大きな本番が終わった。
多くのお客様に来ていただけたようだ。
ロビーコンサートも時間が早くお客さんが来ていただけるか少し不安だったが、ちょうど良い感じで盛り上がっていたみたいで安心した。
LABOのプレコンサートもとても良かった。
シビアなスタートを覚悟するコンサートだったので、その前に美しいラヴェルの音楽でお客様の耳をほぐせたのは期待以上の効果があった気がしている。
こういう本番ではどこか自分の技術的、音楽的限界に挑戦するようなところがある。
ギリギリまで、今までの自分をなんとか乗り越えたいと足掻く。
しかし、最優先は音楽でなければならない。
もし乗り越えられそうでも、自分の技術をひけらかすだけのクオリティに留まり作品の音楽的価値を下げるようなことがあっては絶対にならない。
また、いわゆる特殊奏法の習得は大切だし僕も常に向き合っているが、同時に本来の楽器が持つ特性というのも大いに尊重し、磨いていかねばならない。
そんな中僕は今回、発展的断念とでもいうべき決断を最後の数日間、そして本番のステージ上でもしたところがいくつかある。
そしてそれは良い結果を生んだと思っている。
ここまで粘ったことは今までなかったかもしれないが(諦めが良いともいう)、それを粘りたいと思えて頑張れたのもメンバーの頼もしさ、心強さあってのことである。
焦らず、次にもっと音楽的に自分を乗り越えていけるよう、日頃の鍛錬を大切にしたい。
もっと今のレパートリーの外にある独奏をやらなきゃなと思った。
窪田氏が楽器運搬のためいないのが残念。
久々に妻と一緒に演奏できたのも嬉しかった。
山地さんは今関西を中心に全国のオーケストラで活躍するハープ奏者。
妻の同級生で僕とも干支が一緒ということで、羊飼いならぬ「未会」というグループを勝手に作って昔よく飲んでいたが、彼女とも久々の共演が叶った。