父から娘への中学受験最終問題 | 理系犬型父さんと文系猫型母さんが結婚したら猫型娘っ子が生まれた

理系犬型父さんと文系猫型母さんが結婚したら猫型娘っ子が生まれた

チラシの裏にでも書いとけと言われても、最近のチラシは両面印刷ばっかりなんだ。だから書くんだ。

理系父さんがチラシの裏に書く感じでゆるく書きますよ。
家族の事とか、仕事の事とか、世の中の事とか。

二年以上前のエントリーのトラックバック。

その中身の一つ。 

今回のエントリーに登場する手紙は既にこのタイミングで書き留め済みでした。

それを最終校の受験完了後、娘っ子に渡しました。 

 

本当にお疲れさまでしたと言いたい。

二年前のエントリーを読み返して、本当に本当に大変だったけど、感慨深いね。

 

(一部、受験後に以下追記)

さて、娘っ子三毛猫の中学受験が本当に本当に終わりました。

結果は出ていませんが既に進学先は決まり、フラットな気持ちで最後の結果を受けることが出来そうです。

 

そう。。。遠征受験とは別に残っていた受験です。

この学校はずっと目標にしていた学校。言わばチャレンジ校。スーパーチャレンジ。


最終校の受験が終わって。まずやった事。
それは『あー疲れた!終わったぁ~三毛猫と言いながら帰ってきた娘っ子を、受け止める事だった。

娘っ子『あー疲れた!終わったぁ~三毛猫
私『お疲れ!これで中学受験も終わったね。長かったなぁ犬

娘っ子『うん。頑張った。だから、ぎゅーしてくれ!三毛猫

私『合格後(進学先確定後)もちゃんとやれたね、すごいと思うよ!犬

娘っ子『なんか!なんか、滅茶苦茶出来た気がする。んで、サヨナラしてきた三毛猫

私『サヨナラ? お別れ?犬

娘っ子『うん。合格しても行かないしお別れ。バイバイ三毛猫

私『そっか。ドライだなぁ。え?適当に問題解いたとか? え? え?犬

娘っ子『そんな事しないよ?ずっと目標だったし、結構出来たんだよね。合格してるような気がする三毛猫

私『は?マジで?持ち偏差値よりも5以上の学校だよ?(うわ、ミラクル起きたか???)犬

娘っ子『結果は教えて欲しくないかなぁー。知らなくてもよくない?お楽しみで!三毛猫

私『本当に結果知らなくてもいいの?犬

娘っ子『うん。なんか物凄くすっきりしてるんだよね。結果は知らない方がいいかな?うん!三毛猫

私『・・・・・・・・・犬

娘っ子『あ!やっぱり何年か後に”知りたい”って言ったときに教えて!三毛猫

私『これ不合格だったら滅茶苦茶恥ずかしいやつやんか!コレ。。犬

娘っ子『過去一出来たんだよね。20点足りなかった志望校模試よりも出来た!全集中!痣でてない?三毛猫

私『痣出たら25歳で死んでまうやろ! 何の呼吸やねん!犬

.........
.........
私『なあ
犬
娘っ子『結果は本当にいいって!三毛猫
私『うん? はい、お疲れさまの手紙犬
娘っ子『うわ!なに!分厚っ! ご褒美のお金入ってる?三毛猫
私『アホかっ!入れる訳ないやろがい犬
娘っ子『(がっくり!)三毛猫
私『読んでおいてね!さあ、帰ろう。お母さん待ってる犬
娘っ子『うん!三毛猫

.........

私『あのさ、マジで合格してて行きたいんだったら、行っても良いよ?犬
娘っ子『それは嫌だな。合格してても行かないって!サヨナラしてきた!三毛猫
私『本気か?犬

娘っ子『うん!迷うぐらいなら多分受けてないと思う三毛猫

私『お前すげえな。見直したわ。何がどうなった?犬

娘っ子『えへへ三毛猫
 

 

自宅に帰って、妻にこの話をしたら、

妻『娘っ子が結果知らない方が良いって言うんだったら言わなくてよいと思うよ黒猫

妻『あ!でも、私には教えてね。ってか スマホで見るし。黒猫

だそうだ。

 

わからん

女 っ て 言 う の は 本 当 に わ か ら ん !

 

(受験後追記エントリーはここまで)

 

 

先程、手渡した手紙は以下の通り。


―――手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙―――

君はよく頑張った。
長い期間、君が努力して来た事を私とお母さんは知っています。
だからこそ、心から『良く頑張ったね』の言葉を送ります。

お疲れさまでした。
残りの6年生の期間を楽しんでください。ただ、今はゴールじゃない。

新しいスタートに立ったという事。戦士の休息と言う事。それを忘れちゃいけない。

でも、本当にお疲れさまでした。

6年前に小学校受験を経験し、そして今、君は中学受験を経験した。
ものすごく大変だったと思う。
 『もっと遊びたい。』
 『もっと自由な時間が欲しい』
 『もっと旅行に行きたい』
 『もっとゲームがしたい』
色々な『もっと』と言う気持ちをおさえて、挑戦した6年だったと思う。

特に4年生から今までの期間は本当に本当に大変な期間だったと思う。
そんな辛い期間を乗り越えた君は、すばらしいと私は思う。
中学受験に挑戦する事を通して、”学力”だけでなく”人”として大きく成長出来たと思います。
私が嬉しいなと思う事は、この人としての成長です。

目に見えたり数値で表す事が出来ないモノだけど、確実に成長してきたと思うし、これからも成長して行けると思います。その大きな切欠がこの”中学受験”という機会になってくれたらいいなと思う。

今、この手紙を読んでいて何を言ってるのか分からないかもしれないけど、この手紙を最後まで読んだら”ぼんやりとわかる” ”考える事が出来る” と思います。今の君なら。

さて、今、終わったばかりで申し訳ないけど、いきなりの問題です。
えーーっと思うかもしれない。

頑張って考えてほしい。

これは、父から ”貴女” への『中学受験最終問題』です。

難しい問題かもしれない。
中学生でも高校生でも大学生でも大人でも、この答えをしっかり出せる人は少ないと思う。

父は、この答えをしっかりと述べることはできません。
だから、『君が出した答え』を、私が採点する事は出来ません。
正解とか不正解とか部分点とか採点する問題ではありません。

なぜ、こんな問題を出すのか?
それは、君の父として、『今の君の答え』を聞いてみたいと思ったからです。
それが、最終問題を出した理由です。深い意味はありません。ただそれだけです。

君の答えを聞いたうえで、進学先に送り出したいと考えたからです。

落ち着いてからで良いです。

まずは、ゆっくり休んで答えを聞かせてください。

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■中学受験最終問題■

 

中学受験を振り返ってください。
『納得できる結果』だったか『不本意な結果』だったか?を考えてください。
『納得できる結果』だった場合、謙虚に考えてください。
『不本意な結果』だった場合、自分を責めないで客観的に考えてください。

考えの整理がついたら、以下の問いに答えよ。


<問1>
今後、自分はどうしたいか・どうあるべきかを、『人としての成長』と言う観点で『自分の強い点』『自分の弱い点』の例をあげて述べよ。

※私に相談する事は不可。お母さんに相談するのは可とする。



<問2>
今(2022年1月)時点の自分の夢(将来なりたい事、やりたい事)をノートに書きなさい。
私に見せるのが恥ずかしい場合は、提出不要だか書いて残しなさい。
そして、捨てずに手元に残しておきなさい。


<問3>
上記、問2を達成するために、何をすべきか、ノートに書きなさい。
私に見せるのが恥ずかしい場合は、提出不要だか書いて残しなさい。
そして、捨てずに手元に残しておきなさい。



以上。   ※期日:小学校卒業式前日まで
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私が、この問題を出す事で伝えたい事があります。
難しい問題なので、私が想う『人としての成長』を書いて、君に贈ります。
これが正解だとは限らないし、これとは別の考えもあるかもしれない。

 

多種多様化社会。

選択肢の多い世界にこれから君は飛び込んで行きます。

良い期会なので、じっくりと考えてみてください。


■■■私が思う『人としての成長』について■■■
『不可能な事がはっきりしない限り、どんな事でも可能である。』
『そして、不可能であるとはっきりしている場合でも、それは現段階で不可能であるに過ぎない。』
どこかのエライ人が言ってい言葉です。どこの誰かは忘れました。

けれどもこの言葉はよく覚えています。

私は、なるほど!と思いました。
”不可能→可能へなるためには、向上心を無くしてはいけないという事” かな?と考えました。

今回の結果は、
合格がゴール   不合格が脱落=失格  という意味では無いと思います。

それはただ、たった今の結果でしかありません。
長い道のりだったかもしれない、死にもの狂いだったかもしれない。
けれども中学受験の結果はゴールでは無く、新たなるスタートであるという事を忘れてはいけないと思います。
長い人生の一つの切欠に過ぎないという事です。

では、何がゴールなのですか?
高校受験ですか?
大学受験ですか?
結婚ですか?
地位と名誉ですか?

実は、ゴールなんてモノは存在しないのかもしれません。
私にはそれが何が判らないし、ゴールはしてないし。ゴールも見えません。

これを読んでて今、目の前が真っ暗になりましたか?
ゴールの無い戦いって何だろう?って思いましたか?

他の人との戦い(=競争)をイメージしちゃうかもしれないけど、そうではありません。
ゴール=ラスボスや滅茶苦茶強い人が居るとか、滅茶苦茶頭がいい人が居ると言ったモノではありません。
滅茶苦茶難しい試験を合格するイベントがある訳でもありません。

ラスボスは『自分との戦い』なんだと私は思います。

恐がらなくても良いと思います。安心してください。
これから成長して大きくなるにつれてきっと受け入れれる事が出来る様になると思います。

さっき、ゴールは無いと書きましたが、じつはゴールっぽいモノはあるかな?って私は考えます。

それは、『長い年月を重ね温かい人々に囲まれて、自然に身を任せて息吹と鼓動が止まるその瞬間』が本当のゴール=終着点なのかな?とも思います。


簡単に言うと、
君が"おばあちゃん"になって、君が歩んで来た人生に満足して亡くなっていく事がゴールなんだと思います。

その時には、お母さんも私も二人ともいません。残念だけど見届ける事は出来ません。
それが何故だか今の君は理解できると思います。
見届けるのは、その時に近くに居る大切な人達です。
君が結婚して子供を産んでたなら子供や孫達です。
結婚して居なくても、沢山います。それは周りにいる親友達です。

これが成長について私が考える事です。

 

 

 

 

 


一つ余談を出します。
小学校入学の少し前に亡くなった、ひいおばあちゃんを思い出してください。
ひいおばあちゃんは物凄い強い人だったと私は思います。
そんな強い人だったおかげで、若い頃からの苦労が実を結び、あれだけの家族と家と人脈を築きました。

大切な人(ひいおじいちゃん)と結婚して赤ちゃん(名古屋のおじいちゃん)が出来た矢先に、ひいおじいちゃんは戦争で死んでしまいました。

それも海外で死んでしまったので、骨もありません。
あるのは『死亡告知書』『戦死者進級通知書』と言う紙と戦死者に贈られる勲章だけです。

※あの紙と勲章を君に見せた事があると思います。悲しい紙と悲しい勲章です。

戦争で残ったのは、”たったこれ”だけでした。

ひいおばあちゃんの手元には、たったこれだけが残りました。お金もありません。
当時の日本では、女の子の社会地位が相当低かったらしいです。
末っ子のひいおばあちゃんは本家(生まれ育った家)に戻れず、今で言うシングルマザー状態でした。
今思えば、相当過酷だったとおもいます。

自分1人と赤ちゃん(名古屋のおじいちゃん)だけ。助けてくれる人は誰も居ませんでした。

そんな大変な時代をたった一人で乗り切り、自分との戦いに一歩も引かない強い人だった結果、あれだけの家族と家と人脈を築きました。
そんな、ひいおばあちゃんが亡くなる前に最後に君に伝えた言葉を覚えているかな?

『女は強くなきゃいかん。頭も強くなきゃいかん。男に負けてはいかん。頑張れよ。ばあちゃん。いつも応援しとるでな』
これは、『自分との戦いに負けないで!』と言う意味も含まれてるのかな?と今、思います。

この言葉は、これから先忘れないで欲しい。
私にとっての”最強”の女性からの応援の言葉だと思って、忘れないで欲しい。





さて。。。。。こんな、プレッシャーばかりを掛ける話をしたいのではありません。
いつも戦ってばかりいると疲れてしまいます。

休息も息継ぎもしなければ、倒れてしまいます。

休んでも良いんです。
実は、休まないといけないのです。

でも、休んでばかりいては成長できません。『楽な方が楽しいです』漢字の通りです。
走った時に疲れて休憩するけど、もう一度走り出すときに『もう走るの嫌だな』って思うのと同じです。
それに、打ち勝って走り出す事が、『自分との戦い』なんだと思います。


人生に苦難や失敗はつきものです。
挫折、絶望の原因となるものが次々に襲ってきます。
けれども、そう言ったピンチに打ちひしがれているだけではそこから進めない。

そんな時は耐えて明日を迎えるだけもいい。耐えている間は休みなさい。
そして、耐えた後には必ず立ち上がりなさい。
そうすればそこには、それまでの自分とは異なる新しい世界が待っています。

長かったけど最後まで読んでくれてありがとう。
最後に、もう一度 この言葉を贈ります。


”君は本当によく頑張った!” そして、”貴重な経験をさせてくれてありがとう!”

 

―――手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙手紙―――