DNAを調べることで、子供が将来障碍を持つかどうかが、ある程度分かるようになっている。
DNAとはデオキシリボ核酸の略で、この構造を解析したワトソンとクリックらはノーベル賞をもらっている。元々は、こんな簡単な論文から始まったと言うから驚きだ。
このDNAの検査が、簡単に安価に行われていることが、ひとつの問題にもなっている。
調べて見たら、リスク高そうだから堕胎しようって人も居れば、検査結果が間違えてて、子供に障碍が出たり・・・
ほとんど、神の視点だね。
ところで、オイラの場合は、そんな高度な検査をするまでもなく、目に障碍があった。
と、書くと、「あぁ、あれね」と思う方も多いと思う。
いわゆる色覚異常だ。
障碍と言うと大げさだという人もいるかもしれない。
日本人男子で5%もいるから、かなりの割合だ。
正直、「障碍じゃなくて個性」と言う人も居る。
オイラは高校入学直後の身体検査で
「あ、お前は色弱(今は使われない言葉だそうですが)だな。理系は無理だぞ」
と言われて、初めて、自分の見え方が他の「健常者」の見え方と違う理由が分かった。
これって、人によっても違うみたいだし、どの色がどう見えづらいかも様々らしい。
その後、遺伝に関係すると言うことを知って、生物に興味を持ったのだが、受験に際しては、結構制限があった。(いや、思いっきり理系だし・・・)
(今では、制限を設けている高校・大学の数はかなり減りました。)
入試要綱に「色神が正常なもの」
とか書かれていると、もうアウト。
提出する診断書ではねられてしまう。
だって、受験資格が無いんだもん。
自分としては、理学部の生物科で遺伝の学習をしたかったのだが、当時そのような制限の無い大学は(オイラの頭で入れそうな所では)あまり無かった。
で、結局理学部はあきらめ、別の学部を受験したのだが、試験中に、封筒が一つオイラにだけ配られた。
「試験が終了したら、開けてください」
そういい残して、試験官は立ち去ったのだが・・・
当時は今で言うセンター試験。共通一次試験というものが採用されて間もない頃で、二次試験の科目は以前に比べれば少なくなっていた。
別に難しい問題もなく、無事に試験を終了して封筒を開けた。
生徒の健康を司るセクションからの出頭命令だった。
行って見ると、オイラの提出した健康診断書を見ながら先生が質問してくる。
「あなた、色覚異常って書いてありますが?」
正直に、そうだと答える。
「やっぱり、色弱じゃ駄目なんでしょうか?」
実は、前年も同じところを受験し、不合格だったのだ。
一次試験の成績(そこそこ十分)と、二次試験の手ごたえ(多分、ほぼ満点)を考えると、不合格になったのが信じられず、担任の先生も「嘘だろ?」と驚いたほどだったのだ。
(調査書見られたら、不味かったけどね

その場はそのくらいで終わり。
また、不合格かなと思った。
ところが、その年は、幸いにも合格通知が届いた

しかし、入学後すぐに、担任の先生から呼び出しがあった

「君は、色覚異常だそうだね」
「はい」
「もしかしたら、判定会議で、不合格になっていたかもしれないよ」
要綱には確かに書いていなかった。
でも、あんなものは紙切れに過ぎないなと思った。
続く
「はい」
「もしかしたら、判定会議で、不合格になっていたかもしれないよ」
要綱には確かに書いていなかった。
でも、あんなものは紙切れに過ぎないなと思った。
続く

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