今日は管楽合奏の授業日だが、3年生が受験に向けて前回から聴音の授業となっているため人数が少なく、合奏はしていない。
今日は3年生の演奏研究で扱っている「現代音楽」について。
1年生はなんとなく少し退屈そうに見えたが、「聞いてくれ!」と無理矢理押し付けた。
この授業は桐朋学園大学教授の沼野雄司氏著「現代音楽史」に基づいて行っているが、途中美術史などにも飛ぶ。
今日は現代音楽の誕生について、「3つの騒動」を話した。
「騒動」という言葉がなんとも音楽的ではないが、現代音楽の誕生には警察沙汰の騒動が伴う。
①1908年 ウィーン アルノルト・シェーンベルク作曲「弦楽四重奏曲第2番」初演
②1913年 パリ イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲「春の祭典」初演
③1923年 ニューヨーク エドガー・ヴァレーズ作曲「ハイパープリズム」初演
この3つの初演ではどれも凄まじい騒ぎになっている。
特に②においては警察が駆けつけるくらいパリのオペラ座は紛糾した。
この事件を映画「シャネル&ストラヴィンスキー」の冒頭では非常に史実通りに描いていて貴重な映像資料となっているが、R18指定のため全部を高校生とはとてもじゃないが見れない。
美しい音楽を書いていたシェーンベルクがなぜ弦楽四重奏曲第2番で声楽を用い、なぜ十二音技法に突き進むことになったのか、なぜ春の祭典がここまでの騒動になったのか、ヴァレーズの作品はなぜアメリカで発表されたのかなど、現代音楽史117年(!)を世界史などと絡めながら検証した。
まだ最初の5ページくらい。