『無慚。!!』こんな無責任な政権がわたしたちの未来を握っている。 | ーとんとん機音日記ー

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山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記


「首相記者会見は、なぜ11日に延期されたのか。」
昨日、夜8時ごろ、「TPP参加表明に関わる首相記者会見」が行われましたが、率直な印象派は、「参加を表明する」という直接的な表現を避けて「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」という曖昧な表現に代わっただけで「実質的には、反対・慎重の意見を無視して、済し崩し的に“TPPに参加する”ことには変わらないように思われます。」

なぜ、参加表明が、10日から11日に延期されたのか。?

●11月10日、野田総理会見延期の真相
~前夜の密室での激論・・・「岩上安身のIWJ特報!」速報号外


10日から11日の流れは、上掲のフリージャーナリスト岩上安身氏のサイトより御覧になれます。

結局、民主党内、そして、政府内で行われていたのは、TPP参加の是非についての再検討や、内容に関わる検討や、問題点についての意思確認とかいう、わたしたちが重大な問題に直面したときに行う行動ではなく、「反対・賛成によって、党が分裂しないようにする水面下工作」と、「民主党議員の意思統制」の如きものであったということがよくわかります。

「参加表明とは言っていない」鹿野農相が強調

前政権の、菅直人政権以来、民主党は既に、国民の信任を得た政権の位置にはなく、そのような政党の政権が騙し〲の姑息な延命措置を講じながら、国や国民にとって重要な案件を政治主導という違法な手続きによって推進してゆくことに大きな危惧を感じます。

ここで目を転じて、11日の夕刻から夜9時ごろにかけて、何が起きていたのかといえば、・・・



2011年11月11日(金) 午後6時~7時30分
2011/11・11たそがれの経産省キャンドル包囲「人間の鎖アクション」

●2011/11・11たそがれの経産省キャンドル包囲「人間の鎖アクション」

2011.11.11 19:39
事業仕分け、第4弾の対象についてのリリース

●仕分け第4弾の対象決める 農業支援策や地方税財政、社会保障など対象


・・・というような、国民にとっても関心の深い二つの出来事に重ねて、「TPP参加問題の首相会見をぶつけた。」というようなことなんですね。


なんだか、穿った見方をすれば、「意図的に二つの出来事から目を逸らせるような目論見でおこなった。」・・・のではないかと思ってしまいます。

なぜなら前者は、「福島の原発事故に関わる核種汚染問題のデモです。」
また、後者は、「TPP問題とも関係が深い分野の事業仕分けに係わるものです。」


前者に係わっては、食品の安全性の問題・福島県民等の健康被害を危惧する問題・そして飯舘村で今起きている問題・・・等が密接に関わってきます。

後者に係わっては、TPP参加や、民主党が推し進めようとしている日中韓のFTAに関連して、民主党が農業・社会保障問題・公共事業・学術研究・知的所有権・年金・雇用などのさまざまな分野で、どのように改悪してゆくのかが示されます。


今、日本が、政治と行政で、全力を挙げてやらねばならない問題は、TPPやFTAでも、脱原発のエネルギー関連でもなく、再一義は「東日本大震災の広域復興」と、「原発災害の汚染から国民を守ること」です。
そして、甚大な核種汚染被害を受けた福島県や、周辺地域及び関東広域での生活域と農地汚染問題について、どのように対応して、「住民の安全を守りつつ、生活再建と地域の再建を成し遂げるのか。」ということに、日本の英知を集めてかからなければならない問題なのですが・・・

前首相 菅直人氏の脱原発発言から、その点への国民の意識の集中が失われ、論点が散漫になったように思います。

第一にすべきことは、なにでしょうか。?
原発・脱原発の是非は、そんなに緊急性があるとは思えません。

わたしは、第一には、・・・

●震災被災者の方、原発事故被災者の方、そして、重大な被害を被らなかった国民に等しく関係する「食品の安全性」をうやむやにせずに、明確にすること。

●震災被災者の方の生活の再建を擁護することに政治・行政が全力をつくすこと。
●原発事故被災者の方の生活の再建を擁護することに政治・行政が全力をつくすこと。

・・・が、できているのかということ。
これらの基盤が、できるかできないかの、今瀬戸際に来ていると思うのです。政治家の方々は、復興のかたちが現れやすいインフラ面から説くのですが、今、それらインフラ再建と同時に必要なのは、「被災者の方の生活の再建に寄り添って擁護する行政であり、政治の姿勢です。」

私見ですが、わたしは、民主党がいうような制度改革、行政改革、行政事業の仕分けでは、根本的には何も変わらないと思います。
日本のなかで、行政が肥大化して硬直化したのは、「住民に寄り添って擁護する行政の姿勢」が失われたからだと思います。
また、限られた財源の中で手当てする行政事業の実施について、優先順位が伴うのは仕方のないことですから、現実的には受益の平等は絵空事なのですけれど、すくなくとも、行政事業の実施についての優先順位には、住民の理解が伴っていないと、行政・政治は単なる税金の徴収装置でしかないと思えてしまいますよね。
だから、そのような意思決定に対する議論の透明性が担保できているのだろうかという点・・・。
これらの二点を、政治・行政の原点として、復興事業を行えるならば、日本は大きき変われると思うのです。


・・・でも、しかし。
そのようなことは、わたしの個人的な夢想に過ぎず、
例えば、飯舘村で実際に起きていることは、先進国日本・法治国家日本ということが疑わしくなるようなことです。

全村住民を帰村させて、住民が住んでいる状態で、除染実験をするつもりなのでしょうか。?


●福島:飯館村 【除染か避難か…住民同士の対立も】



現在、「広域合併で市になってしまいましたが・・・」わたしも、ここに工房を移転してきたのは「村」という共同体に強く惹かれるところがあったからです。
だから、個人的には、「村」という共同体の維持と、郷土というリアルな場所への愛着を基とした、村長さんたちの言う「帰村への想い」というのは、とても理解できますし、強く心が揺さぶられるところでですが・・・。

しかし、とても残念なことですが、現実的な問題から考えると。「住民の安全は担保できるのか」というところについて、専門的な見地から誰も積極的に言及しない現状では、難しいのではないかと想います。


●飯舘村除染計画書


飯舘村除染計画書を拝見したのですが、・・・

その中に記されている「村内除染作業による地元雇用の創出」という一項に、わたしは強い衝撃を受けました。

『除染作業による地元雇用の創出』によって、村の雇用をつくり、村を再建するというような計画など、許されてよいものなのでしょうか。?
村長さん及び村側にすれば、追い詰められて行った苦肉の立案だったのでしょうが、・・・

しかし、考えても見てください。



『除染作業を村の産業とするような村づくりなんて論外です。』


政府と関係省庁の大臣が、村民の村に対する強い思いを説得して、被爆リスクを避ける為に移転の方向に導くことが解決への第一歩ではないでしょうか。
そして、人道的な見地からも、このような再建計画を訂正するように指導してゆく義務が政府にはあるのではないでしょうか。?

わたしは、飯館村をここまで追い込んだ、民主党政権と関係省庁の大臣に対して、強い憤りを覚えます。
なぜ、飯館村で、村長さんや村側と、住民側の対立が生まれたのでしょうか。?
そこには、民主党政権の無責任な対応が深く関係しています。

良識ある方々は、『除染作業を村の産業とするような村づくりを行う村』を想像してみてください。


無慚です。


『人間への冒涜・人の営みへの冒涜』

それ以外に、このことを言い表す言葉を、わたしは思い浮かべることができません。

そして、このようなことが行われているのに、何もできない自分の無力感に、ただ、涙が出ます。