春の風物誌-籠(Kago)- | ーとんとん機音日記ー

ーとんとん機音日記ー

山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記

春の風物誌-籠(Kago)-01

大阪の富田林から三嶋さんが籠を売りに来られた。
わたしたちは、三嶋さんから毎年、この時期にあたらしい籠を買うのを楽しみにしている。

ことしは、お父さんじゃなくて娘さんが来られた。
最近は中国製のものが増えたけれど、日本製の籠とまったくもちが違う。
中国製のものはカビが生えやすいし、すぐ壊れる。



職人がいれば、籠は補修しながら長く使えるのに・・・。
そういう生活文化が、一方では消えようとしているが、一方では、技術を受け継ごうとしている若い人もいる。今日、籠を売りに来てくれた、さゆりさんも、そのひとり。

三嶋さんのところでは、軽トラックに籠をいっぱい積み込んで、
近畿一円を行商して廻っている。

僻地・・・つまり、交通の利便性が良くない処で暮らす人々にとっては、三嶋さんの存在はとてもありがたい存在だし、また、遠くまで出かけてホームセンターなどを巡っても、妥当な価格で実用に耐える籠は手に入らない。

竹を利用する文化は、籠の文化を生み、アジアのそれは、とても繊細でしっかりしていて美しい。ひとびとが使うことによって、技術の品位が高まり、職人の糊口を養い、良い物が妥当な価格で流通し、地域ごとに形状や工夫が豊かな表情を示す籠の文化を生み出してきた。
絹も同じだと思う
良い物が妥当な価格で流通して、
使われることが持続できないと絶えるのだ。

文化を育て、文化を維持しない社会は、
根本的なところで貧しいのだと思う。

自然環境も、文化も、
大事だと思うのならば、意図して維持することを社会が心がけないと、
維持できないような、そういう時代になったのだ。



みなさんも、どこかで三嶋さんの軽トラックを見かけたら、・・・
ぜひ声をかけてあげてくださいね。

春の風物誌-籠(Kago)-03