大学院を出てからちょうど20年目。
あっという間という感じもすれば、割と長かったとも感じる。
人生の中で「現役」と言える丁度中間くらいの時に僕は今いるのかもしれない。
20代、30代の頃は60代の自分を想像することなどできなかったししようとも思わなかったが、今はよく考える。
考えないと、今自分がしなければならないことが刹那的でその日暮らしの人生になっていく。
もちろん人生が思うように行くわけがない。
ただ未来に理想や目標(夢)のようなものを置いておくことで、どんなことが起きてもブレたり絶望することなく軌道修正を冷静に行うことができる。
こちら側から未来を見るのではなく、未来にある自分からこちら側を俯瞰するような感じだ。
目標や計画というのは未来に向けて決めていくものではなく、未来から逆算して決めていくものだと思っている。
本当にちゃんと考えると、本当に今日しなければならないことがわかる。
それは大体まず、今置かれている環境の中で目の前にいる人やあることに、丁寧に大切に愛情を持って接することに他ならないのだが。
人生を指揮し始めた頃だろうか。
このちょうど20年後に、彼は仕事として指揮台デビューを果たすことになる。
この部屋の空気や匂いや温度、今でもなんとなく思い出せる。