングでは、ボクのギターの音作りに苦労したな。
イメージはあるんだけどなかなか作れない。
琢磨とボク、二本のギターともそんなに歪ませないというのは決めていたんだけど、それはそれでぶつかり合っちゃって互いに抜けてこない。
アレコレと試行錯誤して結果、枯れ男(ストラト)とFender Dual Showman直という単純な組み合わせで素直に出ました。気持ちいい!
ピッキングのニュアンスがすごく出るセッティングだったのでBメロの刻みの強弱がよく出てます。

そしてそして、歌モノ曲として攻めていくと思いきや
間奏からなかなか渋いグルーブの中でのベースソロ→ギターソロが続きます。
このギターソロはボクが弾いているんだけどオクターブファズで弾いてます。
最後、音の残し方にちょっと悩んだけどスパッとキモチ良か。

ツブク自身はネガティブな曲だと言っているけど
ボクの中ではこの曲は夏の夕立に無抵抗に濡れる気持ち良さが感じれます。

とにかく佳曲であります。


次曲に続く。


ミネムラ