今日の音楽史はロシア音楽を取り上げた。
ワーグナーをやろうと思っていたが、実技試験のラインナップを眺めていると高校生もロシア音楽が好きなのかもと思い、急遽変更した。
しかしながら、ヨーロッパの音楽などに比べるとメジャーどころは押さえていながらも、流れや社会的な背景は希薄になりがちかもしれない。
今日はロシア音楽の祖、グリンカからロシア・アヴァンギャルドに至るまで、50分で一気に通過した。
途中チャイコフスキーとラフマニノフに挟まれたグラズノフについての件がどうしても長くなってしまった気がするが、それは許して欲しい。
しかしながら聴いてもらったグラズノフのピアノコンチェルトを美しいと思ってもらえたのは嬉しい。
いつか弾いてもらいたいものだ。
それにしてもモスクワ放送交響楽団(現チャイコフスキーシンフォニーオーケストラ)で50年間(!)音楽監督を務めるウラディーミル・フェドセーエフは本当に凄い。
久々に録音を聴くとその凄まじさがデジタルでも心臓に突き刺さってくる。
1991年6月の日本公演。
この半年後にはソヴィエトは崩壊に至る。
モスクワの奏者たちの圧巻かつ開放的なパフォーマンスは、その社会背景を映し出してはいないだろうか。
2014年のプロコフィエフ、ロメオとジュリエット。
サックスがバスクラで代用されているっぽいとこだけは本当に残念ではあるが、この重厚さと香りさえ漂ってくるような美しさはフェドセーエフならではに思える。