イエメンの首都サナアは2500年前から人々の暮らしが続き、現存する世界最古の町といわれている。
サナアの旧市街は世界遺産にも指定されており、町そのものが生きた博物館といわれるのもうなずける。
城壁に囲まれた旧市街に足を踏み入れたときに感じてしまった。
「これぞずっと求めていたアラビアンナイトの世界!!!」
イエメン1賑わっているバーバルヤマン(イエメン門)を抜けると旧市街を網の目のように広がるスークがどこまでも続いている。
人々の活気で圧倒されっぱなしでなかなか前に進むことができない。
それだけ人で溢れかえっているのだ。
ちょっと進むごとにモスクやハンマーム(蒸し風呂)が突然現れたりする。
この旧市街だけでも64ものモスクがあるという。
アザーンが流れ、人々はモスクへと足早に向かっていく。
ジャンビーア(短剣)を腰にさした男たち。
眼しか見えない全身黒ずくめの女性たち。
今は本当に2006年なのだろうか?
【自分だけ何百年も昔にタイムトリップしているのではないか?】
と本気で錯覚を起こしてしまう。
今まで見たこともない石造りの独特の建物。
スークにはまばゆいばかりの美しい布地、金の装飾品、香辛料などが様々な匂いを織り交ぜて立ち並んでいる。
男たちの威勢のいい掛け声、とても多くの子供が商売をしているのにも驚かされる。
ちょっと細い路地をあてもなく歩いていくと必ずひとなつっこい子供たちと出会い、無邪気な笑顔を前になかなかその場を立ち去ることができない。
本当にこの町こそが究極のアラブ世界なのだ。
学生の頃から海外に行きだしてイエメンが38カ国目になるが一番心を揺さぶられた町かもしれない。
とにかく町は古ければ古いほどに魅力を感じるのだ。
時間の流れも自分の存在自体も何がなんだがわからなくなる。
地図なんて持たずにひたすらこの町を彷徨い歩いて出会う人々の美しい笑顔、昼も夕方も夜もいつ訪れてもサナアの旧市街はまるで宝石箱のように輝いている。
決して綺麗だから輝いてるわけじゃない、日本の近代的なビルみたいに清潔なところなんてひとつもない。
町が人と共に生きてきた長い年月がそのまま町に染み込んでいるのだ。
そんな素晴らしい町で最悪な事件が起きてしまった。。
同宿の日本人男性と観光したかったのだが、すれ違いばかりでその日は会うことができず、町を1人でひたすら歩いた後、ハンマームで一緒になったイエメン人の女の子たちに頭からつま先までごしごし洗ってもらった。
そのハンマーム屋の16歳の息子に夕飯をご馳走になり、そのままハンマーム屋の家族宅でウルルン滞在するはずだったが、少年にセクハラされぶち切れたのでその家族の家には行かず宿に戻ろうとバーバルヤモンの門を通り抜けた人混みの中でのことだった。
一瞬で30人くらいのイエメン男性に囲まれ、2人の男に両手を押さえつけられ、何が何だか分からないまま、複数の男に体を触られたのだ!!!
アラブで痴漢にあったら叫ぶように教わっていた言葉を叫ぶ。
「ハラーミー!!!!!」
人混みだし、ほんの一瞬の出来事で周りは事態にまったく気づいていない様子。
私は甲高い叫び声をあげまくり、必死に手足を動かし、その囲まれた男たちの輪から逃れ、一目散に走った。
怖かった、、、そして悔しい。
警察に行こうと思ったが行ったところでどうにもできない。
英語も通じないのだから事態さえも伝えることができないだろう。
怒りで頭が狂いそうだった時、情報ノートで読んだ眺めの良い屋上があるというホテルが目の前にあったので屋上に上がった。
誰もいない屋上。
これがムスリムの女性であったなら、間違いなくここから飛び降りるだろう。
ムスリムの女性はそんな屈辱にあったなら自殺するか一生事実を隠し通す、戒律の厳しすぎるところでは侮蔑行為にあったりしたら家族がその娘を殺すと聞いたことがある。
それをわかっているからこそ彼らは絶対にムスリムの女性には手を出さない。
もし手を出したならその女性の相手の男性に殺されてしまうからだ。
イスラム社会では人殺しであってもある程度名誉殺害として刑が軽くなるという。そして手を出した男に仕返ししようとしなければ男でないと言われてしまう。(あくまで人から聞いた話だが。)
だから外人女性に彼らは宗教のせいで抑圧された性をぶつけることになるのだ。
出来心の痴漢でさえ許せないというのに集団で一人の女性を狙うなんて弱いものいじめもいいとこだ。
本当に人間として卑劣で野蛮な行為!!
しかもこちらは敬虔なイスラム国と心得て全身黒ずくめの服に眼だけしか見えない状態にしてイスラムを冒涜しないように気をつけているのに。
それでもアジア人女性の眼と中東の女性では全く違うし、持っているリュックやサンダル、隠しきれていない髪の毛などですぐに外人だとバレてしまう。
西洋人観光客は思いっきり普段通りの格好をして歩いているが、あまり痴漢には遭わない様子。
特に中東ではアジア人女性は売春婦だと勘違いしてイメージされているというのだ。
今まで痴漢には散々あってきたがこれほど卑劣な出来事は初めて!
不幸中の幸いは触られるだけで済んだこと。
これがアフリカや南米であったらそうはいかないかもしれない。
それに改めて女性の一人旅がいかに危険か、男性と一緒に行動することが本当に大事だということに気づかされた。
悔しいが起きてしまったことはしょうがない。
リスクを考えた上で自分は女の1人旅をしているのだ。
次に起こりうる最悪のリスクを避ける上での試練だったと前向きに考えるしかない。
そう考えられなければ旅なんかする資格もないし、旅をしようとも思わないはず。
屋上で思いきり「痴漢アラブ男のばかやろう~!!!」
と叫んでこの怒りを静めようと思っていたのだが、サナアの夜景を見た瞬間、怒りがどこかへ吹き飛んでしまう。
目の前に見える夜の町並みはあまりに美しかった。
美しいものを見るといろんな感情がどうしてここまで吹き飛んでしまうのだろう?
いつもいろんな嫌な出来事に遭う度に旅を辞めて今すぐ日本に帰りたいと思う。
日本では大好きな人たちに囲まれて、平和で安全、快適な毎日が当たり前のように目の前にある。
美味しい和食に温かいお風呂、清潔なベッド。
ゴキブリや得体の知れない虫と夜な夜な格闘したり、不清潔な食事に腹をこわして汚い便所にこもることもない。
シャワーは冷水だったり、水さえも出なかったりもする。
停電も日常茶飯。常に荷物を盗難されないように守り抜く。
重い荷物を背負い、安宿を渡り歩く生活。
10円、20円のことで何十分も交渉を繰り返す。
何が悲しくてこんな生活をしてるんだろう?ふと考えたりしてしまう。
でも嫌なことが多々あってもそれでもまだまだ旅をしたいと思う。
旅をすることは生きがい。
本当に純粋に大好きなこと。
旅ができない人生なんてありえない。
嫌なこともひっくるめて全部が旅なのだ。
強盗にあっても痴漢にあっても絶対に旅を辞める気はない。
サナアの旧市街の夜景を眺めながら旅への想いを再確認した。
最悪なときこそプラス思考!!
しばらくはへこむと思うけど。。。ヾ(。`Д´。)ノ
















































































