タクシム広場でクルド音楽のライブを見た後
タクシーでホテルへ帰ろうとした。午後11時。
タクシー運転手は笑顔で「ヘロー」と話しかけ、
行き先を告げたタクシーはそのまま出発。
ところが・・・
メーターが上がっていない。
「メーターを上げて」と言うと、
「値段は分かるからいい」と言われ。
「じゃあホテルまでいくらなの?」と聞くと
「20リラ」
もう色々行き来しているので、高くても10リラ、
普通は7,8リラのはず。
「タクシーを止めて」
「無理」
「止めないと警察に電話するよ」
「すればいい」
警察官はそこら中にいるものの、そんな小さな犯罪で
正直助けてくれる可能性は低い。
大使館へでも行くしかない・・・殺されなければね。
イスタンブールでは、タクシーの料金をふっかけられ、
言い争っている姿をそこら中で見かけます。
だいたい言い値の半分位には下がるから、
止まってから交渉すれば良いのだが。
人通りの少ない夜の街。
暴力沙汰は非常に多いそうな。
今まで乗ったタクシーの運転手さんは
8割がた屈強な男の人。戦えそうにないわ・・・
女性1人だったら、決してタクシーに1人で乗るなと言われた。
何かあっても自己責任だよと。
この運転手には滲み出すこわいものがあった。
どこへ連れていかれるかも分からない。
冷たい汗が滲みます。
猛スピードで疾走するタクシーから飛び降りられず
狭い路地に入ったところで、ケリーが思いついた。
タクシーの扉を思いっきり開けて、
「扉に傷をつけたくなかったら、止めろ!」
と叫んだ。
車は高級品。商売道具に傷がついたら大事だ。
傷つけないためには、スピードを落とすしかない。
スピードを落とした瞬間、2人で転げ出た。
そこは知らない町で、明らかに観光街ではなかった。
とにかく大通りへ走り出て、別のタクシーを拾う。
運転手さんをじーっと品定め
優しそうな細見のおじさんタクシーを止めた。
20分程度でホテルへ戻れた。料金も通常。
日本で平和ボケしている私たちには、なかなか刺激が強かった。
自分の身ぐらい自分で守れるようにしておかないとな。