「そうですね。確かに、"いまどき。?"なことをしていると思います。」
でも、手でとった真綿糸や、手廻しの座繰り器でひいた糸を使って、手機で織った布はふんわりして、肌触りがとってもいいんですよ。
けれども、残念なことに、そんなに量はつくれません。
例えば、糸をつくってもらっている東 宣江さんに聞いてみると、
一反分の糸をつくるのに、一日7時間くらい手廻しの座繰り器を廻し続けて平均して4~5日は、かかるそうです。
そのようにして出来上がった糸が、私のところに届き、染めて、そして織るのに高機なら2週間くらい、地機(いざり機)なら一ヶ月くらい、最低でもかかってしまいます。
実際には、染めた糸はすぐには使わずに、ある程度の期間を保管して色を落ち着かせてから使うので、織るには以前に染めておいた糸を使うことが多いのですが、そういう点を考えずに単純に計算しても、一ヶ月から二ヶ月に一反のペースが最大の生産ペースだと思うので、「とっても効率が悪いですね。」(*^o^*)

このように効率が悪く、その上作業の進み具合が天候に左右されることも多いので、こういう手仕事のことを"自然の呼吸を感じて仕事するスローライフ"なんて言うひともいますけど、それは大きな誤解でスローなんてとんでもなく、次から次へとやらなきゃいけないことがとても多くて、「とっても、とっても、ビジィライフです。」
