雨の日には、・・・。 | ーとんとん機音日記ー

ーとんとん機音日記ー

山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記


ーとんとん機音日記ー-雨に日には-01


雨の日には、雨の日の時間が流れ・・・
いまは、雲海に呑み込まれているのだろうか。
渦巻く霧に、見慣れた山の姿さえ隠されている。

この梅雨の湿度が、Monsoon Asia の文化を育て、蚕も育てる。


ーとんとん機音日記ー-雨の日には-02



いま、わたしは、蚕と共に寝起きしている。

「寝ていたら、蚕の桑を食む音がした。」とは、
家で棚飼いをしていた人たちの、子供の頃の記憶。

そういう記憶を持つ人とは、世代も、育った土地も違うのに、
ふと、どこか通じあったような気がするときがある。

雨の日には、いつも聞こえる谷川のせせらぎの音が遠ざかり、
そのかわりに、雨垂れが庭をたたく音と、
蚕が桑を食む小さな音が大きく響く。


ーとんとん機音日記ー-雨の日には-03