本日は花少年バディーズの通算6枚目、活動再開して初のシングル『Bicycle』の発売日です。

毎度の事ながらリリース記念として
作曲者からのあくまで“主観的”なガイドをつらつらと書かせてもらいますー。

すでにいろんな媒体のインタビューで曲に関して語らせてもらっておりますが
このブログではさらに詳しく、
できるだけ重複しない事を書けたらなと思ってたりもします。

では各曲の紹介。


ーBicycle


このバンドで活動して3年。

もっと言ったらこの5人で活動し始めてからかなりの年月が経ちますが
1曲をライブで初披露してから音源化するまでに約1年もの期間をもうけたのは初めての経験です。

昨年のツアーではすでに『Boys ride Bicycle-幸福の十六文キック-』というタイトルもつけ、
普通ならばそのツアーに先駆けリリースするのが普通?なんでしょう。

ですがボクらはその時点でレコーディングを一旦終わらせておきながらリリースせずに
約1年という時間の間ライブでのみあたためてきたこの曲。

どうして一旦はレコーディングしてあったのにその時にリリースしなかったのか?

その理由は特になく、
この曲を作る事もレコーディングする事も
全ては先にリリースを予定しているフルアルバム『Bible』の“ストック”に過ぎなかった。

レコーディングの時期としてはカヴァーアルバム『Crush2』の『蜘蛛の意図』をレコーディングした時に一緒に録ったのだけど
どうせスタジオを借りてエンジニアも用意するんだから1曲だけレコーディングするのはもったいないからもう1曲くらいレコーディングしておこうという話がなり、

ボク的にはミニアルバム『Bonjour』の完成後、
一時曲作りをする期間があったので何曲かストックもあって

その中から当時のスタッフとメンバーで選曲をし、
『Bicycle』がもっともデモがしっかりしていたという理由もあり着手する事に。

当時はシングルにするという感覚はぜんぜんなくて
歌詞のフレーズがおもしろいからツアータイトルに引用したけど
曲の重さ?に関してはむしろのちにそのツアーも含めライブでブラッサム達と作り上げてきたって方が大きいかも知れない。

だからある意味、作品にものすごい自信があってのリリースなんだと思います。

ライブで人気があったから音源にしたらよい、というのは必ずしも正解ではないかもだけど
演奏する側のメンタルに関してもライブで回数をこなしてくほどに
「この曲に込められたメッセージをもっと強く伝えたい!」という思いが増してきたのは事実で。
活動休憩を経て、再開するにあたり、
ボクらが音楽に込めるメッセージ性と今後の方向性を示すシンボルとして、
新しい名刺として、
この曲をまずシングルにする事が明確な自信?
うん、曲の自信もそうだけどメンバーの“バディーズの音楽を作る”という自信も含まれているのかな。


さて、この曲を作曲した経緯、
エピソードしてどうしても外せないのは

2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震。

ボクらはあまりにも無力だった

あ、あらかじめ
これはアーティストとして何ができる?とかじゃなくて
音楽で何ができる?とかじゃなくて

なんてことない平凡な30代男性の視点として。

ボク自身は3/12に赤坂BLITZでの単独公演も控えていて
それが延期になった事は自然と理解をし、

明日から日本はどうなるのかな?
ボクらの暮らしはどうなるのかな?

“ボクらにできる事”とか“みんなでできる事”とか
“情報拡散行為”とか“現地へ救援物資“とか
はたまた“風評被害“とか“自粛”だ“不謹慎”だとか

あの地震がなかったら
ふだん日常では感じる事のない価値観と義務感が
突然膨大な量で脳みそを奮起させた。
あまりにも膨大過ぎて、
漠然とした虚無感に陥る事もあった思う。

きっと国民一人一人がそうだったと思う。

えと、だからそんな大それた話をしようと思ったんじゃくて、


その虚無感の中から
平凡な30代男性が見つけ出した未来への幸福への標。
…がこの歌詞、なんだと思う。うん。

まあ、なんか、例えば被災地の方でなくとも
あの地震がきっかけに結婚した人や子供を作ろうと決めた人、
働く形を変えた人や、はたまた違う決意をした人、
能動的であれ受動的であれ、
人が前向きな何かを生み出そうとしてる事実は今もまだあるわけで。

この歌詞もまた、そういったモノのひとかけらなんだろうと思います。



人生初のピアノで作った曲というのもあり
あまり1つの音階にとどまらないメロディ。
初めてなんだけど作りやすかった。

言いたい事がどんどんメロディに乗っていく感じ。
ああ、ピアノ初めて良かったなー、っていうのもこの曲を作っていて感じた。

だもんで完全に歌先行なのでアレンジは歌を優先的に作りました。
リズム隊はね裏拍でとってくリズムなのはわかっていたんだけど細かくは本人らに任せました。

いや、最初はもっとネオフォークみたいなアレンジだったんだ。デモの時は。
何度かプリプロ重ねて行くうちに現代的なノリになっていった。そうだそうだ。

今年になってこの曲をシングルにしようとなって
それじゃあここは変えようって部分はそこまでなく、

ミックスはシングルっぽくというよりは
1年前より“今のバディーズが作っている音”、
つまりは生楽器が割合として強く出す方向にしました。

あとは録り直しと言っても
せっかく良いアコギを買ったし(当時はなかった)、
せっかくピアノも弾けるようになったし、
じゃあどうせなので!ってやらせてもらったくらい。



ああ、なぜモチーフが“自転車”だったのか?


一人のチカラでは動けないモノ、
誰かにチカラを添えてもらってはじめて動けるモノ、

ジャケットのブリキロボットやマリオネットもそれ。


…っていうのは後付けなんだけど。



もう本当に、繰り返すようだけど
地震の後、漠然とした虚無感の中で
自宅の周りをぐるぐる回りながら曲作りをしてたら

自然に湧き上がった“日常に対する感謝”が
鼻歌になって出てきて。

それを忘れないように家まで急いで帰って、
ピアノでバーーーって弾き語りして、

なんか歌詞もまとまってないのに
弾き終わった時になんか虚無感だった自分を
自分で許せるようなキモチになって

仕上げて、メンバーに聴かせて
レコーディングして、
ライブでやって、

そしたらみんなが良い曲だと歌いはじめて、

ボクはピアノで伴奏して、
広志のドラムに合わせて一緒にくちづさむ時が一番好きで

これを音源にしたら、
もっといろんな人がくちづさんでくれるのかなー
なんて希望をもって。

もっと沢山の人にこの曲が共感されたら嬉しいな。


と全てがシンプルに出来上がっています。


でもそのシンプルさが大事なんだって、
この曲自体が、この曲の在り方自体が教えてくれてる気がします。


ので、ぜひ生きる事、暮らしに息詰まったキモチでいる人はぜひ聴いてください!


幸福へのシンプルな答えがそこで見つけられるはずです。



では、次はカップリング曲へ行きましょうー。







笑っちまふよな
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