奄美には、伝統工芸がある。
大島紬と、泥染め。
大島紬はとても高額。
着物は高い、というすり込みから、なんで高額になるのかなんて考えたこともなかった。
島に来て2日目。訪れたのは、大島紬村。
由来と、行程が見学出来るところ。
贅沢は敵だ、とばかりに、紬の着物を着ることを禁じた薩摩藩。
持っているだけでも罰せられたとか。
当時のひとたちは貴重な紬を土に埋めて隠した。
そこから生まれたのが、泥で染められた糸から織る、大島紬。(諸説あり)
たまたま多く自生していた 車輪梅から染料を取り、焦げ茶に染め上げ、
粘土のような泥で、黒く染める。
それを何度も何度も繰り返すと、漆黒に染まり上がる。
大島紬には模様がある。
マス目状に織られている模様。
あたしはそれを何本もの糸を使って織っていくんだと思ってた。
京都の友禅のように。
大島紬は、糸を模様順に染め上げる。
言葉で書くと簡単だけど、
何10メーターの白い絹糸に、木綿糸でガードをし、「染めるため」にまず糸を織る。
織り上がった生地を、先述した行程を繰り返して黒く染める。
そこから木綿糸をほついて、色を付けていく。
それから、生地を織っていく。
それを聞いたとき、鳥肌が立った。
なんて気が遠くなる作業なんだろう。
ましてや完全分業制で、
どこかの行程でミスったら、もうそれは生地にはならない。
ひとの手と、こころのこもった、伝統工芸。
こんな時間がかかること、今の世の中ではまかり通らないだろう。
今はとにかく短時間で全てを仕上げようと、そればっかりに目がいってる。
だからなのかは解らないけど
実際伝統工芸師の方々は、仕事に窮している。
紬の模様を図案に起こすのも、今となっては殆どPC(CAD)なのだそう。
便利になる世の中で、消えかかりそうなものもある。
だけど、
何かを生み出すのは、やっぱりひとの手で、それを繋いでいくのも、ひとなんだと思う。
こんな素晴らしいものを生み出したご先祖様がいるなんて、
島のひとたちはなんて幸せなんだろう。
それはあたしが余所者だからこそ、思うことなのかもしれない。
紬村を後にして、泥染の体験工房へ行った。
泥で染めるまでは出来なかったけれど、車輪梅を使って、
同じ行程を10回くらい繰り返して、黙々とエプロンを染めた。
同じことを繰り返すのは、何気に辛抱つよくないと出来ないこと。
それでも繰り返していくうちにコツが掴めてくる。
こつこつ、たんたん。
この素晴らしい伝統が、いつの世にも残っていきますよう、と
こころから願った2日目。

