―モトカレ(アパレル編)


花少年バディーズというバンドをやっていて何が楽しいって
もちろん歌が良かったり、
ハピネスを真っ正面で歌っていたり、
というのもあるけど

いろんなジャンルの音楽に挑戦できる

っていうのがあります。


今までもサンバをやったり、R&Rやったりさ、
要素を取り入れるとかじゃなくて
“そのものズバリをやる”っていうのが狙いだから
そのジャンルがどういうアレンジでどういうコード進行でどういう楽器を使っていてどういうサウンドを作っているのか?
を調べるところでから始める。
それが非常に楽しい。
ジャンルしばりのないバンドの特権だったり。


さて、『Bicycle』をシングルにすると決まった後、
当然ですがカップリング曲が必要だと考える。

すでにアルバム曲はアルバム曲としてのラインナップがほぼ揃ってきているのでここで切り売りしたくないなぁと。

どんな曲作ろうかなぁ?なんて考えながらコンビニに立ち寄ると
店内の有線かな?フォークソングが流れてきた。
ちょっと詳しい曲名は忘れたけどたぶんイルカだと思う。

ああ、フォークソングっていいなぁ。

ボクにとっても日本のフォークソング全盛期はさすがにモノゴコロがつく前の流行で
リアルタイムは知らないけど学生の頃に懐メロとして何曲かコピーした事がある。

その分、その生々しいサウンドの難しさも想像ができたんだけど
もしかしたら今ならできるかも?なんて。

歌詞は?テーマは?どうしようか?

アルバム用に『モトカレは美容師』と仮題をつけた曲がすでに完成していて、
ちょうどその頃その曲の歌詞の表現が気に入っていたのもあり、

他の職業のバージョンなんてどうだろう?

で、思いついたのが“アパレル関係に勤めているモトカレ”設定。

なんで美容師なの?アパレルなの?って質問されたら…なんとなくなんだけど
女子が好みそうな職業?想像しやすいかな?ってくらい。

ただフォークソングの歌詞って社会風刺や嘆きが多いんだけど、
まあ、ある意味現代社会においては恋愛ゴトが深刻なそれにあたる事柄だったりするのかな?って。
つーか、たしかにストーリー性はあるんだけど
その実、言葉遊びに近かったりするんだけどね。


ここまで基本軸が固まれば後は形にするだけです。


フォークソングの“美味しい部分”を徹底的に調べました。


コード進行は学生時代に染み込んだパターンを活かし、さらにメロディに対してオンコードを綺麗に使って。

メロディはどこかで聞いた事ある?ってのがミソで
いろんな名曲のメロディがごちゃまぜに織り込まれているのがオモロなのです。
乱暴なボキャブラリーでパクリなんて言っちゃいけないよ。
これこそが正真正銘オマージュなんだ。

いちばん大変だったのが構成ごとに変わっていくアレンジを作る事。
こういうフォークソングってAメロAメロサビ×3回みたいな構成が多くて
テンポがゆっくりだから聴いているうちに飽きてきそうなものなのに
そこらへん、昔の作家さんのアレンジってよくできてるんだよね。
注意して聴かないと気がつかないようなドラマチックな展開が作り込まれている。
ほんと感心するよ。勉強になった。

レコーディングはほぼギター隊の精神世界に追い込まれるほどに
神経を使うプレイが要求され、
これまた昔の人たちってこういうのをスラスラーっと一発録りでこなしていったんだからすごいよなーと感心しながら
ボクらもまだまだ向上しなきゃな事が多いなと勉強になった。

歌もまた同様かな。
ディレクションするボクも貘と一緒に呼吸使ってもんね。

使用ギターはアルペジオがMartin D-28、ストロークがGibson J-45
ブルージーな単音プレイはストラト枯れ男です。
これらのギター本来の音の良さが反映された曲かも知れない。

曲の本当に最後の方に入ってくるのベースはアップライト。

うーん、バディーズなりのフォークソングを作るのに凝りに凝った。
なかなか良い感じに仕上がってかなり満足です。


完成されてく内に、
これって夏に納涼にちょうどいいのかも?って思った。

今日、北海道のインストアでも初お披露目したけど
今回は音が出せる場所であればいろんなインストアでこの曲を演奏しようと思ってます。

こういう生々しい音って本当に生で聴くとより生々しさを感じられて
わりと感動しますよ。

インストアではインストア用のアレンジもされてあって
音源では空気だった広志も大活躍します。お楽しみに!








笑っちまふよな
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