IT用語に「fault tolerance(フォールト トレランス)」という言葉があります。ITパスポート試験や基本情報処理技術者試験にも出てくる、システム設計の考え方の言葉です。
faultは「障害」、toleranceは「耐久力」という意味で、くっつけると「障害耐性」を意味します。「障害に対してどのように備えているか」の考え方とそれを実現する技術をまとめて表す言葉です。
それに対して、「fault avoidance(フォールト アボイダンス)」という用語があります。フォールトトレランスが「障害が発生したとき」の備えなのに対し、フォールトアボイダンスは「障害を発生させないため」の備えです。
この二つは、「障害」に対する考え方が根本的に違います。フォールトトレランスは、「障害は起こるもの」と考え、アボイダンスは「障害は起こらないもの」と考えます。
私は、社内の仕組みを「フォールト トレランス」な仕組みとして設計を考えています。つまり、ミスは起こるもの。起こることを想定してそれでも運用していける仕組みを創るということです。
4月からはじまった新しい評価方法も、フォールトトレランスな考え方を入れています。それは「できないものもある」という考え方です。「できないものがあるから評価しない」でなく、「できないものはあるけどその代わりにこれができるからいい」という評価基準です。
ミスやできないことは誰にでもあります。これを咎めたりチェックを厳しくすることにパワーを使うのであれば、ミスがあっても最低限の項目ができていれば作業は進められ、あとからミスを修正したものを加えられるような仕組みを考えます。そのほうが無駄なく効率的にパワーを使えると思うのです。
これでは作業者のチェックが甘くなり、作業の質がどんどん下がるという意見もあります。しかしそれよりも、「ミスをしちゃいけない」という気持ちで作業をすることより、「ミスをしても取り返せる」という気持ちで仕事をしたほうが気持ちよく作業ができ、作業にも身が入る気がします。そんな気持ちを創りだすことに重きを置いています。
雑誌『経済界』に「人材育成企業」として掲載されました。

